このメリットがない、というのは何を指しているのか分からないが、製造コスト面で言えば、スマスロはホッパーやコインセレクターなどの部品が不要になるので、製造原価が安くなり、その分利幅が大きくなる。そういう意味でもスマスロはメーカーとしても積極的に推し進めたい。スマスロはユーザーにも抵抗感なく受け入れられていることも追い風に。
一方のスマパチの方は構造的に玉が循環しているので、スマスロほど製造コストを下げるには至っていないのが現状だ。
スマート遊技機時代を迎え、メーカーが共存共栄で生き残っていくためには、部品の共有化は避けて通れない問題だ。スマパチは特に共有化でコストダウンを図っていかなければならない。そう、自動車メーカーのプラットホーム(クルマの基本骨格)の共有化ように。シャシーと呼ばれる車台は共通で、ボディーを乗せ換えることで色々な車種を展開している。
スマスロの様に劇的に製造コストが下げられないスマパチは、プラットホームの共有化は急がなければならない。スマパチが普及することで、部品のコストダウンも図れる。
ところが、当初スマパチ構想の中にあった「共通枠」について、日工組は「規則上、実現は困難との結論に至り、共通部品化の検討も行いましたが、最終的には現行機同様、各社枠となりました」としている。
一言。まとまらない。
その昔、プリペイドカーが警察庁の肝いりでスタートした時、普及が進まないことに業を煮やした警察庁は、CR機には確変を認めることで促進を図った。この時、どういうわけかスロットのCR化はなかった。
CR機構想以前、警察庁からカード一体型の封入式パチンコを要請されていた日工組は、2タイプのモデル機を提出している。BCタイプは今の各台計数を台に組み込んだもので、CPタイプが封入循環式のパチンコだ。これに危機感をもったのが台間玉貸などの周辺機器メーカーだ。「遊技機がそうなるのなら、我々とのすみ分けもきちんと保全してもらわないといけない」ということで、「遊技場システム機器工業会」が設立された。スロットで同じ目的で設立されたのが「遊技場メダル補給装置工業会」だ。
このことは日工組だけでなく日電協にも、警察庁がカード普及のための封入式遊技機開発を打診していたことが裏付けられる。この日工組メーカーが開発したカード一体型のCPタイプが「CR機」の原型ともいえる。枠の所定部分にカードを挿入。カードリーダが読み取った金額から同額の玉数をボタン操作で払い出す。カード残額が表示される。
これがカード式玉貸機能に凝縮されて、このあとCR機になる。日工組はすぐに一体型モデル機を提出したが、日電協は先送りした。「これがスロットで確変機能が認められていない理由でもある」と今は亡き業界の名物記者が指摘している。
CR機ではスロットが置いてきぼりになったが、スマート遊技機ではパチンコの方が置いてきぼりになるのではないか、と心配しているメーカー役員もいる。結局、スマパチは普及することなく、スマスロだけになった、というようなことを憂慮している。
ま、スロットは確変がなくても、しぶとく生き抜いたわけだから、そんなに心配することでもないだろう。
ともあれ、スマート遊技機には中・長期的はキャッシュレス対応やオンラインによるソフトのダウンロードという未来像があるのだから、その希望に向かって突き進んでもらうしかない。
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