パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

ホールとディスカウントストア提携構想の行方

信頼できる情報筋から、大手総合ディスカウントストアがホール企業と協業し、パチンコホールの経営に参入するという話を耳にしたのは、今から1年ほど前のことだった。

業界に身を置く者でさえ初耳の話であり、現時点で公になっていないところをみると、単なる噂で終わる可能性もある。

しかし、その構想の中身を少し掘り下げると、業界がこれまで何度も挑戦しては跳ね返されてきた「景品ビジネス」の本質に触れる部分がある。

このディスカウントストアがホール経営に興味を示した理由は、主に客層の親和性にあるという。どちらも年齢層や購買スタイルが似通っていることから、シナジー効果が見込めると判断したのだろう。

しかも、自社のPB商品を景品としてホールに提供することで、在庫の有効活用ができ、なおかつ粗利も取れるという思惑がある。

一見すると、理にかなっているように思える。実際、ホールがPB商品を景品棚に並べるようになれば、原価率の高い一般景品よりも利益面で有利になる。しかし、この計画には致命的な落とし穴がある。それは、ホールに通う現在の遊技客が「景品」にまったく興味を持っていないという現実である。

パチンコの世界は、過去から連綿と続く「換金志向」が支配している。昔はぬいぐるみやお菓子、家電製品などに喜ぶ層も一定数存在したが、等価交換が当たり前となった今では、出玉=現金という感覚が定着しており、景品コーナーに足を運ぶ客などいないのが実情だ。特に一般景品となると、棚に並べるだけ無駄に終わるケースがほとんどである。

40玉交換時代、ブランド品や話題の家電などを目玉として大々的に取り扱ったホールもあった。時には、宮沢りえのサンタフェを目当てに客が殺到した事例もあったが、それもほんの一時的なブームに過ぎなかった。景品業者も次々に撤退する運命をたどってきた。

ましてや、今回話題に上ったPB商品となれば、ブランド価値や希少性といった「欲望のトリガー」も乏しい。ディスカウントストアで安価に手に入るものを、わざわざ遊技の成果で手にしようという動機は生まれにくいだろう。まして、アウトレット品であればなおさらである。ユーザーにとって、景品は精々端玉景品ぐらいにしか考えていない。

現在残っているのは、換金以外に目もくれないヘビーユーザーが中心だ。そんな客層にPB商品を訴求したところで、「余計なものが置いてある」という程度の認識で終わる可能性が高い。

つまり、この構想が実現したとしても、現状のパチンコ業界の構造とユーザー心理を読み誤れば、過去の失敗の二の舞になることは避けられない。客は「何がもらえるか」ではなく、「いくらになるか」にしか関心がない。ホール経営において、景品はもはや訴求ポイントではないのだ。


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15年前に取材した元パチプロが語った衰退の必然

これは今から15年前、私が取材した一人の元パチプロの物語である。

山脇幸三(仮名)さん。当時54歳、10年以上にわたりパチンコで年間200万円前後を稼ぎ、生計を立てていた。しかし勝てない時代が訪れ、その生活は破綻を余儀なくされる。彼が語った勝てなくなった理由は、今日の業界にも通じる示唆に富んでいた。

■ ボーダー理論で食えた時代

山脇さんがパチプロになったのは、共同出資で作った会社が解散したのが契機だった。元々パチンコ好きで腕にも自信があった。ちょうどモーニング機の「春夏秋冬」や連チャンアレパチの「エキサイト」が隆盛し、現金機が1/200、CRは1/300という時代。彼は確率の甘い現金機を求めて毎日、北摂地区から梅田まで通い、早朝から並んだ。

「6個返しでもよく回った。時短でも玉が増えた。月20万円は固かった」と振り返る。ボーダー理論を徹底し、30回転が基準なら33〜35回転の台を朝から晩まで打つ。40回転する台を見つければ、勝ちは約束されたようなものだった。

