パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

公園のダンス動画が映した若手ホール社員たちの将来不安

都内のとある公園で、男性3人組が地面にスマートフォンを置き、音楽に合わせてダンスを始めた。通りすがりの人が足を止めるような派手さはないが、明らかに「撮影している」様子だった。おそらくSNSに投稿するための動画だろう。そんな光景を、たまたま居合わせた業界関係者が眺めていた。

その最中、スーツ姿の中年サラリーマン2人が、何食わぬ顔でスマホの画角に入り込んできた。撮影は止まり、3人組のうちの1人が近づいて、丁寧にこう声を掛けた。

「すみません、動画を撮影していまして、写り込んでいるので少し移動してもらえませんか?」

しかし返ってきたのは、想定外の剣幕だった。

「何が邪魔だ!」

事情を説明しても、中年サラリーマンの怒りは収まらない。むしろ語気は荒くなり、周囲の空気が一気に張り詰めた。異変に気づいた残りの2人が駆け寄ったことで、事態はさらに悪化する。

中年サラリーマンは缶ビールを手にしていた。酒の勢いもあったのだろう。「お前らの勤め先はどこだ。言わないなら尾行して家を突き止めてやる」と、完全に絡み酒の様相を呈し始めた。

その時、3人組の1人のスマホに着信が入った。会話の断片から、彼らがホール関係者であることが伝わってくる。状況を察した業界関係者は、思わず助け舟を出した。

「君たち、ホールの人でしょ?」

この一言に、中年サラリーマンは「なんだ、ボーイか」と的外れな理解を示したが、「いや、パチンコ屋ですよ」と訂正されると、ボルテージはさらに上がった。

「まあまあ、ここは公共の場ですし、ちょっとした行き違いですよ。若い子たちもお願いしただけですから」

「何だお前は」と食ってかかる中年サラリーマンに対し、業界関係者は感情的にならず、淡々と続けた。

「お互い気分を害するだけです。ここで揉めても何も得はありませんよ。私に免じて許してやってください」とその場を収めた。

一件落着後、改めて3人組と話をすると、彼らの勤め先は都内でも有力とされるホールだった。ダンスは業務とは無関係で、純粋な趣味だという。窮地を救ってくれた相手が同じ業界の人間だと分かると、彼らは一気に心を開き、胸の内を語り始めた。

年齢は20代が2人、40代が1人。共通していたのは将来への不安だった。都内の有力ホールに勤めていても、業界全体が斜陽であるという認識は共有されている。先行きが明るいとは、とても言えない。

話題は自然と転職の話に移った。

IターンやUターンで地方の同業他社に移った人は「ほぼ全員が後悔している」こと。都内のタクシー運転手は、ホール勤務より稼げるケースが珍しくないこと。飲食業は厳しいが、腕に職をつけられるという現実的な選択肢であること――。

この話にオチはない。ただ、公園の片隅で起きた小さなトラブルと、その後の会話は、いま業界で働く人たちの不安と迷いを、ありのままに映し出していた。



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タクシー車内から聞こえてきたパチンコ日報の話題。雪国の孤独と等価交換の行方

ホール社員からタクシードライバーへと転身したAさんは、今でも「パチンコ日報」を読む習慣が続いている。業界を離れても業界情報を追っかけるのは、単なる関心以上の何かがあるのだろう。

そんなAさんが、今年2月のある日、2人連れの乗客を乗せた。中年男性と、少し若い部下らしき人物。上司と部下の関係だろうとすぐに察しがついた。

タクシーが走り出すと、2人の間で自然とパチンコ業界に関する会話が始まった。聞こえてきたのは、雪国の現実についての生々しい声だった。

「この前の日報にも書かれていたが、雪国のホールは本当に厳しいよな。でも、本当に雪深い地方のホールの話って、あまり出てこないんだよ。豪雪地帯の店長なんか、本当に孤独だよ。他店舗との連携もないし、業者とも顔を合わせない。おまけに、どんよりとした空模様に朝から降りしきる雪。開店してもお客さんゼロなんて日もある。心が病むよ」

この会話にAさんは“あの記事”のことだな、と思い当たった。

自身がホールに勤務していた頃も、雪が降り積もる日は客足が途絶え、閑散とした店内が一層冷え込んで見えたものだ。店内のBGMや台の電子音だけが虚しく響くその光景は、まさに「孤独」という表現がふさわしかった。

タクシードライバーとなった今でも、Aさんはたまにホール客を乗せることがある。しかし、昔と比べると、その表情には違いがあるという。

「どのお客さんも、顔が暗い。以前は勝ったお客さんがニコニコしながら乗ってきて、チップをくれることもありました。でも、ここ10年は一度もそんなことがない。『今日は勝ったよ』なんて明るい話も聞かなくなりましたよ」

