パチンコ日報

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ホールよ、覚醒せよ! 下

今、パチンコ産業は、かついて経験したことがないほどの大きな過度期を迎えています。



昔に戻せばパチンコは蘇る、と幻想を抱いていませんか? 



果たして昔の様に、低価交換に戻せば、お客様は戻ってくるのでしょうか? 私は現状を打破するために、ホールの一部を低価交換にするべきだと思います。



でも、それだけでは無理でしょう。



他に何が必要なのか?



1円や2円パチンコも台頭していますが、これは市場(お客様側)が変わったから。これから益々貸玉料金の複数可は進むでしょう。既に1円パチンコは外せない市場になっています。



では、もし4円等価市場が崩壊して、4円低玉交換が進んだら1円市場はどうなるのか?



この影響の試算も始まっています。



この流れが重要で、ホール産業は、時代の流れに追いつく営業方法を常に模索する時代になったのだと思います。



この流れは、封入式パチンコ機の普及が進めば、どんどん加速されます。



例えば、500台規模のホールが、全台封入式になったら、どんな営業方法が可能になるでしょうか?



ホール側においての最大のメリットは2点。



①玉管理が容易になる

②混合営業が可能になる



玉管理については、誰でも分かるメリットですからここでは詳しく触れません。②の混合営業について書き進めます。



ここで言う「混合営業」とは、複数の貸玉料金の台が同一フロアー内に混在させる事が可能になると言うことです。



例えば、4円の横に1円や2円玉貸の台を設置できる、ということです。



現状は4円と1円の営業は、ホール内に区切りを設けて、玉の流出入を防止しています。玉管理は、ホールには面倒な作業が発生しています。つまり、現状では4円と1円の混合営業は不可能です。



しかし、封入式が全台に設置されたら、この玉管理の煩わしさから開放されるだけではなく、こんなメリットも生まれます。



それは、ホール内のお客様の流れに変化をつける営業が可能になります。例えば、一物一価の影響で、4円&1円を等価交換にしたホールで見られる実態は、こんな光景です。



4円ガラガラ、1円うじゃうじゃ。



全台封入式になれば、そういった偏りのあるコーナーを平均化させる事が出来ます。



これはお客様がホール内全体を自由に行き来する事が可能になり、台の設置方法によって、ホール側がお客様の流れをコントロールできるようになる、ということです(もちろん、混合営業をする場合、混乱を招かないように台毎に表示する事は必要)。



混合営業が可能になれば、4円と1円の設置割合の変更も容易になります。これは最大のメリットとも言えるでしょう。



封入式がどこまで業界全体に浸透するのかが問題ですが、停滞している現状を考えれば、起爆剤になる可能性は秘めています。



封入式によってホールの営業方法も将来は多様化してきます。同時に、ホール市場の縮小でメーカー側も体力勝負になってくるでしょう。こうやってパチンコ業界は、今までにない大きな過度期を迎えています。



昔の様に不景気に強い産業構造ではないのです。ある意味、現状は業界が時代の流れにやっと追いついたのかも知れません。



それなのに、ホール業の一部には、昔からの習慣から脱却出来ないケースも散見されるのではないでしょうか。



まだまだコスト意識の無いオーナーや同族企業があります。



ホール業界の苦境を機械代の高騰が原因だと叫ぶ人がいます。機械を糞台だと言う人もいます。昨今のパチンコ台は、見方を変えれば、糞台なんかはゼロでもあります。



ゼロとは極端な言い方に取れますが、10年前に比べたら、どんな台でも全て素晴らしい台でしょう。つまり、現在稼働が取れない理由は、機械のせいでは無い面もあると思います。



この話を額面通りに受け取れば、反対意見もあるでしょう。



でも、ちょっとまって下さい。



昨今の機械が稼働が取れない原因は、機械の性能が悪いからだけでしょうか? 



昨年発売された機械が、10年前やバブルの頃に発売されていたらどうでしょうか? ホール側の使用方法の責任ってありませんか?



初めて入ったホールで最初の500円で5回しか回らない事が、よくあります。これではお客様の戦意喪失につながります。



今、与えられた機械の性能を最大限に引き出すのはホール側の責任でもあります。



ただのチューリップ台を、一発台に変えて、大きな利益を上げた時代がありました。ホール側の創意工夫とも取れます。



そんな時代から、新台入替による集客方法がメインになりました。これはある意味簡単な方法でもあります。



その時からホールは、お客様管理の方法をおろそかにして来たのではないでしょうか?



