聴いていると、業界全体が迷走していることにシグナルを送るものであった。
メーカー幹部の中には、今のパチンコ業界の現状で良いのかと自問自答している人もいれば、機械の販売方法もこれではいけない、と思っている人もいる。
ホールの機械活用方法も、もっと良い方法があるのに、アドバイスできない人もいる。
しかし、そんなことを表立って発言する人はいない。
この話はホール業界関係者が普段は、聞けない話でもあろう。
機械の販売方法や価格など、ホール側から見ると様々な不満が鬱積しているため、敵意の矛先はメーカーへ向かってしまう。
しかし、メーカー優位の状況が何年も続いている現状を考えると、そう簡単に立場が逆転することはない。
ただ、機械が売れなくなり始めている今こそ、ホール側にとっては主導権を握る千載一遇のチャンスでもある。
販売台数が落ち込んでいる状況こそが、今迄の力関係を修復させることができるからだ。
この“棚からぼた餅”チャンスを活かすかどうかは、全日遊連の戦略次第でもある。
大量導入、即転売の手法も使えなくなり、販売台数の減少が顕著に現れている現在、メーカーには深刻な事態が訪れている。これまでのように販売台数が稼げないことをメーカーは危惧している。
しかし、上場メーカーは、業績を落とすわけにはいかない。攻めの営業展開するしかなく、同じ機種で複数のスペックを販売するしかない状況に追い込まれている。
一度、火蓋を切ったメーカー間の競争は、ライバルが競争を降りるまでエンドレスで走り続けなくてはならない。それを止めると、自分の会社が倒産してしまう。
倒産しないまでも、大手の軍門に降ることも出てくる。
それは以前にも書いた「ゼンショー」「吉野家」「松屋」の牛丼低価格戦争の様なもの。最後は体力勝負だ。
ここで重要なことは、メーカーの競争の最大の犠牲者が「ホール企業」と「パチンコファン」であるということ。
一部メーカーは、そのことを十分承知しているのだが、改善するだけの状況には至っていない。
現状、メーカーは「今を生きる!」。
これに基づいて、新製品の開発を進めている。
デフレ時代にあって、パチンコ機の価格は高騰は、メーカーには追い風になっている。しかし、これはメーカー主導によるもの。
業界初のカラー液晶パチンコである平和の「麻雀物語」が登場したのは、1991年(カラー液晶機はまだ19才で未成年なんだなァ・・・)。
来年、平和はカラー液晶誕生20周年祭を実施するのかな? 計画がなければ、是非今からでも立案して欲しい。
その当時の機械代と比べると、2倍~3倍。デフレ経済で、唯一の勝ち組製品である。
このことをあるメーカーの重役に聞いたことがある。苦笑いが…。
当時に比べ、販売台数が多くなっているのに、どうして安くならないのか。
これは誰でも思う疑問だ。
それを一言でいうなれば、パチンコ業界は「特殊な業界」。
発売当初は20~30万円していた32型の液晶テレビが、今や5万円で買える時代に、どうしてパチンコ機が35万円前後なのか?
業界人なら誰もが感じている疑問だ。
遊技機は特許の塊である。遊技機1台に400以上の特許が関係している。
特許と業界特有のシステム(メーカー関連の組合や検定認可関係など)で、異業種がそう簡単に参入出来ない事情もある。
一流家電メーカーがパチンコ機を商品化しても、販売できない訳がそこにある。
誰でも簡単に、パチンコ機を製造できれば、遊技機の価格はもっと下がるだろう。
しかしそれは、夢のまた夢。
こうした事情から、遊技機価格を下げることは、容易ではないことを業界人は知っている。
あるパチンコメーカーの幹部が「◯◯◯(スロット専業メーカー)の開発はザル勘定」だと教えてくれたことがある。
プログラムの開発は外注。一声「◯◯円で!」。
しかし長引く不況の中、今までの様なザル勘定のメーカーはなくなるだろう。
でもここで疑問が。
この20年間、スロットの機械代は、パチンコに比べたら変化は少ない。
それは年間の発売機種に縛りがあったり、市場そのものが小さかったので必然的に元々の機械代が高くなっていたからだ。
パチンコもスロットも、コストで高いのは、開発費用。大型版権にもなれば使用料も含まれる。
機械代を安くして欲しいというホールは、パチンコ機の開発コストをどう考えているのだろうか?
私は自動車の製造業に関わっていたので、ホール関係者の発言に違和感を覚えることがある。
この点=違和感を説明すると、非常に長くなるので、このシリーズ中に書いてみたい。
つまり、ホール側が要求している安い機械を実現させるためには、もっと計画的に行動するしかない。
それ以外では、長引く不景気でホールが本当に機械を購入できない状況に陥り、その影響がメーカーに及べば自ずと変わる。
余談だが、将来ホール企業が上場したらどうなるだろうか?
構造変化に即応する方向性を定めよ。
つづく

>>プログラムの開発は外注。一声「◯◯円で!」。
1億という話は聞いたことあります。
ホールが上場したら、余計にお客の事は考えないで、株主目線になりますね。
ピンバック: 一声
>安い機械を実現させるためには、もっと計画的に行動するしかない。
これには同感です。
>ホールは、パチンコ機の開発コストをどう考えているのだろうか?
度々目にする言葉ですが、違和感を感じます。
売り手側のコストの問題を買い手側が気遣わなければいけない、と言う意味なのでしょうか?