Aさんはその原因を、業界の収益構造の変化にあると見ている。特に「等価交換」がもたらした影響については、手厳しい。

「やっぱり、等価が業界をダメにしたんですよ。出玉と現金が等価で交換できるっていうのは、一見お客さんに優しそうに見えて、実際には勝ちにくい構造を作ってしまった。店も利益を確保しづらいから還元率を下げざるを得ない。結果的にお客さんは勝てないし、店側も疲弊する。そりゃあ、暗い話しか出てこないですよ」

Aさんの言葉には、業界に長年身を置いていた者だからこその実感と重みがある。パチンコはかつて、庶民の娯楽であり、社交場でもあった。しかし、今や多くの店舗が閉店に追い込まれ、残るホールも生き残りを賭けて苦しい運営を強いられている。

雪国のような過疎地ではなおさらだ。交通の便が悪く、高齢化が進む中で、集客のための施策も限られている。何より、地域におけるコミュニケーションの場としてのホールの役割が薄れつつあるのは、地域社会にとっても大きな損失だ。

Aさんは、タクシーという新たな仕事を通じて、人々の生活の変化や、社会の風向きを日々感じ取っている。パチンコ業界を離れた今でも、業界の動向を静かに見守り続けている。


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お歳暮まで切り詰めたパチンコメーカー苦境のサイン

パチンコビレッジの調査によると、2025年のパチンコ・パチスロ総販売台数は152万8,000台となり、前年比ではわずかながら増加に転じた。内訳を見ると、パチンコは前年比111%の87万台。前年は初めて80万台を割り込んだが、LT3.0搭載機の登場が刺激となり、ひとまず底打ち感を見せている。

一方で、スロットは65万台と前年比91%にとどまった。型式試験の適合率が下落し、新台の供給自体が細ったことが主因とみられる。需要の問題以前に、出したくても出せないというメーカー側の事情が色濃く反映された数字と言えるだろう。

この10年近くを見ても2016年の251万3,000台から、実に約100万台も減少している。ホール軒数の減少と歩調を合わせるように、市場規模は年々縮小してきた。

2025年の水準は、コロナ禍で市場が急減速した2020年を除けば、過去2番目に低い。回復基調という言葉を使うには、あまりにも足取りは重い。

さらに2026年度のパチンコの販売台数は、ホール軒数の減少や高射幸機依存の不安要素から70万台を下回ると予測している。

こうした数字は、メーカーの台所事情の厳しさを如実に物語っている。その余波は、意外なところにも及び始めた。12月のお歳暮シーズンだ。

パチンコメーカーの協力会社で、プログラム関連を担当するAさんのもとには、毎年この時期になると決まって日本酒や麦焼酎が届いていた。しかも、ただの酒ではない。嗜好を把握した上で選ばれた銘柄ばかりで、メーカーからの信頼とポジションの重要性がうかがえた。

景気の良い頃には、5万円相当の陶器入り焼酎が贈られてきたこともある。

Aさんはフリーランスに近い立場ながら、その腕を評価され、上場メーカーからヘッドハンティングを受けた経験もある人物だ。還暦を超えた今は、「もうあくせく働く気はない」とその誘いを断ったほどである。

ところが今年、彼のもとに届いたのは酒ではなく、レトルト食品や瓶詰などの食料品詰め合わせだった。

違和感を覚え、親しいメーカー担当者に事情を聞くと、会社から歳暮予算を半減するよう指示が出ていたという。

3,000円以下の定番的な贈答は従来通りだが、8,000円以上の高額品を贈っていた取引先は軒並み見直しの対象となり、Aさんもその影響を受けた格好だ。

販売台数は微増に転じたとはいえ、メーカー各社の経営環境は依然として厳しい。開発費や人件費を圧縮できない中で、削れるところから削る。その結果が、お歳暮という慣習の変化として表面化したにすぎない。

数字の上では「回復」と映っても、現場の肌感覚はまったく別物だ。お歳暮の中身が変わったという小さな出来事は、業界全体が置かれている現実を、静かに、しかし雄弁に語っている。



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トイレットペーパーにみるホール店長の正義と現実

あるホールでは、トイレにトイレットペーパーの予備を3個置いておくことが長年の慣習だった。清掃スタッフが定期的に補充し、清潔で快適な空間を保つ努力がなされていた。高稼働を誇るこのホールでは、トイレの利用頻度も高く、備品の管理は重要な業務の一つだった。

ところが、ある時期から異変が起きた。清掃スタッフが「女子トイレの予備のトイレットペーパーがすぐになくなる」と報告してきたのだ。通常なら1日では消費しきれないはずの3個が、開店から数時間で空になることもある。

