しかし、パチンコ業界に限って言えば単なる人口減だけが問題ではない。業界内部の構造的な問題が重なり、自らの手で遊技人口を減らし続けてきた側面があるのだ。
では、この袋小路から抜け出し、再び反転攻勢に出るためにはどうすればよいのか。あるシンクタンク関係者はこう話す。
「パチンコ業界は日本全体の縮図で考えるから行き詰まるのです。重要なのは、消費活動が活発な都市圏ごとの市場規模を精査すること。例えば首都圏における100万人当たりの市場をまずはきちんと見るべきです。パチンコ業界はパチンコ好きに支えられているが、パチンコ嫌いよりも“パチンコを知らない人”の方が圧倒的に多い。理由は単純で、無関心だからです」
この指摘はもっともだが、補足が必要だろう。現在のパチンコ業界は、果たして「パチンコ好き」に支えられているのだろうか。むしろ実態は、遊技を楽しむよりも金儲けの手段と考えている専業たちに支えられている。娯楽産業としての魅力が薄れ、おカネばかりがかかる高射幸性を追い続けてきたことが、遊技人口の減少に拍車をかけている。
さらにこの関係者は、業界が抱えるもう一つの弱点を指摘する。
「パチンコ業界は『バズらせ方』が下手です。対照的に飲食業界、特にスイーツ分野はSNSをうまく活用しています。流行に敏感な若者が飛びつくように、短期間で新商品を次々と投入し、話題を作り続ける。これが市場を循環させているのです」
確かに、パチンコに無関心な層を振り向かせるには、遊技機そのものを“バズらせる”仕掛けが必要だろう。しかし、現状のセブン機やスロットでは、遊技の複雑さや演出のマンネリ感から、新規層を惹きつける力に欠けている。
いま求められているのは、玉の動きや役物の挙動を直感的に楽しめ、誰が見ても一目で「面白そう」と感じられる機械だ。遊技方法はシンプルで、外国人観光客でもすぐ理解できるような分かりやすさを備えながら、パチンコならではのワクワク・ドキドキを体験できるもの。そうした新しいタイプの遊技機こそが、業界に再生の道を開く可能性を秘めている。
その試みの一つとして注目されるのが、SANKYOが打ち出した「KUGiTAMAプロジェクト」だ。かつて多くのファンを魅了した「ハネモノ」の楽しさを再構築し、大手メーカーが本気で復活に取り組むことで、停滞する市場に新風を吹き込むかもしれない。
単なる懐古ではなく、新しい世代や外国人観光客をも巻き込むエンターテインメントとして再設計できるかどうかが鍵となる。
人口減少という逆風の中で、パチンコ業界は縮小均衡に甘んじるのか。それとも無関心層を振り向かせ、新しい遊技機を武器に反転攻勢へと踏み出すのか。選択の余地はまだ残されている。
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