そんな広島の地で、あるホール企業が、廃業寸前の国産ジーンズメーカーを買収したという話が入って来た。かつては腕利きの職人たちが集い、上質なデニム製品を世に送り出していたその会社も、時代の波に抗えず、いまや社長一人が細々と営業を続ける状態にまで追い込まれていたという。
高価格帯ジーンズが売れなくなった背景には、ユニクロやGUといったファストファッションブランドの台頭がある。5000円以下でも十分に品質の高いデニムが手に入る現在、わざわざ3万〜5万円するようなジーンズを選ぶ消費者は少数派になってしまった。
かつて、良いものにはそれ相応の値段がある、という価値観が支配していた時代から、そこそこ良いものを手軽に、という時代へとシフトしている。
とはいえ、今回の買収話が単なる経済合理性だけで決まったわけではなさそうだ。というのも、このホール企業のオーナーの息子が、筋金入りのジーンズマニアだったというのである。海外製ブランドよりも日本製セルビッジデニムを愛し、ビンテージ加工や藍染めの風合いに惚れ込んだ彼にとって、そのジーンズメーカーは「救うべき文化」だったようだ。
採算が合うかどうかより、好きだから守りたい。そうした個人的な情熱が、企業の決断に影響を与えることもある。パチンコ業界という枠を越えた、次の展開に期待したい。
一方、「拾う神あれば捨てる神あり」とでも言うべき話もある。
今から25年前、あるホールオーナーが購入したのは、10人以上が乗れる大型クルーザー。外洋にも出られる本格派の船で、当時は関係者を乗せての釣りや接待に活用されていたが、ここ数年は全く使われなくなり、とうとう売却を決意するに至った。
しかし、船の維持には莫大なコストがかかる。係留費だけでも年間100万円。さらに、年1回の船底塗装には5〜20万円、定期的なエンジンオイル交換に1〜5万円、冷却水系統の点検やインペラ、バッテリー交換などを含めると、年間で軽く数十万円が飛んでいく。所有するだけで重荷になるのだ。
そして売却活動を始めて5年──買い手は現れなかった。ついには、「欲しい人がいれば無料で譲る」と方針転換。しかし、周囲のホール関係者12人に声をかけても、誰ひとりとして手を挙げる者はいなかった。理由は簡単。そもそも1級小型船舶操縦士免許を持っている人がいなかったのだ。
しかもこのクラスの船となると、扱うにも経験が必要で、維持管理にも手間がかかる。気軽に「もらっておくよ」と言える代物ではない。結局、知人をたどって探すよりも、メルカリに出品した方が話は早い。
情熱と事情、維持と手放し。どちらの話にも共通しているのは、“もの”にはそれを扱う人の覚悟と愛情が必要だということ。企業も人も、「欲しい」と「持ち続ける」は別の話なのだ。
あるものを拾い上げる勇気と、手放す決断。その両方ができるかどうかが、今後の経営者にとって試される時代になってきているのかもしれない。
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ホール経営から撤退を決断しましょう。
ピンバック: 通行人
さっさと手放せばいいんじゃねぇの?
ピンバック: アホくさ
稼働するのかわからん機械を大量に拾い上げて、想定以上に貢献せんからやむ無く手放す決断を延々と繰り返してきた結果が、今やん。合掌。
クルーザーの処分なんかどうでもええがな。すでに多くのホール経営者らは、気付けば身包み剥がされるこの無限ループを試されてきたんちゃうの。
って業界を俯瞰すると、これとて一部の強力なプレイヤーらが望んできた展開やわな。試されるやなく、望んでもないのに生き残りを賭けた死にゲーに無理くり参加させられてる。(で、そのコンティニューを打ち手が全力で支える)
これが非力ホール経営者の実感ちゃう?知らんけど。
ピンバック: 三味唐辛子
本当、このサイトは身内の美化美談がお好きですね。
今のパチンコで言えば、捨てられるばかりで拾ってくれるのは大嫌いなライバル同業者ばかり、という感じかな?
統合や買収なんかの意味で書いたけど、ユーザーという意味でも通じるところがありますな。
ユーザーを捨てるばかりで拾いもしない。
で、最後は拾い上げる勇気とか手放す決断なんか言う側にいられず、自分達自らが捨てられるカテゴリに仲間入り。
そうならないよう最後まで精進してください。
ピンバック: ポンポンペイン