それで、2年生になった時からスロプロに転向する。
狙う機械は設定が分かりやすいタイプ。ノーマルタイプで設定6を入れると出玉がついてくる機械を好んだ。
従って、一撃タイプの波の荒い機械は避けた。
5時間かけて設定が分かるような機械がベストだった。例えば初期のエヴァのように赤が多ければ、2,4,6の偶数というように。これが分かりすぎると筋肉マンのようになってしまう。
2年間はスロプロで食った。
毎日狙い台を絞り、朝10時の開店から閉店まで12時間半、それこそ1日も休むことなく、打ち続けた。残りの30分は翌日のためのデータ取りの時間に費やした。
メインで打つ店が1店舗、設定が入っている情報を聞いたらいく店が2店舗、ハイエナへ行く店が4店舗あった。
「へこんでいる台には必ず設定を入れてくれる親切な店がありました。普段は中間設定は使わず、還元する日は還元する。毎朝7時に起きて、車で1時間半かけて通っていました」
1カ月で100万円ほど勝った。毎日プラスで終わることを心がけた。
しかし、こんな過酷な生活がいつまでも続けられるわけがない。若いといっても体力も使う。ある日、弟に1日5万円渡して、代打ちさせたことがあった。
その噂を聞いた弟の友達がウチコを志願するようになり、最終的には10人を束ねるウチコの親方になっていた。
抽選に並ばせ、いい番号を引いた者だけに軍資金3万円を渡し、時給1000円で打たせた。
食費も渡したので差し引くと1台で1万円ぐらいの稼ぎにしかならなかったが、ウチコの人数が増えれば稼ぎも増えた。
もちろん、スロプロをやっていることは父親には内緒にした。朝から晩までスロプロ稼業に明け暮れていたので、大学へ行く時間などなかった。
就職を意識するようになり、スロプロからは足を洗うことにしたが、4年で卒業することはできず、1年留年する。その時父親に事情を話して、こっぴどく叱られる。
2年間トータルで2500万円ほどプラスにしていた。
父親の会社に入る。
地元では自他共に認める繁盛店だ。
「私は経営はしたことがないが、ユーザーの意見はいえる。父はパチンコもスロットも打ったことがない。これは、シェフが自分の作った料理を味見もしないでお客様に提供しているようなもの。昔はそのやり方でもよかったが、今は違う。父はお客様の心理がまったく分かっていない。パチンコ=負けると思っているから無駄な遊びになっている。勝ち、負けではなく楽しさを伝えられないホールがどんどん衰退している」
父親の会社も例外ではなかった。かつての繁盛店にも陰りが見え始めていた。
一物一価を遵守している県で営業しているために、パチンコ・スロットは等価が主流となり、客離れに加速がついている。
そこで、父親にパチンコとスロットの併設店をパチンコ専門店にして、交換率を等価から低価にすることを提案した。
スロットは敷地内のドラッグストアーが空いたら、ジャグラーの専門店にする。
父親の回答は無碍もなかった。
「成功するかどうかも分からないものを一番にする必要はない」
2代目は会社を作ったことがないので、会社が潰れないように守りに入ろうとする。しかも必要な粗利の固定観念もある。それでいて、2代目はパチンコも打たない。ユーザーの気持ちが分からない。今のやり方を変えないからどんどん悪い方向へ業界は進んでいる。
3代目には自分なりのアイデアがある。
「キャッシュポイントを別のところから増やして、パチンコユーザーから減らすことです」
詳細は書けないが、パチンコとはまったく関係のないところからの手数料収入だ。
「これで父の会社を儲けさせて、立て直したい」
成功した暁には詳細を紹介したいと思う。
了

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掃除で有名なイエローハット創業者の鍵山秀三郎さんはこんな事を言われています。
10年偉大なり
20年畏るべし
30年で歴史になる
鍵山さんと云えば「継続は力なり」の権化みたいな方ですね。
ところで、事業の継承・発展のステップはこんな感じ・・?
初代はattackの連続
二代目は攻守のbalanceを図り
三代目は一転、complexへと向かう
エントリーの3世さんのご成功を祈念します。
ピンバック: 蜻蛉の親爺
3世物語その2でサクラを取り上げておられたが、ここでの登場人物の中に店長が出てこない。
自分が感じた不自然さは正にここ
ある。スロットの設定は主任任せであったとは言え、店全体の責任者である店長は何も気付かなかったのだろうか?(主任と店長がグルなら話は分かる。)
店舗責任者が一番恐れることは一般客から見てアンフェアだと思われることにある。今回のスレ主はそこが理解できていない。分かり易く言おう、一般客が一番嫌うのはサクラの存在なのだ。
サクラを使ってる店の烙印を押される=業界から退場しろ!のメッセージと等しいのである。
一般客からの不信感を払拭しない限り、何をやっても店の再建などありえないよ。
ピンバック: スロフェチ
小売店がメジャーだった時代はほんの少し前まで確かにあった。
いまやショッピングモールや量販店が全盛で、小売店は零細でしかない。
そしてさらに、ネットショッピングがメジャーになりつつある。
ビジネスは刻々と変化していくのである。
パチンコ業界衰退は、イノベーションを起こせずに旧態依然とした経営にこだわったことが要因である。
ネットゲームに莫大なお金を使って遊ぶ層は実はパチンコのユーザーになり得た人々だ。
なぜ彼らはパチンコ屋に来なかったのか。
それが未だに分からないのだろう。
モバスロは良い企画だった。低貸し、禁煙、女性店員の多い、明るいゲームセンターのようなお店が増えればネットゲームからユーザーが流れ込む可能性はあるのではないか?
尻すぼみの中で粗利を抜きまくってパチンコ廃業も一つのビジネスモデルではあるが、他の道はないのだろうか。
ピンバック: 元ヘビーユーザー
ユーザーの意見が分かるといっても、いわゆるプロという人と一般のお客とでは視点が全然違うからそこのところ間違えないといいなと感じました。
それから余計なことだけど、元ヘビーユーザーくんが小売店がどうのこうの言っておりますがショッピングモールも量販店もネットショッピングも小売店なんだけどな…
ピンバック: だだだ
自分が世話になったホールがある。
かつて裏モノ全盛期に大成した近隣地域に複数展開するチェーン店
各店長・幹部は近隣の大学のobで構成されていてオーナーのイエスマン。
客と従業員が学生時代からその店で打ったりバイトしている仲間内が多く
設定漏えいは日常的だった。
近隣の大学には開店プロ養成のサークルがある程でしたから軍団の数も増え
遠方からもお客が殺到するようになりました。
大手のパチスロ雑誌のイベントなどでも何度も優勝している店舗でしたから
一般的には信頼度の高いお店とされていました。
結果、高稼働が故に打ち子が座れない状況になり、多くが卒業や就職と共に離散しました
その後、広告規制を経て稼働が極端に落ち込み、オーナーが業界への興味を無くし退任
他社の大手パチンコチェーンで修行していたオーナー親族が代を継ぐも
この親族は店を完全にコンサルと雇われ社長に管理させ自身は不動産や飲食経営に没頭してしまう。
昔からの従業員は旧会長派と呼ば生え抜きの社員は居場所を追われました
長年の商圏TOPの老舗でも結局は地域一番店ではない内憂外患の店が実際にありました。
ピンバック: 見習い歴10年
だだださんは、元ヘビーユーザーさんが言いたいことはわかっていて、あえて書き込んでいる。(と思う。)
それは、元ヘビーユーザーさんが鼻に付く書き方だからと自分は感じた。
余計なことだが…
ピンバック: 氷河期