パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

高校生が13万円分出した時、店長の最適解は何か

ホール事件簿。

このケースに明確な正解はない。あるのは「より傷が浅い選択」だけだ。もしあなたが店長だったら、どう判断するだろうか。

出玉交換でカウンターに現れた客は、大勝ちしていた。特殊景品に換算すると13万円分。ところが、カウンターで向き合った女性スタッフは違和感を覚えた。顔つきが明らかに幼い。18歳未満が疑われた。

カウンタースタッフは判断に迷い、主任へ相談。主任も即断できず、最終判断を仰ぐため店長に連絡した。しかし店長は外出中で、戻るまで1時間以上かかる状況だった。電話では状況を把握できるものの、決断を下すには材料が足りない。

店長は「とりあえず事務所に通して待機させる」よう指示し、同時にオーナーへ連絡。事実確認を進めた結果、客は18歳未満の高校生であることが判明した。

この時点でホールはすでに風営法違反を犯している。未成年を立ち入らせ、遊技までさせている以上、「気づかなかった」では済まされない。監督不行き届きは明白であり、安易に所轄へ相談することもできない。ホールが行政処分で営業停止の可能性も出てくる。

オーナーは即座に顧問弁護士を呼び、高校生の親にも連絡。ホールで、弁護士と保護者を交えた話し合いが行われた。

弁護士の見解は冷静だった。ホール側には管理責任という過失があり、高校生側も風営法違反を承知で遊技している以上、過失はゼロではない。さらに、この事実が学校に知れれば、停学などの処分を受ける可能性もある。

最大の争点は、13万円分の特殊景品をどう扱うかだった。換金すれば違法性を拡大させ、没収すれば保護者の反発は避けられない。そこで提示された「落としどころ」が、13万円相当を福祉施設へ寄付するという案だった。過失を相殺する形で双方が納得し、この件は表沙汰になることなく収束した。

では、この判断は最適解だったのか。

法的に見れば、完全に白とは言えない。しかし、行政処分、営業停止、学校への通報、親子関係への影響――それらすべてを天秤にかけたとき、被害を最小限に抑えるという意味では、現実的な解だったとも言える。

本当の最適解は、事件を起こさないことだ。年齢確認の徹底、入店管理の厳格化、スタッフ教育。13万円を寄付することで済んだこの一件は、ホールにとって「最も安い授業料」だったのかもしれない。



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遊技機メーカーに迫る“脱・中国依存”という経営課題

高市首相による「台湾有事は日本の存立危機事態となり得る」という発言をきっかけに、日中関係は一段と冷え込んでいる。

専門家の間では「2027年にも中国が台湾に侵攻する可能性がある」との見方も根強く、残された時間は決して多くない。これは外交や安全保障の問題にとどまらず、日本企業の経営戦略そのものを揺さぶる現実的なリスクとなりつつある。

すでにキャノン、ソニー、三菱自動車、日本製鉄といった名だたる企業が、中国工場の閉鎖や撤退を進めている。IT、半導体、外食、小売など業種を問わずグローバル企業は中国依存から距離を取り始めた。

背景には、コロナ禍における中国のゼロコロナ政策がある。約3年間にわたる都市封鎖は、サプライチェーンを寸断し、「中国ビジネスは不可避で恒常的な構造リスクを抱えている」という認識を企業に強く植え付けた。

その結果、各企業では対中ビジネスの戦略的意義とリスクを徹底的に再評価し、中国市場や中国生産への依存度を抜本的に引き下げる、いわゆる「脱・中国依存」を加速させなければならないという意識が広がっている。

もはやこれは一部の業界だけの話ではない。

遊技機メーカーも例外ではない。むしろ危機感は相当強い。なぜなら、現在の遊技機製造は、中国で生産された部材や部品に大きく依存しており、それらが一つでも欠ければ、日本国内で遊技機を組み立てることができないからだ。

幸いにも、パチンコ産業は自動車産業のような巨大産業ではないため、大規模な工場撤退といった直接的なリスクは小さい。しかし、台湾有事という最悪のシナリオを回避、あるいは被害を最小限に抑えるためには、部品調達先を中国以外に分散させる必要がある。

部材が入ってこなければ、遊技機は1台たりとも完成せず、最悪の場合、企業は倒産の憂き目に遭う。

遊技機は、実は高度に分業化された工程を経て作られている。

まず主制御基板やサブ基板の回路設計・レイアウト設計を行う。CADを用いて、基板上のどの位置にどの部品を配置すれば効率よく、かつ安定して動作するかを検討し、入念な動作確認を重ねながら設計が進められる。

