建設的なコメントを入れていただいていたちらし屋さんから、ついに寄稿が届きました。
以下本文
店はお客さんから選ばなければ生きていけません。
先日の「広告と営業の整合性」も客から選ばれるために大事な部分だと思いますが、同じく選ばれるための要素として「ホーム意識(常連意識)」というものがあると思います。
例えばパチンコ日報で取り扱われた話としては「I LOVE 府中」のさくらコマースの話や、究極でいえば函館の「パチンコ富士」などがアプローチのひとつだと思います。
地元密着を謳い、地元との関係性を密に取り、地元民を自店のサポーターにしてしまう。
地元業者を使う。地域貢献・地域還元する。それによって、店と地域の距離を近づける。
まぁ、極端に言えば、同じ負けるなら自店で負けたいと思ってくれたり、同じような条件なら自店を選んでくれる方々を作るということでしょうか。方法は様々だとは思いますが結果的にホーム意識を育成できれば、それは店にとって大きな財産になります。
前置きが長くなりましたが、以前私が法人の企画部にいた頃に、地域密着等とは別の形でホーム意識を育成するため考えたアプローチがありました。
というのも当時の私には予算等の決済権がなく、業者変更等、お金の流れを変えることができない。
そんな中でお客さんと店の距離を近づける目的で考えたのが「イチパチ入替アンケート」並びに「結果等を示した新聞の制作」でした。(具体的なので元いた法人の関係者が見ていたら身バレしそうですね(笑))
コンセプトは「お客さん参加型企画」。
お客さんに意見を仰ぐことで、お客さんの方を向いている店であることをアピールする狙いがありました。
また、参加したい人間だけが任意に参加できるシステムなので、企画参加が苦手な方々を無理に巻き込まないことも、本企画の重要な部分だと捉えていました。
■得票上位は絶対に導入ではなく、あくまでも検討材料であること
■最新機種は希望に添えない可能性が高い(結果的に迷惑を掛けてしまうので)。中古機並びに店内移動については前向きに検討するということ
■ずっと導入したままではなく期間限定導入とすること(期間中は“お客様のご要望により期間限定導入中”の札を表示)
以上のことを前提として店内販促で掲載したうえ、店長と相談しながらあまり過度な無理をしない等身大の企画としてスタートしました。
企画自体は、第一回目から当時中古価格で70万円近くした「花の慶次」を貸してくれた、店長の粋な計らいもあり非常に順調なスタートを切りました。(店長曰く「最初から企画が舐められないように」とのことでした(笑))。
回を増すごとに目に見えて投票数も増え、企画の注目度が増しているのを感じ興奮したのを覚えています。
次第にアンケートの内容に変化が出てきました。
「導入希望機種」としか書かれていない用紙に、絶対に入らない大昔の台が書かれていたり、様々なクレームや、スタッフへの感謝の言葉が入っていたり、企画への要望が入っていたり、とにかく投票内容の質が何ともバラエティ豊かになってきたわけです。
最初から無効票ゼロを前提にしていたので、投票の多様化に伴い新聞もその形態を随分と変えていきました。
当初は、ランキングとそれに呼応しての導入告知しかなかったものが、大昔の台を紹介するコラムができたり、クレーム対応や感謝の声のまとめができたり。
ま、調子に乗ってアンケートの質問を増やしたり、こちらが色んな対応をするから面白がって色んな投票が増えたのかもしれませんが、気づけば、この新聞はイチパチに対してだけではない店と客とのコミュニケーションツールになっていました。
当時は徐々に大きくなっていく「祭」を自分で感じられ、この先にはきっとより良いお客さんとの信頼関係が構築できると確信したものです。
しかし、この話は残念ながらハッピーエンドでは終わりません。
最終的には私が社内事情により別業務に掛り切りとなり、この企画自体をやむを得ず放棄する形になりました。
数カ月経ち一段落して(法人を辞める流れになった時)に集票箱にギュウギュウに押し込められた投票用紙を見たときの脱力感は今でも忘れられません。
結果としてお客さんを裏切ったこと。ホーム意識を作るつもりが最終的には逆になってしまったであろうこと。
店舗の人間に部分的に業務委託すればよかったのかという悔恨。
この企画に関しては途中まで大きな手ごたえを感じていた故に、あれから数年経った今も未だに後悔の念が拭えません。
と、まぁ自分の昔話をしてみました(笑)。
私がこの企画から再確認できたのは、お客さんは色んな事を感じ色んな事を思っているということです。
そして、出玉に対してだけではなく、様々な願望や不満や喜びを持ち来店&遊技されているということです。
それを汲み上げ店なりの返答をする、そしてそれを繰り返していくのが接客業であり、ひいてはホーム意識の育成にも繋がるものだと思うのです。
パチンコ日報をご覧の法人さんのお店はどのようにしてお客さんからの意見を吸い上げ、どのように返事をし、どのように常連さんを作ろうとしているのでしょうか。
意見をうまく吸い上げられていますか? うまく返事ができていますか? お店が推進していることはお客さんが本当に求めていることですか? そして、現在、多くの常連さんに愛されていますか?
