業界が全盛期の時から新規事業を手掛けるホールはあった。古くは90年代のプールバー。手間暇かけても1日の売り上げが20~30万円の商売はアホらしくなるというもの。
ただ、パチンコの売り上げそのものが曲者だった。飲食店なら1万円持っている客の売り上げは1万円以上にはならないが、パチンコにはマジックがある。1万円しか持っていなかった客が勝った場合は、そのおカネが再びサンドへ投入される。店と客の間で1万円が行ったり来たりしているだけなのに、その都度売り上げとしてカウントされる。同じ1万円が10回サンドに入れば10万円になる。だからパチンコ店の売り上げは大きい、と錯覚すると共に感覚が麻痺してしまう。
本来、ホールの売り上げは粗利ベースで見なければいけないのだが、貸し玉料金の売り上げに目が行きがちとなる。
ホール企業が新規事業に参入する場合は、パチンコの売り上げに麻痺した感覚を矯正するところから始めなければいけない。
さて、ここから本題だ。
日本で一番成功事例も多いが、失敗事例も多い業種とは何か?
答えは飲食業だ。
1年目の廃業率は30%。例えば、ラーメン屋が1年間に1万店オープンしたら、1年後には3000店が廃業に追い込まれる。以下、2年後の廃業率は50%、5年後の廃業率は60%となる。
そこで飲食業を始める場合は屋台からスタートするのがいい。参入も撤退も簡単だからだ。これで味が良ければ、お客も付く。ただ、日本はこれから外食が減少しているので、屋台で成功率が高いのは焼き芋だ。
ある大手企業が新入社員の研修として焼き芋売り体験をさせている。どこへ出店すれば効率よく売り上げを上げることができるかを考えさせることが研修目的で、すでに10年ほど続けている。
売り上げが上がるのは駅前が一番のようだが、コロナ禍で人流が止まった時は困った。そこで出した結論がスーパーだった。1日の売り上げは場所によっても変わるが、2万5000円~4万円の売り上げになる。焼き芋の利益率は80%。1カ月の収入は50万円ほどになる。
研修期間中に焼き芋販売に魅力を感じて、そのまま独立開業した社員が2人いるそうだ。
ホールの新規事業で親和性が高いのが便利屋サービスだ。すでに実施しているホール企業もあるが、低貸しコーナーの高齢者がそのまま顧客対象となる。宣伝は店内POPを貼り出せばいい。会員名簿をホールが持っていることも強みだ。
新規事業は小さな成功体験をコツコツと始めることが肝要のようだ。
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