昔は、ホールがお客様を育ててきたのではないでしょうか?



現状を見渡して稼働が良いホールの多くは、顧客管理が出来ていたホールだと思います。



新台入れ替え重視で集客してきたホールの中には青色吐息のケースもあります。



顧客管理が出来ていない=管理が完成していないホールが、昨年、新規オープンしたのに、稼働が全然取れないケースもあるのです。



昔なら、新規オープン店ならほとんど集客が可能でした。それが今では既存店に負けるケースもあります。



有名コンサルの手法が通用しないケースも出ています。あるコンサル会社が運営しているホールでも、再生できないケースもあります。これは機械のせいだけではなく、ホール側の運営方法にも問題があるからでしょう。



昨年あれだけ売れたプリウスですが、トヨタの経営陣が今一番危惧していることは何だと思いますか?



それは従来の販売方法と違ったプリウスユーザーが増えたことの弊害です。



トヨタに限らず、自動車の営業方法で一番強いのは、顧客管理が徹底されているケースです。トヨタ本社では、この顧客管理が今後数年間徹底出来るかによって、トヨタの運命がかかっているともいわれています。



外車ディーラーは「3年~5年後にプリウスユーザーの取り込みチャンスがある」と明言しています。



東京のあるチェーン店では、等価交換にして稼働も売り上げも全店下がったそうですが、その中でも一番下げ幅が少ない店舗は、開店して約20年経つ常連客の多いホールだといいます。



新台入替に頼って来たホールは「下げ幅が大きい」と漏らしています。



このホール企業は、機械のせいにする事はほとんどありません。機械代の高騰を嘆きはしていますが、それよりも機械をどう活かすのか、どう処置するのかを常に考えています。



つまり、ホール側は今迄の意識を改革しなければならない時代なのです。



機械代を下げて欲しいと要望しても、それだけでは不十分なのです。機械代は35~40万円で推移していますが、一部では既に機械代は値下げされているのです。



35万円の定価の台は、実はもっと安く販売されているのです。



マルハンさんのスタッフのブログにはこう書かれています。



「大量導入によって、仕入れ値が他店より安い」とした上で、「業界で売上1位、店舗数2位(1位はダイナムさん)というマルハンでは、定期的に導入される新台を他店より“安く”仕入れております」と明記。「これが、いわゆる『マルハン価格』であります」と書かれています。



大手には大手向けの価格があると言うことです。



これは商売上批判は出来ません。スケールメリットを活かすのは、売り手にも買い手にも重要だからです。こんな状況の業界ですから「価格を下げてくれ」といくら叫んでも叶いません。



これをメーカー側の立場に立って考えたら、より一層理解が出来ると思います。



私は現状の機械代の高さには納得は出来ませんが、こうも言えます。



パチンコ機の定価は高いが、それを購入している側の多くはそでも買わなければならない状況が問題だと思います。この原因は書かなくても分かるでしょう。



加えて、ホール側が、売り上げが上げられると判断した機械は、定価の数倍で中古市場から調達する事が過去に何回もあります。これではメーカー側に足元を見られるでしょう。



だから機械の定価はそう簡単に下がらないし、また一部では既に下がっているのですから、余計定価は下げないでしょう(株主が大勢いるメーカーなら、売り上げや利益の確保も重要です。それに反する対応は難しい)。



今迄の水準の機械の定価が下がる時、それは一メーカーの捨て身の時かも知れません。これから数年は、高く売れるなら高く売るメーカーと、下位メーカーの駆け引き次第でしょう。これはホール側にとっては他力本願。



パチンコメーカーに限らず、メーカーが売れない在庫を抱えた時、最初にどうするか分かりますか? ただ捨てる事はしません。捨てるにも費用が掛かります。



まず最初にするのは、安くても良いからどっかに購入してもらう事です。これには条件があります。市場価格に影響が出ない売り先の確保です。



パチンコ業界なら、大手ホールチェーンに内密に引きとってもらう方法もあるのではないでしょうか?



