メーカー営業マンなら様々な法人と取引していたので、色々なことを見聞きしてきている。それを踏まえての具申を求められた。
Aさんは大卒。新卒の就職先はパチンコメーカーに入社が内定していた。最初の勤務先だったが福島県の郡山だった。ところが、Aさんは地元の郡山と勘違いして、会社側からいわれていた住む場所の手配をしていなかった。
そのことが原因で入社を辞退することになり、学生時代にアルバイトもしていた外食チェーン大手へ就職する。
外食産業も慢性的な人手不足が続いていた。入社1年で店長へ。バイトを叱ればすぐに辞めるのが外食産業だった。24時間営業だった。人手不足から68時間ぶっ通しで勤務したこともあった。
アルバイトが食材を盗んで帰るような店舗で、棚卸したら15万円分の食材がなくなっていた。深夜になると客もほとんどいない店で、アルバイトが仲間を呼んで酒盛りしていたのを目撃したこともあった。
食材不足は店長の管理監督責任、とばかりに会社は損害を店長の給料から天引きした。
2年間我慢して働いたが、堪忍袋の緒が切れた。
第二新卒として入社したのが念願のパチンコメーカーだった。
入社2~3年目の2000年に「タリラリラン音」で一世を風靡した機械が大ヒットする。このヒットのお蔭で業界2位に躍り出た。ボーナスは年3回も支給され、1回のボーナスが200万円も支給された。
営業職で東日本を担当していた。入社当時はカタログを抱え、細かく説明しようと意気込んで社長と商談のテーブルに着いた。
社長は「細かい説明はいいから、いつから入るんや」と機械の説明を聞こうともしない。
「〇〇からです」
「じゃ、400台持ってこい。その代りうちの県では売るなよ」
「はい分かりました」と言って競合店にも営業に行った。1人で1000台を売り切った。
当時は1台売ると2000円の歩合が付いた。これに釘を叩くと1000円がプラスされた。給料は良かった。そのおカネはミリオンゴッドに突っ込んだ。
Aさんが入社したころの新台価格は22万円。ハネモノは板買いなら9万8000円の時代だった。
時は流れ、入社から15年経った頃は、ホールの新台の買い控えがすでに始まっていた。下位メーカーの機械は特に売れなかった。営業所長のノルマもきつくなった。
得意先のチェーン店(20店舗)に全店導入が決まった。1機種で160台ほど売ることに成功した。1店舗で5~10台の納入が決まった。ところが、上司はその数字に全く納得しなかった。
「お前何してんねん! 仕事してないやろ! 1店舗で10台も売れてないやないか! お前のセールストークは何や!」と罵声を浴びされた。
上司は中身よりもグロスの数字しか評価しなかった。
「お前の分、後何台抑えたらええねん!」
中には、ノルマを追い込まれて「後200台お願いします」という営業マンもいた。ところがそれは倉庫に眠っているのだが、会社としては「完売」したことになる。
機械が売れなくなるとこの6~7年は毎日がハラハラドキドキの連続だった。そんな気持ちで得意先へ行った時に今の気持ちを露呈して冗談で「働かせてください」と言った一言が東日本の法人へ就職することになる。
メーカーの営業マンの大変さが浮き彫りになった。機械が勝手売れた時代は遠い昔話である。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。
これが今も染み付いている上にその事が上の連中にすら報告されていない。だから無理なグロス数字が叩き出される
つまり上の連中が現場を見ていない証拠
現場を見ていれば少なくともこんな営業じゃ台買えないだろう、この機械じゃ売れないだろうなという実感すら出て来ない。
その実感が生まれればアホみたいな糞台も無理な売り上げ目標も設定されるはずが無い
実際に資料だけ数字だけ見てここまで成長してしまったのも悪い。それは機械がある程度適当でも出玉性能が良ければ売れてしまった所為でもある。それに拍車をかけたのがイベントだった。
この沼から抜け出せる方法すら見つけ出せないから未だにこんな無茶ぶりな話が出るんだろう
一度首根っこ掴んででも上の連中を現場に叩き出して働かせてみれば良い。
外国じゃ当たり前になってきている。日本が遅れているだけだ
ピンバック: お花畑か
これが今も染み付いている上にその事が上の連中にすら報告されていない。だから無理なグロス数字が叩き出される
つまり上の連中が現場を見ていない証拠
正しくは株式上場した企業は株主のために利益追求。
売上を下げることは株価に影響が出るから。
上の連中も現場は見てますよ。
それでも株主様の為に売り上げを伸ばすor維持しないといけないから。
勘違いした業界のつけが今、かえってきてる。
軌道修正はできそうにない。
ピンバック: 現実ですよw
ホールを苦しめてるのは規制?誰が見てもメーカーだと露呈した記事内容だわ。
魚屋がぼったくり価格寿司屋に卸し、その寿司屋が客が減り苦しんで国に陳情しても笑われる事と同じ
ピンバック: 山田
誰でも売ることができてた時代に勘違いしちゃったくちかな?御愁傷様。
ピンバック: 通行人
※貢献とは売上ですね
一般的な会社では年間に社員一人の売り上げなんてたかが知れてます(自分に置き換えてみるとよくわかります。あなたがいなくても別に会社の利益が変わらないのであれば給料やボーナスもその程度になります)
分かりやすく例えれば歩合制の世界。
保険関係だと給料やボーナスもトップセールスマンのかたは多いですよね。
それは会社への貢献度(売上)が桁違いだからです。
億の売り上げを稼ぐ営業マンと一日2マン程度の売り上げしか稼がない営業マン(その売り上げから給料が支払われます)では稼げない営業マンは貴方のいう一般的な会社としか認識できないですね。
ごめんなさいね。ブログ内容と関係ないコメントで…
ピンバック: 現実ですよw
ピンバック: 三番