この回復の背後には、特にパチスロの大幅な売上増加があります。パチスロは前年比で1.7兆円増の7.5兆円を記録し、パチンコの8.2兆円を支えました。パチスロの成功は、スマスロの人気によるもので、ホール全体の売上規模を大きく押し上げる結果となりました。
パチンコとパチスロの業績比較
4パチは依然として売上や粗利の減少が続いています。アウト数は前年比で860個減の10,910個、売上は675円減の20,632円、粗利は16円減の3,252円となり、過去最低を記録しました。一方で、遊技時間粗利は前年比120円増の1,440円と年々上昇しており、顧客一人当たりの粗利が増加しています。これは、顧客の遊技時間が短縮し、一回あたりの支出が増えていることを示しています。
これに対し、20スロは好調を維持しています。アウト数は1,481枚増の8,037枚、売上は5,470円増の21,369円、粗利は699円増の2,882円と、全ての指標で増加を見せています。この結果、パチスロがパチンコ業界全体の回復を牽引していることが明らかです。
今後の業界展望と課題
同社の片瀬宏之氏は、2024年の展望について、パチンコのアウト数がさらに減少する可能性を指摘しています。2023年上期のアウト数は10,800個と、前年を下回っており、この傾向が続けば過去最低を更新する可能性が高いとしています。従って、業界全体として、遊技時間粗利を抑えることが必要と訴えています。
一方、パチスロは上期のアウト数が8,700枚に増加しており、好調が続いています。しかし、高単価機種のシェアが増えすぎるとアウト数の減少が懸念されるため、機種選定とシェアコントロールが重要な課題となります。
2023年のパチンコ業界は、パチスロの活躍により久しぶりに回復を見せました。しかし、パチンコの売上減少や高単価機種のリスクなど、課題も多く残っています。今後の業界の持続的な成長のためには、顧客の満足度を高めつつ、収益性を維持するためのバランスの取れた戦略が求められます。つまり、2023年の回復は一時的なものであり、長期的には業界全体が直面する課題が多く存在しています。
日本の人口減少と少子高齢化は、パチンコ業界にとって大きな逆風です。若年層の人口が減少することで新規顧客の獲得が困難になり、高齢者の割合が増えると体力や健康の問題から遊技を続けることが難しくなります。これにより、パチンコホールの来客数が減少し、売上も縮小していくと予想されます。
しかし、業界が完全に消滅するわけではなく、適応と革新によって持続可能な形で存続する可能性もあります。例えば、デジタル技術の活用や、顧客体験の向上、環境配慮、国際展開など、様々な取り組みを通じて新たな価値を提供することが求められます。
10年後のパチンコ業界は、人口減少や規制強化、競争激化などの課題に直面し、依然として縮小傾向にあると予想されます。しかし、業界が健全なエンターテインメント産業として持続的な成長を目指し、適応と革新を続けることで、新たな形での存続が可能となるでしょう。
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