老舗百貨店などが閉店をする際に、必ずテレビ局などのマスコミが最終日の模様を報道します。
当たり前ですが、パチンコ店が閉店する際にはニュースにはなりません。
その理由は分かっているが業界人としては悲しいところではあります。
ホール企業Aの1号店の創業は1965年。今年は創業55年目になります。
研修はこの1号店の「閉店が決定した」との嘘報告から始まりました。
専務が神妙な面持ちでこう口を開きました。
「大変残念ですが、諸事情から1号店は2020年9月をもって閉店します」
当然理由を聞きたいと会議室は騒然としました。
専務は次の質問を投げかけました。
「閉店前に、1号店でやり残した事は無いか?」
「これから閉店まで何をするべきか?」
紙を配り5分以内に、
①やり残した事
②何をするべきか
を書くように指示しました。
結果14名の出席者は、5分以内に何も書けませんでした。
その後、「これは嘘の閉店報告だ」と告げ、研修が始まりました。
突然の閉店報告に驚いたため、5分以内に何も書けなかったのですが、一同、分かったのは、日頃から閉店するなんて考えて日々の運営をした事がなかったことです。
つまり危機感を持って店舗運営をしていないことにも繋がります。
江戸時代の侍は何かあったら腹を切る覚悟で生きてきました。
高度成長期、侍は猛烈サラリーマンに代わり、猛烈サラリーマンは大きな仕事を任せられたら、失敗すれば退職を覚悟するくらいの危機感を持って仕事に臨んだはずです。
パチンコ業界でこれから必要なのは、ハラキリの覚悟を持ってお客様に対応できるか?と言うことかも知れません。
半年後に店舗閉鎖を告げられたら、ホールの皆様は、今日からどのような覚悟で店舗運営をしますか?
伊勢丹の閉店を観察しながら、店舗運営の違う側面に触れたと現役店長は言います。
お客様への接客は笑顔で丁寧に行うのは当たり前の事。
これが出来ているホールは多いはずです。
出玉については、どうでしょうか?
これは各社の状況により異なりますが、大半はお客様からの評価は悪いはずです。
悪くても来店して頂けているのですから有り難いことですよね。
では、あなたの店舗が半年後に閉店するとします。
今までの視点と違う所は、この思考から始まります。
感謝されながら惜しまれながら閉店するのか?
次からどこのホールへ行こうか?と思われながら閉店するのか?
これでパチンコとは縁を切ろうと決心させるのか?
今まで考えたことがない角度から店舗運営のありかたを探り始めます。
閉店するならば、全員が惜しまれながら閉店をしたいと考えます。
ここで重要な視点は、惜しまれながら、とは何を起点にそう思うか?
研修会は、このことから議論が始まりました。
飲食店の閉店ならば、
・もうあの味は食べられないのか?
・あの店主の顔が、あの女将の顔がみられなくなるのか?
と惜しまれる事でしょう。
スーパーならば、毎日買い物に行っていた所(場所)がなくなる。つまり習慣がなくなる寂しさが起因する惜しまれ方もあるでしょう。
また何時もの店員さんと会えなくなる寂しさからくる惜しまれる方もありますね。
こうやって様々な業種に置き換えてみて思考すると、お客様に対するホール運営とは何かを深く考えることが出来ます。
違う角度から、今迄考えた事もない角度から、日々のホール運営を考えてみることにしました。
要点は一つだけ。
閉店した時に、常連さんからどのようにして惜しまれるか。
色々な意見が出ました。
惜しまれながら閉店するにはどうするか?(笑)。
誰もが考えた事がない発想です。
あなたに突然、冷水を頭に浴びせたとします。
あなたは、何と叫びますか?どんな行動を取りますか?
直ぐに想像は出来ますよね?
では、あなたはホールが半年後に店舗閉鎖した時に、
お客様に惜しまれながら閉店する理由は想像できますか?
