おじいちゃんは自分が運転する車で、毎日のようにホールに通った。
おじいちゃんの遊び方はちょっと変わっていた。打つときは現金で、勝ったらすべて貯玉して行った。貯玉で再プレイすることは一切することなく、とにかく出玉はひたすら貯玉して行った。
従って毎日現金を使った。
資産家のおじいちゃんは財産分与のために遺言書を残していた。
おじいちゃんが特に可愛がっていたのが、長男の孫だった。その孫に貯玉をすべて贈与することをおじいちゃんの奥さんには伝えていた。
財産目録には貯玉のことは書かれていなかった。
そういう経緯で奥さんがおじいちゃんの会員カード7枚を持参してホールにやってきた。カードの名義はおじいちゃん一人ではなく、長男や孫などの名義が含まれていた。
遺族が貯玉を下ろしに来るのは、初めてのケースだった。
カードは本人が本人名義以外では作れないのに、ホールは会員カードを発行していた。おまけに暗証番号も分からない。
難問山積だ。
対応に戸惑い弁護士に相談した。
おじいちゃん名義のカード以外は名義人本人に来てもらうように弁護士はアドバイスした。そこですったもんだとなり、結局は遺族が委任状を持ってくることで決着した。
ホールは等価交換。おじいちゃんが貯めた貯玉は約600万円分あった。
貯玉を引き出し特殊景品と交換したが、1日では対応できず、何回かに分けて換金した。
この件で改めて約款を読み返したが、この対応で正しかったのかと思った。
「本人と家族関係が分かるものがあれば対応するケースは多いですね。例えば同じ住所に住んでいる方の運転免許証とかで確認しています。今は、補償上限が100万円になっているので、それ以上貯められない設定にしているお店が多いので、おじいちゃんはカードの名義を分けていたことが考えられますね。それにしても600万円は凄いですね」(設備機器関係者)
ホールが閉店するときに、40万円分の貯玉をしていたお客さんに連絡を取ったホールがあるが、結局、連絡が取れずにホールのものになったケースもある。
その一方で、貯玉をしている常連客で1年以上来店しなくなった場合は、チェックして連絡を取るホールもある。死亡しているケースもあり、本人以外に渡していいものかと迷っているホールもある。
ちなみに、銀行は2019年から10年以上の休眠口座は没収され、公益活動に活用される。
さて、ホールは休眠貯玉をどうする。
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