思い起こせば、2005年に愛知県で開催された「愛・地球博」では、パチンコ業界が一風変わった形で出展していたことを覚えているだろうか? 当時の展示は「遊びの森P-Forest」と題し、単にパチンコ機を並べるのではなく、「玉遊び」という文化的視点で、老若男女が楽しめる体験型の構成となっていた。
展示ゾーンは多岐に亘り、歴代のパチンコ機を紹介する「ヒストリーゾーン」や、パチンコ台の廃材から作られた楽器で演奏を楽しむ「ステージゾーン」、さらには運動しながらパチンコができる「フィットネスパチンコ」や、骨伝導を活用して音を“感じる”ことができる「バリアフリーパチンコ」など、創意工夫が凝らされた内容だった。子ども向けには、ビー玉やゴムボールを使った遊具やワークショップも設けられ、まさに“体験の場”として好評を博した。
当時の出展は、日工組を中心とした地元名古屋の業界が、地場文化の一端として協力したもので、1989年の「世界デザイン博覧会」でもパチンコ・パチスロのデザイン性を紹介するブースが出展された実績があるから実現したものと思われる。
このような過去の取り組みを踏まえたとき、2027年の横浜花博にパチンコ業界がどう関わるかは、業界の未来とイメージ戦略に関わる重要なテーマである。
もちろん、すでに出展の応募は締め切られており、今から展示ブースを設けるのは現実的ではない。しかし「寄付」や「協賛」という形での関与はまだ可能だ。
花博の主催は国際的なガーデンネットワークであり、「自然との共生」や「持続可能な都市文化」といったテーマに沿って、全国・世界から賛同を募っている。そこに、業界としての社会貢献の姿勢を示すことは、大きな意味を持つ。
たとえば、「自然×玉遊び」をテーマにした緑の遊具や、リサイクル素材で作ったアートワークの設置支援といった形で、技術力や創意を活かすことも考えられる。業界が得意とするLEDや機械仕掛けを活かして、植物の育成や水の循環と連動した参加型インスタレーションなども面白い。こうした提案を通じて、遊技業界が持つ創造性や構造設計技術を、社会の役に立てることは十分に可能だ。
なにより重要なのは、「パチンコ」という単語だけが先行して語られがちなこの業界に対し、市民社会と共にある産業という新たなイメージを育むことだ。
社会課題にどう貢献するか、業界としての姿勢が問われている今こそ、こうした国家的イベントへの関わり方に戦略的な意義を見出すべきだろう。
横浜花博は、単なる園芸の祭典ではない。自然との調和、生活文化の再構築、持続可能性の可視化という理念が込められている。そこに、昭和から続く日本独自の“玉遊び文化”が、現代的かつ平和的に融合する可能性は決してゼロではない。横浜に咲く花々の傍らで、業界もまた新たな芽を育てることができるはずだ。
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