そこなんです。
これは中々難しい問いなのですね。
惜しまれる。
「惜しまれる」を辞書で引くと、様々な意味が出てきます。
辞書によっては、「愛おしむ」にたどり着きます。
愛おしむの意味。
愛着を持って大切にする。
深い愛情を持って可愛がる。
つまり店舗閉鎖の時に、惜しまれながら閉店するには、
①愛着を持たれたホールであった。
②愛情を受けられるホールでありつづけること。
この2点がキーワードになります。
ここで唐突ですが、10年後20年後のホールについて考えてみましょう。
後日営業1号さんのエントリーで紹介されると思うので、詳細は割愛します。
将来のホールは、ほぼ無人化される方向にすすむはずです。
すでに、極力ホールスタッフを半減以下にしたホールが出てきています。
将来的には、極限まで、玉レス、コインレスになります。周辺業者は、無人化ホールを念頭に置いて商品の開発を行っています。
ここで想像してみて下さい。30年後に生き残ったホールについて。
管理遊技機は進化を重ねて、完全玉レス&コインレスになっているでしょう。
ホールスタッフは、500台ホールに1人で十分です。
ホールもキャッシュレス化が進んでいるはずです。大きな現金を動かすホールがキャッシュレスになれば、防犯の観点から行政は賛成します。
装置産業であるホールは、店舗スタッフがゼロでも回る産業なのです。今はその環境がないだけです。
コンビニではすでに無人化の実証実験が始まりました。アメリカや中国ではすでに無人コンビニがスタートしています。
話を戻します。
皆様が行きつけのコンビニが閉店したら惜しみますか?
都会のコンビニならば不便と感じても、中々惜しむ気持ちまでいかないのではないでしょうか?
無人コンビニがあなたの近くにあり頻繁に利用していたとします。
この無人コンビニが閉店したら、有人コンビニよりも惜しむ気持ちが低くなると思いませんか?
あなたの近くに、行きつけのホールが2軒あったとします。
完全無人化ホールと今と変わらないホール。
どちらも同時閉店した場合を想像してみて下さい。
閉店を惜しむ気持ちは、どちらのホールの方が強いと思いますか?
もうお判りと存じます。
惜しまれながら閉店するホールと言うことを念頭に置いた場合、一番重要なのは、「 人 」だと言うことにお気づきになるでしょう。
人=店舗スタッフ。
同じモノを同じ価格で提供しているならば、自販機と店舗は同じ。
しかし、惜しまれながら閉店、と言う視点ならば、自販機があったことの方を惜しむ人は皆無ではないでしょうか。
研修会では、以上の様な核心にせまります。
つづく

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無理ですよね。とにかくホールが悪い、工夫もない。どうせ出ないから、土日行こうと思えるホールは、ほとんどない。
スロットもリセットすらない、据えおきのオンパレード。1から1にリセットすらない。設定付きパチンコも同じ。
出せないプラス工夫も0じゃ、何も期待できないし空気悪いし無理。
4月からの事が確定しているのに今だにほぼ動かないホール。ガチで商売には向いていない。ギャンブル胴元としても下手だし。
メーカーは、商売上手いからね。まあ結論何かをわかっていたとしても無理。
ピンバック: ライターも反対派
事を考えないでしょ。
危機感とは別問題です。
ピンバック: 負け組
私の考えは、客の「顔」を覚えている店だと思う。
ただ単に、笑顔で対応するのが接客ではない。ほんの些細な会話、その程度でも
自分という個人の人間に対する会話、そういう接客をやっていた店が、
惜しまれつつ消える店になるのだと思う。
タバコやジュースなどのデリバリーサービスがある店は珍しくはないが、
客の趣向を覚えていて。「いつものでよろしいですか?」と聞かれたら、どう感じるだろうか。
ああ、こいつは俺のことを覚えているな、といわゆる常連になったのだなと、感じるだろう。
それは、おそらく悪い気分ではないだろう。
まあ中には、マークされた、俺だけ出さないように操作された、遠隔だと騒ぐ人もいるにいるがw
まあとにかく、「顔」を覚えてくれる店というのは、多少安心感が生まれる。
客を「数字」だけしか見ていない店は、売り上げのために平気で客から搾り取るはず、という
考えをお持ちの人間は、少なくないと思う。
「顔」を覚えるというのは、自分を「人間」と認識してくれた証拠であり、
人間として認識すれば、存外雑な扱いはできなくなるだろうというのが、心の片隅に生まれる。
一種の安心感というか、信頼感であろう。そういうものが感じられる店は、リピーターも多くなる。
客が何を求めているか、何を感じているか。客をよく知ろうとする店。客を感じ取ろうとする店。
それが、無くなったら惜しまれる店の条件ではないだろうか。
ピンバック: 一般ゆーざー
惜しまれることなく人々の記憶から消えていくでしょう。
「悪くても来店して頂けているのですから有り難いことですよね。」
業界人のほとんどが危機感を持つことのできない理由はこれではないですか?