しかしCR機が普及し、プリペイドカードが強制導入されると状況は変わる。「射幸心を煽るだけで勝てない方式になった」と彼は憤る。

加えて、統一ゲージの導入でスタートの回転数が平等になることで、極端に回る台がなくなったことが勝てなくなった要素、と指摘する。

■ 地元の釘が締まり“勝てる店”が消えた

転機は地元に大型チェーンが等価交換で参入した時だった。人気は独占され、周辺ホールは客を失った。等価に追随しない競合店も「スタートと出玉削り」だけは横並びとなり、結果として「地元に勝てる店がなくなった」。

山脇さんにはこだわりがあった。

「客が多い店は台が選べないから行かない。海物語は叩く客が多くて振動が不快。長時間打つパチプロには耐えられない環境だった」

こうして勝てる店も、打ちたい店も消えていった。

甘デジにも救いを求めたが「勝っても3万円。割に合わない」と失望。やがて午後からの入店が増え、ホールから距離を置くようになり、生活のパチンコ依存は終わりを迎えた。


■ 進化したスペックが客を減らすという皮肉

山脇さんは勝てなくなった原因を「釘」と「機械」の両面で語った。

第一に、スタートが回らない。

液晶が大型化したことで道釘が長くなり、玉が直滑降で落ちて跳ねず、ヘソに入らない。

第二に、演出過多。

「光が眩しすぎて年寄りは下を向いて打っている。音もうるさいだけ。こんな台で一日打つ苦痛を開発者は理解していない」と手厳しい。

さらにホールの「短期回収型営業」にも不満をぶつけた。

「新台をすぐ外す。完全に客から回収するための営業。タイアップ台も機械代が高くなるだけで誰も得しない」

出玉共有・台移動自由によりウチコが増え、一般客にしわ寄せがいく構造も嘆いた。
こうした積み重ねが、長年のパチンコ文化を静かに壊していったと彼は見る。

■ それでも「40回回る台があれば」──元パチプロの最後の願い

パチンコを完全にやめた山脇さんの胸に、わずかな未練がある。
「1回交換でもいい。40回回る台があれば、もう一度打つ」

結局、客が求めているのはただ一つ。
「しっかり回る、遊べる台」である。

しかし現実は、メーカーは高額機を作り、ホールは短期回収に走り、結果としてパチンコは客に背を向ける産業になってしまった。

そして今、スペックが進化するたびに遊技人口が減っていくという「逆転現象」が起きている。
それは、パチンコ機がホールのためだけに設計され、本来の顧客であるユーザーが最も置き去りにされているからだ。

■ 業界が生き残るための答え

山脇さんの言葉を借りれば、解決策は明快である。

「客が求めるのは回る台、それだけだ」

・高額機中心の開発体制を改める
・スタートを削らない営業へ転換する
・長時間打てる“疲れない台”を作る
・演出の過剰化を抑え、高齢客が遊べる機械に戻す

15年前に語られたこの警鐘は、今の業界にもそのまま当てはまっている。
むしろ、当時より深刻さを増していると言っていい。

「回らないパチンコ」が客離れを加速させ、
「遊技機の進化=高射幸化」がユーザーを苦しめていく。
この矛盾を解消しない限り、パチンコは復活しない。

そして、山脇さんの最後の一言は、今も業界に刺さり続けている。
「40回回る台があったら、パチンコはまだ面白い」


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天国と地獄のドラマ──メーカーと脚本家のすれ違い

80代のホールオーナーには、ひ孫がいる。

ある日、そのひ孫が無邪気に尋ねた。

「おじいちゃん、今度、家族で日帰り旅行に行こうと思うけど、どこがいい?」

東京在住の家族は、当然のように熱海や箱根といった近場の温泉地の名が返ってくると思っていた。ところが、オーナーの口から出たのは予想だにしない言葉だった。

「日帰りか……。じゃあ、天国だな」

家族は一瞬、沈黙した。笑っていいのか、涙ぐむべきか迷った。オーナーは昔から、自分が死んだら天国か地獄か──と冗談まじりに口にするのが癖だった。しかし、老い先を意識したその一言には、どこか本音の響きもあった。

