本年もどうぞよろしくお付き合い下さい。
早速ですが、ゲージ論8について進めたいと思います。
コメント等で少し、難しいといった声もいただきましたが、私自身の文章力の拙さと、本ブログにおける立ち位置の違う多くの読み手を意識して、解る方に解ってもらえればという気もありましたが、これから調整をしたいという方や、調整経験の浅い方へ配慮が欠けていたと自省し、少し進め方を変えてみたいと思います。
さて、今回はゲージ論7で予告したゲージ表(ここでは数値の入ったもの)についてですが、はじめに要旨を書くと、正解は一つでは無いが、正解とするためには、抑えておかなければならないことがある、となります。
これはゲージ論6の終盤に、正解は無いと書きながらゲージピッチを取上げた答えにもなります。
現在さまざまな形で入手出来るゲージ表ですが、これまで「どこが良いですか?」とたびたび聞かれた事があります。
その理由を伺うと「正確にその通り叩いても、合わない事が多い」
このように感じたことは、調整者であれば誰しもが思ったことがあるのでは?
これは、そもそも元々の台の持つ個体差と調整の正確さ、という二つの要素が揃って、はじめてそのゲージ数値の良し悪しが問えると言えます。
たとえば、複数台をゲージ表通り叩いた結果、有効スタートが±コンマ2以内(ベースもそれに付随して)に揃っていたとします。
(調整力に問題は無い)
ほぼ想定の数値通りのデータがあがれば問題は無いのですが、台ごとに揃っていても狙った平均数値と大きく違う場合であったならば。
これらについては、大きく2つの要因が考えられます。
①一つは、そもそものゲージ表の設計数値(角度・ピッチ)が違っていること。
②そしてもう一つが、ゲージ表通りに調整出来ていないこと。
このどちらにも、あてはまると考えられるのが、調整の急所(肝)をカバーしていないということです。
私はゲージ表に頼って新台調整をすることは滅多に無いのですが、これまで一見して疑問なゲージ表も見ております。
①について個人的な考えを書くと、まずはゲージ表を作られた状況を考えてみましょうということです。
ピッチや角度を決める際に、実機の入手は必要だと思いますが、リリース前の新台1台(2台でも良いですが)を基に作られたゲージ表では、個体差が生じる以上、正確さに欠けるのは致し方ないのでは?と思うのです。
もちろん多くの台を元に、作成されたゲージ表もあるかと思いますが、最近はそうでは無いといったケースも多いようです。
複数台(なぜ複数台かはお分りですよね)、例えばこれが7、8台の調整を元に作られたゲージ表であれば、ゲージ表の想定値と実データ値の違いは、②の調整力と言える割合が増えると思います。
つまりゲージ表の信頼度が増すのではないかということです。
先に挙げた「どこが良いゲージ表ですか?」という質問について、主観での回答を避け客観的に答えるならば、何台の調整をもとに(どういった状況下で)作成されたものか?について、納得出来る物が良いと思います。
翻ってゲージ表作成業者様は、精度=商品の価値ですから、ゲージ表を作成するプロセスを公開すれば、顧客からの支持は増すと思います。
しかし、現実的に納品前の複数台の入手は難しいでしょう。
これは、ゲージ論 番外編その2で書きましたが、メーカーが営業の調整に関わらなくなったことにも繋がることですから、すべてのメーカー様が何とか対応、サポートしていただければ、調整者、ホールは助かるのに…という気持ちもあります。
現実的なラインでみれば、導入前のゲージ表と導入後の修正盤の二つが揃っていれば(あるかはわかりませんが)、良いゲージ表(業者)と言えるのではないでしょうか(私が知る限り有りませんが)。
少し長くなりそうなので、②の調整力についてはまた次回に。
毎回、メーカー様にお願いばかりしています(汗)が、次回の調整力でもお願いが出てまいります。宜しくお付き合い下さい。

毎回数珠さんのエントリーで勉強させて頂いております。 私なりにも、一つありまして、多分皆様も感じてらっしゃると思いますが、あまりにメーカーの出荷ゲージ酷くありませんか? 特に酷いのが、某S社ですな、今回の虎マスクも苦労しました。 つい最近このメーカーの工場で釘打ち風景がCMで流れておりましたが、悪意すら感じました。 皆様どう思われます?
