幻の節電椅子

現物は見ていないが、試作品は完成しているそうだ。



パチンコ業界の節電に役立つ、節電椅子がそれ。構想は７年前から。開発したときは時期尚早だったが、原発事故以来日本全体に節電が求められる中、満を持しての発表、という段階になった。



簡単に説明するとお客が着いていない遊技台の電源ON 、OFFを椅子で行うというもの。



お客が着くと電源が入り、離席するとタイマー設定で電源が切れる。



電源を切っても機械データがリセットされることはない、という。



計画停電が実施された関東では節電のために、客の着いていない台の電源を落としているホールがあったが、それを椅子で行う、というものだ。



椅子の値段は２万７０００円を想定していた。これに工事費がプラスされる。



ここでふと考えてみた。



この節電椅子を必要とするホールは稼働が低いホールに限られる。高稼働ホールでは必要ない。



稼働が低いホールがわざわざ節電のために、新たな投資をするだろうか？　稼働が上がるための設備投資ならともかく、節電のために椅子を変えることは考えにくい。



椅子にスイッチを付けるよりも遊技機に人感センサーを付ける方が、はるかに安く節電できる、というもの。



実際、台間テレビでは人感センサーを付けて人が座っていないと消えるものが登場している。



構想７年。



満を持しての発表だったが、時代は節電椅子から人感センサーに移っていた。



エコパチを謳うメーカーもあるが、この人感センサー付きパチンコの実現性はあるだろうか？



その前にホールからは「盤面だけでなく、枠まで無駄に光らせる必要はない。そんな電飾を廃止する方が先決」という答えが返ってきそうだ。



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