この何気ないやりとりが、思わぬ形で波紋を広げる。
話が巡り巡って、テレビドラマの脚本家の耳に入ったのだ。

「これはドラマになる」と、その30代の女性脚本家は直感した。

死後の世界を行き来しながら現世に戻る男の物語──。天国と地獄、そして再生。人間の根源的なテーマが詰まっている。

しかし、ドラマを作るにはスポンサーが必要だ。その話がまたホールオーナーの元に戻ってきた。

「スポンサー? 面白いじゃないか」

オーナーが声をかけたのは、取引のある遊技機メーカーだった。メーカーの反応は意外にも前向きだった。

「これはパチンコにぴったりです。“天国と地獄を行き来する演出”はウケますよ。ドラマ放送後、パチンコ化できるなら5000万円出しましょう」

かくして、「天国と地獄のドラマ」はパチンコとのタイアップ企画として動き出すことになる。

実際、ドラマがパチンコになるのはよくあることで、京楽からは「冬のソナタ」や「天国の階段」などがタイアップ機としてリリースされている。

ところが──。

最大の問題は、脚本家がパチンコをまったく知らないことだった。彼女は生まれてこの方、ホールに足を踏み入れたことすらない。

メーカーからは「自社の最新機3台を打ってみてください」と指示が出た。

軍資金5万円。場所は新宿の大型ホール。

彼女はホールスタッフの指導を受けながらハンドルを回した。

しかし、数時間たっても当たりは引けず、液晶演出が延々と続くだけ。何が楽しいのか、どこで興奮すべきなのか、まったく理解できなかった。

「スタートに入って、映像を眺めて……それのどこが面白いの?」と首をかしげながら呟いた。

打てば打つほど、物語の方向性が見えなくなって行った。

「パチンコに絡めて書け」と言われれば言われるほど、思考が停止する。

「私はパチンコを題材にしたくない。人の生と死、天国と地獄を自由に描きたい!」と心の中でそう叫ぶが、スポンサーの存在がそれを許さない。

天国へ行きたい老人の物語は、いつしか“パチンコ演出ありき”の脚本に変わっていく。

ホールオーナーの何気ない一言から始まった夢のような企画は、現実の利害と打算に揉まれながら形を変えつつある。


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藤田ニコルCMで次に業界がやるべきこと

藤田ニコルを起用した日工組の「PACHI-PACHI-7」CM第一弾はすでに全国で放映されている。PACHI-PACHI-QUEENに任命された藤田ニコルはその中で「ファンの数が年々減り続けているのに、なんでこうなるまでほっといたの? 業界的に色々できないことは分かっている。でも、出来ることだって山ほどあるでしょ。確変を起こすわよ」と吠える。

モデル・タレントとして幅広い世代に高い好感度を持つ彼女の起用は、女性や若年層へ向けた入り口づくりとして非常に理にかなっている。これは、従来の主要顧客である専業の男性や高齢者だけでは市場が支えきれなくなった今、業界の構造変化に対応した一歩と言える。

藤田ニコルが吉野家のCMで若い女性に「入りやすさ」を与えたように、パチンコの新CMも「怖い」「入りづらい」というイメージを払拭する役割を担っている。PACHI-PACHI-QUEENの使命感に燃えるニコルの存在感は、業界に変革ならぬ確変を起こす意気込みを感じさせる。

しかし、CMがどれだけ成功しても、実際に店へ入ったときの体験が伴わなければ、本当の意味での新規客定着にはつながらない。

ここが吉野家との決定的な違いだ。吉野家には、もともと「うまい、やすい、はやい」という強固なブランドイメージがあった。その土台があるからこそ、藤田ニコル起用が効果的に機能した。