次に、出玉確率や払出しを制御する主制御基板、役物などを制御するサブ基板のプログラムを作成・搭載する。さらに、各機種に合わせた効果音やBGMの制作・編集を行い、音の長さや種類、鳴らすタイミングまで細かくプログラムすることで、遊技機特有の演出が完成する。

ここからが本格的な製造工程だ。

生産計画に基づき、部材の手配・調達を行い、各工場の生産スケジュールを見極めながら、過不足のない量を適切なタイミングで確保する。

オートメーション化された設備によって基板への部品実装が行われ、半田処理後は樹脂ケースに収められ、最新の検査機で厳密な機能検査が実施される。

こうした一連の工程は、どれか一つでも中国依存の部材が途絶えれば、すべてが水泡に帰す。

台湾有事は、決して机上の空論ではない。

遊技機メーカーにとって「脱・中国依存」は、もはや選択肢ではなく、生き残るための必須条件となりつつある。


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テレビが「箱」から「板」になった日を追従するパチンコ

1960年代から2000年代初頭にかけて、家庭の居間の主役だったブラウン管テレビは、典型的な「箱」だった。

画面が大きくなるほど奥行きも増し、30センチから大きいものでは60センチ以上。構造上、電子銃から放たれた光を奥で加速させる必要があり、薄型化は不可能だった。重く、かさばり、部屋のレイアウトを制限する存在でもあった。

ところが2000年代に入ると、テレビは劇的な変貌を遂げる。「箱」から「板」への進化だ。最初に薄型化の扉を開いたのはプラズマテレビであり、その後、消費電力や量産性で優れた液晶テレビが主役となった。

初期の液晶でも厚さは5〜10センチ。ブラウン管時代を思えば革命的な変化だった。

さらにバックライトが蛍光管からLEDへと置き換わることで、テレビは一気に薄くなる。壁掛けが当たり前となり、厚さは2〜5センチへ。そして現在、有機ELテレビはバックライトすら不要とし、最薄部は数ミリ。テレビはもはや家具ではなく、空間を演出するインテリアの一部となった。

このテレビの進化に着目した遊技機メーカーが、今、ある挑戦に乗り出している。

それは薄型パチンコ機の開発 だ。

現在のパチンコ機は、見た目こそ派手に進化したが、構造的には「分厚い箱」のままだ。大型液晶の裏には巨大な裏基板、電源ユニット、配線が詰め込まれ、厚みはテレビで言えば、いまだブラウン管時代に留まっていると言っても過言ではない。

しかし、スマパチの登場は、その常識を覆す可能性を秘めている。物理的な補給装置が不要になり、内部構造を大幅に簡素化できるからだ。これは、ブラウン管から液晶へと移行したテレビと同じ技術的転換点でもある。

メーカーが見据える次のゴールは、「壁掛けパチンコ」の実現だ。

壁面に設置された薄型パチンコが並ぶホールは、これまでの島配置とは全く異なる景色を生み出し、ホール全体の雰囲気も大きく変わる。

薄型化のメリットは見た目だけではない。機械が軽量化されることで、設置や入れ替え作業の負担が減る。

さらに、試算では同じ床面積でも設置台数を約40%増やすことが可能だという。仮に500台設置していたホールであれば、700台近くまで増台できる計算になる。これは、出店が難しい都市部のホールにとって極めて大きな意味を持つ。

テレビが「箱」であることをやめたとき、私たちの生活空間は大きく変わった。

同じように、パチンコ機が「分厚い筐体」である必然性を手放したとき、ホールの姿も、遊技のあり方も一変するだろう。

壁掛けテレビが当たり前になったように、
壁掛けパチンコが当たり前になる日……。

それは、決して遠い未来の話ではないのかもしれない。


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1580円でも完売するすき焼き鍋膳。ちいかわがコラボのパチンコ景品を

