その時だった。さらにその奥でほこりを被っていた1台のバイクに業者の目が釘付けになった。そこには40年以上前のホンダの名車CBX400Fが眠っていた。オーナーが若かりし頃に買ったもののほとんど乗ることもなく放置されていた。
クルマの買取に来た業者は「いくらなら売ってもらえますか?」とバイクも買う気満々だ。
その日、答えは保留した。
オーナー自らCBX400Fを徹底的に磨き上げた。ガレージで保管していたので紫外線で色焼けすることもなく、新車の輝きを取り戻した。バッテリーを交換するとエンジンは一発でかかった。
後日、再び、業者との交渉が始まった。
オーナーは「逆にいくらなら買う?」と値段交渉に入った。
業者が提示した金額は何と450万円だった。
オーナーは驚く気持ちを抑えて平静を装った。
「まだ足りませんか?」
最終的に業者が提示した金額は500万円まで跳ね上がった。ノーマルで走行距離も浅いことが値段を押し上げた。
オーナーはこの金額で手を打った。
1981年に発売されたCBX400Fは、中古市場でも300万円前後で売買されている。コンディションがいい車両ともなれば700万円以上の高値が付く過熱ぶりだ。この人気から全国で盗難が相次いでおり、損保に盗難保険の加入を拒否される異例の事態にもなっている。
人気の理由はデザインの美しさが挙げられる。CBX400Fのシャープな外観とX字型のエキゾーストは、他のバイクにはない独自性を持っており、40年以上経った今でも古びることがない。
高性能な4気筒エンジンは、回転数が高くなるほどスムーズな加速を見せ、乗り手に爽快感を与える。特に昔、暴走族だった旧車會ファンからの人気は根強いものがある。
ガレージにはさらにもう1台珍しいバイクがあった。ホンダの初代シティーに車載できるバイクとして売り出したモトコンポも眠っていた。こちらは20万円で買い取られた。
ベンツと併せて620万円を手にしたオーナーは、このおカネを何に使ったか?
パチンコ・スロットに全部還元したそうな。オーナーにすればガレージで眠っていたものが、急に大金に化けたため、あぶく銭感覚だったのかも知れない。
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