一方、パチンコ業界は長らく高射幸性や高い遊技コストに偏った機種構成が続き、「興味はあるけどお金が不安」という声を生みやすい環境が残っている。いくらCMで「入りやすさ」を演出しても、現場が「思ったよりお金がかかる」という状況では、若年層も女性も離れてしまう。

だからこそ、第二弾以降のCM戦略と並行して、
「お金をかけずに遊べる環境づくり」が不可欠だ。

日工組は藤田ニコルの理想を形にした「パーラーニコル」を2026年4月25日、26日に開催される「ニコニコ超会議2026」に出展予定だ。

低貸メインではなく、低コストで長く遊べるスペックの台を増やし、射幸性よりも“手軽さ・安心感・楽しさ”を前面に押し出すべきである。

そのうえで、キャッチコピーとしては
「安い、面白い、ハラハラドキドキ」
といった、遊技の本質的な魅力を、現実に即して伝える言葉が必要になる。


CMだけでなく、店頭ポスターやデジタルサイネージにも藤田ニコルを全面的に起用し、“業界全体の顔”として統一的に展開すれば、イメージ刷新の効果はより強くなるだろう。

藤田ニコルを起用したCM第一弾は、業界イメージを変えるための“扉”を開いたに過ぎない。本当に変われるかどうかは、その先にどんな店づくりとメッセージを積み重ねるかにかかっている。



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低貸しの罠から変われないホール経営者の後悔

「10年前に比べたら、機械代は今や4分の1になった。年間で1億円かけていたものが、今ではせいぜい2500万円。それで、最終利益は当時の3割程度に落ち込んでいるが、いかに無駄な機械代を払い続けていたか、今になって痛感している」

こう語るのは、とある中小ホールのオーナーだ。数字だけ見れば、75%もの経費削減を実現しているにもかかわらず、収支は3割程度の落ち込みで済んでいる。

話をよく聞いてみると、「機械代を削った」のではなく、「削らざるを得なかった」というのが実情である。新台を買い続ける体力がもはやない。導入できないのではなく、したくてもできない。その状況に追い込まれただけに過ぎないのだ。

そんなオーナーが今、最も悔いているのが「低貸し営業」に手を出したことだ。

20年以上前、業界の潮流は等価交換へと一気に傾いた。ほとんどのホールが横並びとなり、おカネがかかり過ぎる等価営業からドロップアウトするお客の受け皿として、始まったのが1パチ営業だった。

当初は空席対策や集客の手段として注目され、先取りした北海道のホールが成果を上げたことから業界全体に広がるにつれ、状況は一変した。

「1パチを始めた頃は、店を賑やかに見せるのが目的だった。ところが今や、4パチの海物語ですら稼働しない。残ったのは低貸し目当てのお客さんばかり。4円のお客さんは戻ってこなかった。あの時、低貸しに安易に飛びつかず、3円交換に舵を切っていれば、今とは違う未来があったかもしれない…」

口惜しそうにそう語るが、すでに後戻りはできない。

現状打破のために、コンサルからは「2円パチンコ専門ホールに転換する」などの提案を受けているが、もはや動く気力すら残っていない。交換率を3円に戻す案もあるが、「今いるお客さんを失うかもしれない」という恐れから踏み出せない。

こうした悩みは、このオーナーに限った話ではない。中小・零細ホールの経営者たちの多くが、似たような葛藤を抱えている。だが、同業者同士で話をしても、前向きな話題は出ない。出てくるのは、暗く沈んだ話ばかり。「だったら、話す気にもならない」と孤立を深めていく。

そして、気づけば何も動けないまま、ただ業績悪化を見つめる日々が続く。だが、待っているのは「座して死を待つ」未来だけだ。

変化には痛みが伴う。だが、行動しない限り、愚痴と後悔で終わる人生が待っているだけだ。どんなに厳しくとも、変わる勇気と決断がなければ、未来を切り開くことはできない。業界再生の道は、そこからしか始まらない。



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