調査の結果、どうやらトイレットペーパーが“使用”されているのではなく、持ち帰られている可能性が高かった。

「たかがトイレットペーパー、されどトイレットペーパー」

店長はこの事態を単なる備品の消失と見過ごすことができなかった。問題は経費よりも、ルールと秩序の乱れにある。

そこで、店長はある策を思いつく。

ある朝、スタッフ全員が集まる朝礼で店長はこう宣言した。

「対策として、トイレットペーパーは一つずつ個包装のものに変えます。その中に、ダイソーで購入した格安のエアタグを仕込みます。万が一持ち帰られた場合、位置情報から追跡できるようにします。もっとも、窃盗として警察に突き出すようなことはしません。ただ一言、“二度とやらないでください”と注意するだけです」

スタッフの間にざわめきが走った。だが、実行に移された対策は、思った以上に効果を発揮した。エアタグが示す位置情報をもとに、10人以上の“常連”がトイレットペーパーを持ち帰っていることが明らかになったのだ。

声を掛けられた常連客は「トイレットペーパーなんか取っていない」とシラを切る人が少なくなかったが、エアタグのことを説明して理解してもらった。

やがて店長は、この一件をオーナーに報告した。ところが、返ってきたのは思いがけない叱責だった。

「バカなことをするな。そんなことで客が来なくなったらどうする。トイレットペーパーくらい、必要経費として見ておけ」

店長にしてみれば、金額の問題ではなかった。不正を放置することが、店全体のモラルを蝕む。誰かがルールを破れば、次第に他の客にも影響が広がっていく――そう考えての行動だった。

しかし、オーナーはあくまで“売上”と“客足”を最優先に考えていた。両者の間に溝は埋まらなかった。

結局、オーナーの指示で、トイレットペーパーの予備はこれまでの3個から、一気に12ロールに増やされた。防犯対策も中止され、エアタグ作戦はお蔵入りとなった。

店長は静かに肩を落とした。彼にとっては、トイレットペーパー以上の何かが失われたように感じられた。ルールを守ることの大切さ、正しさを信じて行動したはずなのに、その信念は「やりすぎ」として切り捨てられた。

サービス業における“正義”とは何か――。
客の満足を守ることか。秩序を守ることか。
それは今も、店長の胸の中で答えが出ないままである。



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海外ではセルフレジ撤去・縮小の動きとパチンコ業界のセルフ化

近年、スーパーや100円ショップなどでセルフレジの導入が進んでいる。人手不足の解消や人件費削減、業務の効率化が目的とされているが、実際には利便性の向上よりも、利用者の戸惑いやトラブルの増加が課題として浮上している。これが顧客満足度の低下につながっている。

セルフ化の流れはパチンコ業界にも及び、一部のホールではセルフカウンターの導入が進んでいる。

セルフカウンターの導入目的として、以下の点が挙げられる。

• 人手不足の解消
• 人件費の削減
• 景品交換業務の効率化

しかし、実際には導入によるデメリットも少なくない。たとえば、
• 高齢者を中心に操作方法が分かりにくい
• 交換作業がスムーズに進まず、客のストレスとなる
• 店員によるサポートが必要になり、結果的に業務効率が低下する

特に、パチンコホールの主な客層は中高年から高齢者であるため、セルフカウンターの導入が逆効果になる可能性が高いが、とまどうのは高齢者とは限らない。

実際に、ヤフー知恵袋にも次のような意見が寄せられている。

「地元のパチンコ店でセルフカウンターが導入されているのですがいまいち使い方が分からずあたふたして結局店員さんに景品交換をしてもらいます。使い方説明が近くに書いてあるのは分かるのですが、それを見てる間 に後ろに人が並んであまりじっくり見れません。セルフカウンターがあるのにわざわざ店員さんに景品交換してもらうのって迷惑ですかね」

セルフレジの導入は日本だけの話ではなく、欧米でも進められてきた。しかし、最近では見直されようとしている。特にアメリカでは、セルフレジの導入によって万引きが急増し、被害額が全体の在庫の4%にも及ぶという報告がある。さらに、スキャン漏れや操作ミスによる会計トラブルが多発し、顧客満足度の低下を招いている。その結果、セルフレジの撤去や縮小の動きがある。

ある調査によると、セルフレジを利用した顧客の67%が不満を感じている。その理由として、
• エラーが多く、結局店員を呼ぶ必要がある
• 処理に時間がかかる
• 人と話したいのに無機質な買い物体験になってしまう

などが挙げられる。特に高齢者層にとって、セルフレジは使いづらいという印象が強く、結果として客離れを引き起こす要因となっている。省力化・効率化が顧客満足度の低下につながったのでは本末転倒だ。

こうした海外の事例を踏まえると、パチンコ業界もセルフカウンターの導入が進めば色々な問題が発生してきそうだ。特にホールは、高齢者のリピーターによって支えられている側面が大きいため、彼らから不満が出ない環境を提供することが重要である。

セルフ化が進む社会の流れは止められないが、業界としては「利便性」だけでなく「顧客の快適さ」も考慮する必要がある。パチンコ業界は客の満足度、特に出玉の満足度が最も重要であり、それに付随する最後の仕上げとなる景品交換作業での満足度も無視できない。



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