そうなれば、恩恵は大手ホールだけで、中小にはなかなかその恩恵は回ってきません。



だからダイナムさんの様に、中小をも巻き込んだ戦略が必要なってきます。同じ手法は家電量販店のヤマダでも行われている。



ホール業界側がこれから重要なのは、パチンコ機の定価を下げてもらう意識は捨てて、実質購入価格の下げを要求出来る立場を作る事です。



前々から言われている、共同購入組合の結成もその一つでしょう。また、販売方法の是正を堂々と正すべきです。



それは「難しい!」と言われそうですが、それではいつまで経っても業界は時代の流れに置いて行かれます。



これは私の予測ですが、売れ残った機械は、定価の半分以下で販売されていると思います。私はメーカー側の立場にも勤務した事もありますし、大手総合商社とも一緒に仕事をした事があるから分かります。



モノを製造する場合、そのモノの中にあるコストで、部品製造費コスト以外に、著作権やソフト制作が大きな幅を占める製品の場合、製品が成熟していけば行くほど、コストが高くなる傾向があります。パチンコ機はそのスパイラルに入っています。



こうなると、お客様側もより一層のレベルの高い製品を望みます。



同時に開発側も余計な仕組みを作りたがる。殺人光線を発するパチンコ台がいい例です。お客様から見たら、潜伏確変も同様です。



これから先の10年の為に、今ホール側が動かないといつまで経っても同じことの繰り返しです。



それではこれから先、現状のホール運営はどうしたらよいのでしょうか? これについては、追々寄稿しますがまず自分たちで考えてください。



新台入替に慣れた客層が多い場合、その手法が無くなれば、明らかにホールの集客は落ちます。新台入替の集客方法と同時に、固定客管理をどう行うのかが問題でしょう。



皆さんのホールには、「固定客」「準固定客」「未固定客」の概念はどう設定されていますか?



まさか来店回数だけで設定はしてませんよね?



例えば、月に4回来店するお客様A様。



A様は、自店舗以外のホールには行きません。この場合は「固定客」。



月に15回来店するお客様B様。



B様は他のホールへ月に10回行きます。この場合は「準固定客」。



こんな分け方も出来るでしょう。



話は長くなりましたので、今回はこの辺に致します。



機械は一部では安くなっている現実を認識する事です。これは、皆さんが自分のモノを買う時に感じている事と同じです。それが分かれば、あとはやる事は自ずと出てきます。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. Unknown

    元店長さん。お帰りなさい。腰の痛みは治りましたか!?お大事にされてください!!いつもブログ拝見してます。顧客管理で鳥肌出ました。(笑)。。。となるとPプロさんの勝ち目は?客減りに拍車をかけているのは、P機種の当たりの信憑性です。猛烈な顧客管理と信憑性を疑う客が逃げ惑う現状だと思います。。当然客が減ればストックが無ければホールに出せないことはわかりますしネットの情報、体感でわかります。。ホールも客も、今までのツケが回ってきたのでしょうよ~。やり方ではパチンコは勝てる面白い遊戯だ!とのユーザーの幻惑を叶えてあげる姿勢が整いました!位聞きたいものです。(笑)
    パチ日報の固定客  »このコメントに返信
  2. ピンバック: パチ日報の固定客

  3. Unknown

    周辺業者です。

    大規模価格は驚くくらい安いですよ。

    “パチンコ機の定価を下げてもらう意識は捨てて、実質購入価格の下げを要求出来る立場を作る事です”この言葉、どれだけの業界人がハットするでしょうかね(ニヤニヤ



    もろこし  »このコメントに返信
  4. ピンバック: もろこし

  5. Unknown

    売れ残りはどんなホールに引き取られてますか?
    質問  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 質問

