この日、買取所に入る従業員が急病でどうしても入ることができず、伝手を頼ってA子さん(40)が緊急で入ることになった。
初めての買取業務。しかし、業務は至って簡単。受け取った特殊景品の金額は自動表示される。表示された金額を渡すだけ。小学生でもできる。
このホールの1日の換金額は300万円ほどだった。
すると、午前中にも関わらず、「おカネが足りない」とA子さんから連絡が入った。店長はどういうこと?と頭が混乱した。
カメラで確認して分かったことはこうだ。
例えば、換金額が6000円とすれば、A子さんは1万円札を6枚渡すような間違いをやっていた。これが一人や二人ではなかった。来る客、来る客に間違って渡していた。その結果、午前中でおカネが足りなくなった。計算すると誤差は90万円に達していた。
知り合いに故意に多く渡そうとしたのかと思ったら、そうではなかった。
A子さんは大人の発達障害で診断書も出ていた。
普通に会話はできるので、そんなことは知らずに無理に入ってもらった結果、こんな事件が起こってしまった、というわけだ。
A子さんのように金銭の計算ミスや間違いが何度も繰り返される場合、それは認知機能の障害や注意力の問題に関連する以下の障害を持っていた、ということになる。
注意欠陥・多動症(ADHD)
ADHDは、注意力や衝動的な行動の制御に問題がある状態。これにより、計算ミスや注意力不足が金銭の管理に影響を与える可能性がある。
認知機能の障害
認知機能の障害は、記憶、判断、計算などの認知プロセスに影響を与える状態を指す。認知症や他の神経学的な障害がこれに含まれる。
自閉症スペクトラム障害(ASD)
一部の自閉症スペクトラム障害の個体は、社会的なコミュニケーションに関する課題やルーチンの変更に対する適応の難しさがあり、これが金銭管理に影響を与えることがある。
これらの状態は個々に異なり、他にも様々な要因が関与する可能性がある。金銭管理に問題がある場合は、まずは医師や精神保健専門家と相談し、適切な評価を受けることが重要だ。
で、現在は90万円の損害を巡って、買取所とホールの間で双方の弁護士を入れて、話し合いが進んでいる。発達障害のある人が法的に責任を負うためには、その人の能力を評価する必要がある。すでに診断も出ているからA子さんに責任は問えない。
普通に考えれば発達障害があることを知らずに臨時で雇った買取所に重大な過失があると考えられる。
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