「なぜこんなに高いの?」
とメーカーの営業さんに尋ねたことがあります。
「京楽さんに合わせているんだそうです。」
と答えが返ってきて驚きました。
ピンバック: ロートル
ロートル様へ
恐らく「ホールは、パチンコ機の開発コストをどう考えているのだろうか?」とは、
メーカー社内での機械のコスト(材料コストやソフトの開発コスト等)を知らないで、メーカーに安い台を要求するのは、ホールは闇雲に安い台が欲しいと駄々こねをしているだけだとの意味では。
元店長が「デフレ時代にあって、パチンコ機の価格は高騰は、メーカーには追い風になっている。しかし、これはメーカー主導によるもの」と書いてある意味は、買い手が機械のコストまで把握していない事への意味だとおもう。
だからロートルさんが聞いたお話「京楽さんに合わせている」なんて話が出ると思います。
ホール側は上場企業の宿命を改めて認識することが必要です。
非上場の◯◯は、その上場メーカーの宿命を上手に利用している訳です。
ピンバック: 目薬常備人
機械が高騰するまで放置してたホールに問題がある。
上場企業はより多くの利益を求めるので、買い手が高く購入すれば高く売るのは当たり前。
それが安い台を出して欲しいとは、上場パチンコメーカーが呑める訳ない。
安い台が欲しいのなら、どの価格帯なら許せるのかを明示すべし。
でも先日のエントリに書いてあったが、組合が40万までと公言しては、何も説得性が無いでしょ。
ホールは台の価格決定までの過程の認識が欠如してる。
元店長は、ホール側の矛盾⇔安い台が欲しいけど上限は40万よ、これを突いている。その裏に、この言葉⇔ホールは、パチンコ機の開発コストをどう考えているのだろうか?、がある。
ピンバック: 開発コスト
都遊協が40万円発言をした意味の裏はなんだろうか?
ピンバック: Mrホールマン
>機械が高騰するまで放置してたホールに問題がある
異議ありません。
これからでも遅くない、どころか常に議論すべき問題です。
本質に迫ることができれば良いですね。
ピンバック: ロートル
本文とコメントを読むと本質が見えますね
ピンバック: さいさい
パチンコ機が40万は本当に高い!
しかし長年、この業界で住んでてわかってるコトがあります。
メーカーもわかってると思うが、たとえ機械代が半値になっても、お客様に還元するホールは1割に満たないであろうということ。
たぶん入替回数が増えるか入替台数が増えるか、また出店ラッシュが始まるかの選択肢しかないでしょうね。
会長の談話が去年の今頃、記事になっていますが、その時に9年前の話ですから、もう10年前の話をいま見かえして本当に進歩のない業界だと、つくづく感じてしまいます。
ピンバック: 1Q57製
機械の価格は広い意味で、需給バランスに収束する。
ホールは過度な機械購入に頼らなくても、稼動の落ち込みを止める術を身につけ出した。
デフレの本当の怖さは、市民がそのスタイルを標準として適応してしまうことである。
この状況の中で当期最高利益を更新し始めた
ホール主導の時代はもう始まっている。
ピンバック: ホール主導
価格設定は買う人がいる限り変更無し。
当たり前です。
稼げる時に稼ぐ。
この業界は、10年先は考えれません。
その証拠に10年前の貯金は残っていません。
ピンバック: yama
メーカーはコストダウンなんて考えていないような…
無理やりカットインに芸能人なんか使ったりしてただの吊り上げでしょう
欲しいものを買う為に一体何機種ゴミ台に付き合わせる?
その割を喰うのは誰?
やはり長期設置がメーカーの利益につながるような体制が必要かと
その証拠に
やたら玉突きしやすい台
疲れやすいハンドル
ストップボタンが押せないハンドル
盤面を見るのが困難なフラッシュ
誰が何処に設置するかは知ってても、誰が使うのか考えた事がない
年間に沢山の産廃台量産したら優良企業なんて間違ってる
ピンバック: な だ さ
なださ様に同意!
ジャグラーなどの例があるが
外さなくてもよい超優良機械を作ってしまうと
メーカーから見ると、その後売り上げが伸びなくなるというジレンマもありますよね。特にスロット。
長くても、せいぜい2~3年で入れ替えして欲しいのが本音だろう。
かといって2~3年で壊れるような部品を使い、交換に対応しないというのは企業として悪質すぎるが。
ヒット作を持っているメーカーは抱き合わせ
機歴をチラつかせ、売り上げを増やすために
わざとクソ台を作って、撤去サイクルを早めさせて最も利益を高めるビジネスモデルにしているのか?と考えてしまうこともある。
そうではなく稼働している間、メーカーに何%か配当がいくような仕組みにすれば
本当にお客様に目を向けた機械、業界になっていくと思う。
以前WINWINWINの関係はもうこないとおっしゃってる方がいらっしゃいましたが
現状や環境は変えられると思う。
いまはメーカー、ホール、お客様がそれぞれ自分の利益だけ目指している状態。
将来的に業界の社会的評価、従業員の生活、職業差別意識を改善させていきたい。
まず小さなことからでもWINWINの関係を広げていくことが社会貢献に繋がっていくと思う。
ボランティアとかではなく、関係者の生活を豊かにすることが貢献だと思う。
まず業界内でメーカーとホールが互いに貢献しあうことは必要だと思う。
何よりお客様がそのメリットを享受する。
配当性じゃないにしろ、必要な分を必要な時に仕入れられるようにならないのか。
不要な機械を買わされる状況は異常。
ってか法律違反でしょう。
法律違反がまかり通るような業界が社会に認められるわけが無い。
ピンバック: ア太郎