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宴席で最初の一杯に水を注文したことが訴訟問題へ発展

今年1月、都内のホール企業で、中途入社の新人Aさん(26)の歓迎会と新年会を兼ねた宴席が設けられた。Aさんは人材派遣会社の紹介で入社し、将来の幹部候補とされていた。社長自身が面接を行い、明晰な頭脳に対して年俸も社長判断で決められた、いわば期待の星だった。

宴会が始まり、最初のドリンクを注文する場面で、思わぬ空気が流れる。多くの参加者がビールやハイボールを頼む中、Aさんは静かに「水」を注文した。Aさんは酒を一切飲めない体質だった。

Aさんの対面に座っていた社長が怪訝な表情を浮かべた。酒が飲めない人でも、ウーロン茶やコーラを頼むのが“普通”だという感覚があったからだ。

社長はその場で、「一杯目はドリンクメニューにあるものを注文するのが、店に対するマナーであり常識だろう」と注意した。

するとAさんは、落ち着いた口調でこう返した。

「ベジタリアンがいるのと同じで、マナー以前に私は水しか飲みません。水を頼んで怒られたことは、これまで一度もありませんでした」

この一言で、場の空気は一変する。

社長は「メニューにあるものを頼むのがマナーだと言っている」と声を荒らげ、Aさんも「その考えを押し付けられる筋合いはない」と譲らない。口論は激しさを増し、ついに社長は「お前なんか辞めてしまえ!」と怒声を上げた。

売り言葉に買い言葉。Aさんはその言葉を額面通りに受け取り、何も言わずに席を立ち、宴会場を後にした。

怒りが収まらない社長も宴会場から立ち去り、残された社員だけでお通夜のような宴会がつづいた。

数日後、会社に届いたのはAさんの代理人弁護士からの通知だった。

「公衆の面前での叱責による精神的苦痛」と「不当解雇」を理由に、慰謝料として550万円を請求する内容だった。その金額は、皮肉にも社長が決めたAさんの年俸と同額だった。

社長は争う構えを見せているが、社内では別の見方もある。社長には以前から感情的に叱責する、いわゆるパワハラ気質があった。一方、Aさんには自閉症スペクトラム(ASD)の特性があり、場の空気を読むことや、暗黙の慣習への対応が苦手だった。

「飲み会の常識」を、多様性の時代に生きる若者に、それもASD特性を持つ者に力ずくで押し付けた結果、会社は期待の若手と多額の金、そして社会的信用を失うリスクに晒されている。

一杯の「水」を許容できなかった代償として、550万円はあまりに高い授業料となるのか。争う構えを見せる社長だが、その背中はどこか孤独に見えた。

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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 今、企業では、体育大学卒の学生が大変人気のようです。
    頭はなくても、礼節をわきまえ、細かい権利など主張しない。少しのパワハラ、セクハラなんて笑ってスルーできる、女子でもね。忍耐力もあり、人との付き合いも上手。先輩をたてるから、上司や取引先にも気に入られる。
    結局好まれるのは、昭和の時代の学生じゃん。
    換金禁止  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 換金禁止

  3. どうして水を頼むのか、最初に理由を聞けば済む話でしょう。
    その後はお店に水を注文して良いかを確認して、問題が無ければ頼めば良いし、断られたら本人とどうするか相談すれば良いだけだと思うが。

    パチンコ屋って、普段コミュニケーションやら接客を大切にしているんでしょう。
    そのパチンコ屋の社長だよね。
    言っていることとやっていることが逆なパチンコ屋の現状が良く表れている事例ですね。
    または、よほど自分に自信が無いのかな。
    自分の価値観を立場の力を利用して押し付ける人。
    パチ屋社長のレベル  »このコメントに返信
  4. ピンバック: パチ屋社長のレベル

  5. この社長が日本人かどうかは知らないけど特に日本人は変化を嫌うからね。先日の選挙も某が歴史的大勝利を収め、結局、既得権が日本の社会構造を支配している以上、これまでと、そしてこれからも何も変わらないんだなと思い知らされた選挙だった。
    通りすがりの風来坊  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 通りすがりの風来坊

    • 選挙に関しては、野党があまりにもだらしないだけ。あと、普段の野党議員の行動だな。
      政策論争ではなく、代替案を挙げずに人の批判しかしてないからである。

      前に、国会中継を観たが、大臣が前の用事で遅刻したのを野党の議員が執拗に追及してくだらないものに時間を費やして無駄だなと思った。遅刻は確かによくないが、論じるのは遅刻ではなく、今後の日本の将来を論じなければいけないのに、野党議員のレベルが低いと思った。
      ま、議員は人それぞれ  »このコメントに返信
    • ピンバック: ま、議員は人それぞれ

  7. 在日の社長VSアスペルガー症候群のAさんでした。
    猫オヤジ  »このコメントに返信
  8. ピンバック: 猫オヤジ

  9. 期待のキラ星が訴訟のクズ星へ
    高設定と思いきや設定1確定へ
    名前が水ハラ一平やとしたら激アツ展開やね
    三味唐辛子  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 三味唐辛子

  11. 従業員に権利などない。必要か必要じゃないかだけ。これ残酷だけど本当の話。裁判で慰謝料を取れる可能性があるだけ日本は平和だということ。トランプを見てれば分かるでしょう。
    crazydoctor  »このコメントに返信
  12. ピンバック: crazydoctor

  13. これは、社長が気の毒に感じるかも。
    自分がASDと自認していて場の空気を読めないとか暗黙の慣習への対応が“苦手”だと感じているのなら、目上の人から「マナーに従うならこうだよ」と教えてもらってるんだからそれに従うべきだと思うんだけどなぁ。
    頑なに断る必要なんかないんだけどそこで自我を通すのがASDの仕方ないところなのか?
    ウーロン茶等が飲めないにしてもお店に行って水はないわ。
    飲めないなら飲んだふりしてあとで水もらうとかするべき。
    こんな融通の利かない人間なら若者でもいらんでしょ。
    社長頑張れ。
    内野手  »このコメントに返信
  14. ピンバック: 内野手

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