ある業界人が昼食を取ろうと松屋に立ち寄った。そこで目に飛び込んできたのが、人気キャラクター「ちいかわ」とのコラボキャンペーンだった。


内容はシンプルで、「ちいかわのすき焼き鍋膳」(1580円)を注文すると、ちいかわの食券ホルダーが1個おまけで付いてくるというものだ。

正直に言えば、メニューを見た瞬間「高い」と感じた。

牛丼チェーンのランチとしては、1580円は明らかに強気の価格設定である。ところが、業界人が訪れた時間帯には、すでに限定数は完売していた。


食事そのものではなく、“おまけ”が売り切れを生んだ。この事実に、改めてちいかわ人気の凄まじさを思い知らされた。

これは、キャラクター人気にあやかった典型的なビジネスモデルだ。

ちいかわコラボといえば、記憶に新しいのが昨年5月のマクドナルド・ハッピーセットだ。マクドナルドクルー姿のちいかわたちが描かれた文具や実用アイテム全8種類は記録的な人気を博し、早期販売終了となった。その一方で、転売目的の大量購入により、手付かずのハンバーガーが廃棄されるという社会問題も引き起こした。

松屋は、その反省を踏まえたのだろう。

価格を高めに設定し、1人1食限定とすることで、転売目的の購入を抑制しようとした。しかし、現実は甘くない。1人で複数店舗を回れば制限は意味をなさず、実際、フリマアプリには食券ホルダーが並んでいる。

つまり、転売対策は「完全防止」ではなく、「抑制」に過ぎない。

それでも企業がコラボをやめないのは、圧倒的な集客力があるからだ。

日報では、新規客開拓策として「ちいかわパチンコ」を提案してきたが、遊技機開発には時間もコストもかかる。
それよりも現実的なのは、飲食業界にならい、パチンコ店専用のちいかわ景品を企画することだろう。「パチンコを打っているちいかわ」というテーマだけで、十分なオリジナル性が生まれる。

具体的には、パチンコ業界ならではの文脈を生かした景品設計が考えられる。例えば、「ちいかわがパチンコ台の前で一喜一憂している」デザインのアクリルスタンドや、「大当たり!」の文字と一緒に歓喜するちいかわのキーホルダーは、それだけでコレクション性が生まれる。


さらに、玉箱を抱えるハチワレ、ドル箱の上で眠るうさぎといったデザインは、他業界では成立しないパチンコ専用の世界観だ。

転売を完全に防ぐことはできない。

ならば発想を変え、これまでパチンコに関心のなかった層に、まずホールの入口まで来てもらう。その“きっかけ”をつくることこそが、今、業界に求められている大命題ではないだろうか。



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早すぎた制止でiPhone窃盗未遂が“被害者逆転”になった日

年末の慌ただしい時期、都内のあるホールで窃盗未遂と思われる出来事が起きた。ところが、この一件は想定外の方向へ展開していった。

店内をリュックサックを背負った客が歩いていた。リュックの横ポケットにはiPhoneが差し込まれており、外から見てもそれと分かる状態だった。そのiPhoneに、通路をすれ違った男が手を伸ばした瞬間を、偶然ホールスタッフが目撃した。

「今、盗ろうとした」

スタッフはそう判断し、反射的に男の二の腕を掴んだ。現行犯を押さえたという自信があった。ところが男は即座に声を荒らげる。

「何するんだ、痛いじゃないか」

スタッフは、iPhoneをすろうとした瞬間を見たと説明したが、男は真っ向から反論した。

「ポケットから落ちそうだったから、親切心で中に押し込んであげようとしただけだ」

スタッフの記憶では、確実にiPhoneはすでにポケットの奥にきちんと収まっており、落下の危険はなかった。

しかし、それを客観的に証明できる映像や写真は残っていなかった。iPhoneを“抜き取った”決定的瞬間も確認できていない。

結局、その場では警察を呼ぶ決断もできず、男は解放された。

数日後、事態はさらにややこしくなる。窃盗の疑いをかけられた男が、今度は「被害者」としてホールに現れたのだ。腕を掴まれた際に筋肉を痛めたとして、全治一週間の診断書を持参し、慰謝料を請求してきた。

ホール側は窃盗未遂の可能性を主張したが、物的証拠がない以上、立場は不利だった。最終的には示談という形で決着し、支払われた示談金は3万円。大事には至らなかったものの、後味の悪さは残った。

この一件でホールが学んだ教訓は明確だ。

「怪しい」だけでは手を出してはいけない。iPhoneに手を掛けた段階ではなく、完全に抜き取った瞬間を確認してから制止する必要があるということだ。

タイミングが早すぎれば、今回のように“善意”という言い訳を与え、逆にホール側が責められる立場に回る。

現場での瞬間的な判断は難しい。しかし、正義感だけで動いた結果、法的リスクを背負うこともある。示談金3万円は、痛みを伴うが決して高くはない。「安い授業料」と割り切るしかない出来事だった。


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