ピンバック: さすらい釘屋
納品時に見ると、触った形跡の無い機械もありますね。
メーカーが調整をしなくなって以降、出荷前の整備も端折っているのでは?と考えていましたが、どうなんでしょう。
ピンバック: 数珠
私がメーカーにいた途中で釘調整禁止命令が出ました。その後も一応ゲージ表は存在していて、ホールさんにコピーだと・・・ので、ゲージを口伝えで教えていたような記憶があります。。それ以前はゲージ表が本社から届いて(もっと取らないといけない箇所があるのに本社からのゲージ表は詳しくピッチが書いてない。)5台程ショールームでもう一度釘を叩いてゲージ表を完成させていました。(特にTYはホールさんによって癖があったので。)それでもかなり暴れた機械もありました。コンマ4違ってたゲージ表もあって納品初日に営業マンどうしでテスト打ちの結果を電話をかけあって急いで修正させたのを覚えています。
おそらくですがメーカーは緒元表通りのゲージでのデータは出す事は可能ではないのかなと思いますね。まぁ、データの信頼性の責任とちょっとでもお上に突っ込まれる可能性のある事を考えれば出さないのが賢明なのかなとは思います。機械の売れ行きにも関係無いといえばないでしょうしね。
ある種いいかげんで昔からメーカー優位の業界でしたけどホールさんとの間で、winwinの関係が構築されていました。またユーザーも身近な娯楽としてパチンコを支持しそこに費やす時間も体力もありました。急激な機械を含む業界・関係業界へ規制とオープンになった情報化時代、娯楽の多種多様化、給与所得の減少などの大きな波がホールに一気に押し寄せてきているのでしょう。
今出来る身近な対策としては、やはりバランスではないかと。例えば500台程の中型店で稼働が低い割には1.25円や1円パチンコの割合が少ないホールが多い気がします。当然台売りが減りと数ヶ月粗利が減るので新台と中古機の割合の再検討、低貸玉島のスペック再検討、稼働維持の為のホール全体の玉単価の再検討。稼働こそ宝。。偉そうな事言い過ぎました。
ピンバック: HARU
質問なのですが
「元ゲージ」にメーカーの意図が表れていると言われることがありますが
「元ゲージ」というのはコンピューターなどで
計算して設計しているのでしょうか?
というのも元ゲージ通りでちょうど良い損益分岐調整になることが少ないので(どこかしら削ることが多い)、ホールでの実際の運用を計算して設計しているのか疑問を持っております。
また、想定している傾斜は4分?
ステージの設計もメーカーの意図する傾斜は何分なのか?
ステージは今では唯一と言っても良い「玉の流れ」を見せたい大事なところだと思いますが
どの傾斜が最適だとメーカーが想定しているのかわかりません。
等価の店では3分~3分5厘が多いですよね?
昔は4分5厘が標準?
メーカーからもらうゲージ表については
そのとおりのゲージにすると甘すぎることが多いです。今ではほぼ信用してません。
そういうこともあり
メーカーのゲージ設計の根拠というか、信憑性
また傾斜などの動作環境も知っておくと
ホールでの対応方法もまた違ってくるかと思います。
ご存知の方いらっしゃいましたら、ご教授お願いします。
ピンバック: ア太郎
アタッカーは削らない方向にはいかないのでしょうか?
少し前の機種になりますが感動系○ぞんなんて
とんでもない釘調整でした。
利益を取るのは当たり前でしょうが
台を殺す調整はいかがなものかと
スルーや寄り、ヘソをいじるのはわかりますが
パチスロと比較するとBIG中にハズレが出まくるみたいなことですから。
ピンバック: アタッカー
>利益を取るのは当たり前でしょうが
台を殺す調整はいかがなものかと
同感です。
店的にも利益は取りたいが
お客様にストレスは与えたくないです
が、現実的には
アタッカー、確変中の玉減り、スタートの順で犠牲になることが多いと思います。
メーカーには
等価営業で店、お客様ともに「ちょうど良いところ」が、どこも削らない元ゲージに近い状態になるよう設計してほしいと思うのだが
甘い機種が多い。
実際、苦しいお店も多いので
元が辛い設計だと、お店が甘く運用しないままお客様に「出ない台」というレッテルを貼られ短命に終わる恐れがあるから、どの店でもある程度勝負できる気にさせるよう甘く設計してるのかなと
個人的には思ってるのですが
店は利益を取るために営業しているので、結局甘かったら利益を取れるレベルまで削り、遊技性を損ねて、お客様にストレスを与えてる
利益を取れる運用にすると液晶が止まり無音状態へ突入する某大コケ台もあったのも思い出す
といろいろあるが元を正せば
メーカーとホール、お客様間にギャップが発生する元凶は等価営業ではないだろうか?
等価で利益を出そうとすれば、打てば打つほどマイナスになっていく調整にならざるを得ない
出たところで即止めするのがベストになってしまうので稼働時間も低下する
ストレス無く玉の動きを楽しみ
遊べるようにするには
大当たり確率を変えられる設定つきパチンコが復活するか
低交換率営業にするか
でしょうか
ピンバック: ア太郎
ア太郎様
ご無沙汰しております。
>質問なのですが
「元ゲージ」にメーカーの意図が表れていると言われることがありますが
「元ゲージ」というのはコンピューターなどで
計算して設計しているのでしょうか?
これについて、最近のゲージを踏まえて具体例からの
考察を寄稿します。
目から鱗になるかと思いますよ。
ピンバック: 数珠