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競馬で70万円勝ち、裏カジノで1時間半で70万円が 熔ける

年齢は還暦手前のAさんは、後ちょっとということで定年を待たずしてリストラ対象となってしまった。仕事はアパレル関連の縫製工場で働いていた。コロナ禍で営業不振の一つがアパレル業界だった。外出を控えれば、洋服も売れなくなる。洋服が売れないと縫製の仕事も減るというものだ。

年金受給はまだまだ先。リストラされても働かなければ食べていけない。年収530万円を失うことになり、同級生に相談した。半ば自棄になっていたAさんを同級生は憂さ晴らしに競馬に誘った。

4月のとある日曜日、Aさんは1万円を握りしめて東京競馬場へと向かった。

競馬はほぼ素人だったが、ビギナーズラックが舞い降りる。1万円の元手が13万円になった。気をよくしたAさんは翌週の日曜日も競馬場へ向かった。

今度は元手の13万円が70万円に膨れ上がった。

「競馬は簡単」と有頂天になるAさんは、競馬の帰りにパチンコホールへと向かった。ついているから、「今日は勝てる」と妙な自信があった。

普段は1パチしか打てなくなっていたAさんは、気が大きくなっているので、久しぶりに4パチを打った。2万円の投資で6万円ちょっとになった。

パチンコでも勝った。Aさんのツキはまだ落ちていなかった。

ここで止めておけば、Aさんの財布の中には70万円が残っていた。リストラを迎えるとはいえ、小遣いが70万円もあれば、心に多少はゆとりも生まれる。リストラ後のことも落ち着いて考えられる。

しかし、Aさんは「どうせあぶく銭」とばかりに、友達に誘われて向かった先が渋谷の裏カジノだった。

裏カジノで何をプレイしたかは分かっていないが、Aさんは元手の70万円をわずか1時間半で全額熔かしてしまった。

賭け事はパチンコ程度しかしたことがなかったAさんは、競馬と裏カジノで天国と地獄を味わうことになる。

「パチンコはサンドに1000円札を入れて、ボタンを1プッシュすると500円分の玉が出るわけですが、そのボタン操作が頭をクールダウンさせていたように思えた。カジノはクールダウンさせる役割のボタンがないので、70万円スルのに1時間半ですからね」(Aさん)

ま、1時間当たりの消費金額を比べれば、遊技であるパチンコと賭け金が青天井のギャンブルの違いがはっきりする。1発の戻りがなくてもパチンコなら2万4000円だが、さすがにそんな台は設置されていない。

あぶく銭の70万円をさらに増やしたいAさんの気持ちをあざ笑うかのように、根こそぎ持って行ってしまうのが、ギャンブルの魔力である。


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