こういう思考は昔からあったでしょう。
客は湯水のようにいる。
ひとりふたりが反感を抱いて止めようとも、客は掃いて捨てるほどいる。
今は昔ほどそんな状況じゃないと理解しているつもりが深層心理では
まだ大丈夫だ、なんて思っているんですよ。
今日は客が少ないけども、明日にはまた戻るだろう、とか。
土日は埋まるからまだ大丈夫だろう、とか。
まぁこれは客の行動も無関係ではないでしょうけど。
本来の商品である出玉で惜しまれることが出来ないなら
早いとこ退くべきだと思います。
業界全体としても傷口が広がる前にそういった弱小には
消えてもらいたいと思っているわけですから。
ピンバック: 名無し
他の人も述べてますが危機感とはまったく無問題。
そもそもこんな的外れな質問する専務も専務だが、何をすべきかというところで14人もいて全員何も書けないなんてことありえない気が・・・
14人が幹部?現場の人間なら惜しまれつつ・・・とかもアリだが上層部になれば話は別。大事なのは収益の最大化ですよね。
そもそも超ボッタ営業しながら閉店の際は惜しまれようなんてそんなの無理。
ピンバック: ぱんだ店長
ピンバック: ベン
農協、漁協、医師会などの圧力団体と比べると政治的に全く無力だから潰される。
また、三世四世にもなると在日産業というものもなくなってきた。
パチンコ、ボーリング、キャバレー、ストリップ劇場はその時代の役割を終えたのだ。
ピンバック: ヤン
最後に大回収をするでした。
ピンバック: いっぱいちゅき
も非常に惜しまれた。
しかしそれはホールへと言うよりは、珍古台への惜別の念が
強かった様にも思う。
今の金太郎ホールに対しては、その様な感慨は一切無い。
閉店を決めた上で、惜しまれることに何の意味が有るのか。
ただのホール側の自己満足でしかない。
ピンバック: 駄ヴィンチ
ですが、繁華街の私が知った店の半分以上は無くなっていました。そういった場所の方が生存競争厳しいのですかね。
行った事のある店は大概思い出が残っています。思い出の大半は「機械」と「店の雰囲気」です。それに「人・店員」がどう作用しているかはわかりません。ほとんどの店の店員の顔は覚えていません。
ピンバック: 横並
閉店するときに惜しまれるホールは閉店しない。
その意味をじっくりと考えなさい、そして考えたことに対して真摯に行動しなさい。と言っている。
あるいは人生の終活に似ている。やり残したことはないか
伝える事はすべて伝えたか。もしあればベストを尽くすべきだと。
閉店したときに惜しまれるようなそんなホールで遊ぶ客、そこで働く従業員、オーナーは幸せですね。
ピンバック: 浪漫。
だって閉店するホールさんってまだまだ余力はあるでしょう?
ただ旨い汁が少なくなっただけであって、薄利多売ならまだやっていけるはずですよ。
「閉店時惜しまれる店」というのはお客さんを第一に考えているような店だったり、そこにしか無いというような商品がウリな店です。
どっちも無いですよ、ホールには。
どこのホール行っても同じような配列に同じような機械。
打てばわかりますが、お客第一なんてほとんどのホールじゃ感じられない。
可能性があるとすれば、田舎の過疎地で他にホールが無いような状況くらいです。要するに商品である「機械」が無くなるから惜しむだけです。
人との繋がりも大事ですがそれはあくまで付加価値としてのおまけでは?
メインたる出玉があって初めて価値の出るモノ。
要するに、
「出玉はすでに特効薬のような効果は無いうえ、客の満足度を上げるほど店に体力が無くなっている状況なのだから、せめて接客内容や接客態度を頑張りましょう」
ということでしょう?
作用しない付加価値だけで惜しまれたいというのは無理な話。
それこそ逆ですが、付加価値は無いがお客を第一に薄利多売でうまくやっているホールの方が圧倒的に閉店時に惜しまれると思います。
あとは有人無人もそうです。
結局は本筋がどうなのか、っていうところです。
反感は多いですが「ラーメン〇郎」なんてその典型で、接客や態度はお世辞にもあまりよろしくはないが、本筋である味が良いがために、個人的感想ではあるが地域から無くなる時は惜しまれるレベルだと思われる。
無人店舗だろうと「商品第一」「客第一」で色々と行き届いていれば、有人で「接客だけ」の店よりははるかに惜しまれますから。
もちろん、どちらも充実していれば言う事は無いですが。
ピンバック: 通りすがり