  7. Unknown

    これも意味が深いよ

    http://gocats.exblog.jp/14294441/

    どーしてカットしたのか?
    安藤  »このコメントに返信
  8. ピンバック: 安藤

  9. Unknown

    安藤さん、こっちの記事の方が参考になるよ。

    http://gocats.exblog.jp/14292619/
     »このコメントに返信
  10. ピンバック: あ

  11. ホールの活性化するには

    若者離れが一番怖い。

    若者をホールに取り込むなら、500円が2000~3000円になるような甘い羽モノが一番いい。

    そのシマは多少の赤字でいいから。

    くま  »このコメントに返信
  12. ピンバック: くま

  13. Unknown

    確かにな、ボックス値引きに、早期値引き、枠値引き、これだけでも5万にはなる。

    大量に買えない中小には不利。加え抱き合わせだもんな。
    現役店長  »このコメントに返信
  14. ピンバック: 現役店長

  15. Unknown

    >>同時に開発側も余計な仕組みを作りたがる

    痛い場所を突かれましたね。そうならない歯止めは部下にしてたつもりですが。

    封入式の混合営業は大変参考になりました。
    開発本部勤務  »このコメントに返信
  16. ピンバック: 開発本部勤務

  17. Unknown

    封入パチンコの可能性がわかった
    通りすがり  »このコメントに返信
  18. ピンバック: 通りすがり

  19. Unknown

    価格を下げろではなく

    購入費を下げろですね

    ホールは商取引が下手なんです
    ぴん  »このコメントに返信
  20. ピンバック: ぴん

  21. Unknown

    私は馬鹿なので、一回分の文章をもっと短くお願いします。難しい内容だと長文だと頭が混乱します。かって書いてすみません。
    スタッフ  »このコメントに返信
  22. ピンバック: スタッフ

  23. Unknown

    スタッフ様へ

    個人差はあると思いますが今回の元店長様の寄稿文は長文とは言えないですよ。

    馬鹿な私を押し付けるのではなく馬鹿でない私になる努力を行ってください。
    スタッフA  »このコメントに返信
  24. ピンバック: スタッフA

  25. Unknown

    4円低玉交換を運営をできる貴重な人材は業界にもう残って居ないとおもいます。逆に15年くらい不要とされた時期があります。

    できる人がいても、マニュアル化は難しいですね

     »このコメントに返信
  26. ピンバック: ぬ

  27. Unknown

    昔ですがある業界幹部はホール組合とメーカ組合はパチンコ業界を自動車に例えて“両輪”だと会合で話しておられましたね。その発言を言い換えると“お為ごかし”に思える現状をどう説明されるの過業界人に問いたい。
    オーナー孝行  »このコメントに返信
  28. ピンバック: オーナー孝行

  29. Unknown

    元店長さんには、もっともっともっとガツンと言って欲しい
    P7  »このコメントに返信
  30. ピンバック: P7

  31. Unknown

    確かにホール組合とメーカ組合はパチンコ業界を自動車に例えると“両輪”です。

    でも“両輪”だけで自動車が走るものか。

    エンジンの客のメンテを怠った結果、走らなくなったパチンコ自動車は走らなくなった。

    あらゆる商売は客が主役なんですよ。

    客が3円交換以上の球が増えないパチンコを拒絶しているだけです。

    それを業界はまったくわかってない。
    初心者  »このコメントに返信
  32. ピンバック: 初心者

  33. Unknown

    上下巻で終わりですか?残念です。つづかないの?
    せとか  »このコメントに返信
  34. ピンバック: せとか

  35. Unknown

    マルハンより安く購入している法人は何社もありますよ!

    中には2、3店舗レベルの法人もありますよ!

    マルハンが一番安いは誤解ですね。
    業界人①  »このコメントに返信
  36. ピンバック: 業界人①

  37. Unknown

    業界人①様

    これは想像ですが、元店長さんはすべて分かっていると思いますよ。

    ここで書けない秘密があるのでしょう。

    マルハンが一番安いとは、どこに書いてありますか?

    まるはん価格のことは書いてますけどね。



    本文を勘違いされると本質が分からなくなるよ。
    エノモト  »このコメントに返信
  38. ピンバック: エノモト

  39. Unknown

    業界人①サン宛に誰かが既にコメントしてるかも知れんが、どこにマルハンが一番安いと書いてますかね?
    ???  »このコメントに返信
  40. ピンバック: ???

  41. Unknown

    しったかコメントうざいですね



    記事でいいたいと筆者が思っているのは



    一例としてマルハンや大手に出されている価格の存在を認識して、次の一手を打ちなさいといいたいのでしょ



    これくらい誰でも判るっしょ



    判んない人もいるんやね
    ファン  »このコメントに返信
  42. ピンバック: ファン

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