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素晴らしい寄稿だと思います。
ホームページに掲示板を配置したり、店のカウンターにご意見箱を置き、その上に返答を掲示するお店はありました。
ですがそれらのお店は今はしていません。
残念ながら質問・ご意見は最初だけでなくなり、その後は誹謗中傷のみになってしまうからのように感じています。
お店のブログをやってるグループ店でも、同日にオープンしたA店はコメントは自由書き込みで懸命に対応するブログ、ですがB店はアメンバー限定での展開など考え方は同じグループ店でも様々なようです。
とても残念に思ったのはまだ若い店長さんが始めた掲示板が、店長が変わったとたんに廃止されたこと。
前の若い店長さんは小まめに店内に入りお客さんの声に耳を傾ける人物(という印象)でしたが、新しい店長さんは現場には一切足を運ばないタイプのようです。
お客さんは台だけを見てるのではありません。
店を見ています。店員さんを見ています。店長さんの姿勢をみています。
ところで質問なんですが、ちらし屋さんが見た投書箱が一杯なのをみて何ゆえに失望したのでしょうか?
いくつか想像はできますが、ちらし屋さんの答えを知りたく思います。
よろしくお願いいたします。
ピンバック: 羽根物大好き
素晴らしい寄稿をありがとうございます!
ピンバック: 中谷
寄稿内容を批判するのでは無い
この程度は他の業界では当たり前の内容だと思うよ
パチンコ日報を読み何時も思うのが
パチンコ業界のレベルの低さ
元店長氏が基本的なことを毎回寄稿してたのは、その現れ
元店長氏はパチンコ業界の業務レベルを少しでもあげたかったのだろぅ
ちらし屋氏も元店長氏と同じキモチかも
他の業務、特にサービス業界なら、寄稿内容は基本中の基本
パチンコ業界の人はもっと世間勉強をどうぞ
ピンバック: 傍観者
当日報を毎日拝見させていただいております。
他業種からこの業界に入りこの数年来店舗管理者として従事しておりますが、ご寄稿の内容はごもっとも当社並びに近隣の店舗でもよくある光景ではないかと思います。マーケティングをしっかり行ない実践・検証して実績をあげる担当者がいてもそれが中々教育を通して引き継がれていかない。その原因は業界の魅力の無さによる優秀な人材確保の困難さと多くの経営者において顧客ニーズの変化への対応が極めて遅いことが挙げられると思ってます。よって1社内だけでの人材育成が難しいなか他店、競合店を含んだ多くの業界人が当ブログのような横のつながりを感じられるものがあるということは非常に有意義であると思っております。
ピンバック: 刹那スキル
営業さん、何時もありがとう。
元店長がブログを再開したら、パチンコ日報で教えてくれますか?
ピンバック: 愛読者
>>羽根物大好きさん
定期的に行っていたお客さんへの返事をこちらの都合で何も言わずに勝手に休止しているわけですからね。
当然、担当者が他の仕事に縛られているなんて事情はお客さんには関係ないし、休止の案内も行っていないのでお客さんにしてみればきっと無視された感覚が強いと思うんですね。
失望はこの企画に参加し楽しみにしてくれていたお客さんに対して申し訳ない気持ちと、自分自身の無力へのものです。
加えて、こういったものは結局は継続してこそ意味がある物だと思うので、それができなかったのがとにかく残念です。
>とても残念に思ったのはまだ若い店長さんが始めた掲示板が、店長が変わったとたんに廃止されたこと。
羽根物大好きさんも仰っているように、支持を受けていたものを廃止するのは結果的にお客さんにむしろマイナスの印象を与えてしまうわけです。
「お客さんの声を聞く」という、接客業の基本は一度やった以上は店長が変わっても担当者が変わっても継続すべき。
だからこそ、この新聞についても後任を作るべきだったし投げ出すべきものではなかったと悔やんでいます。
その一方で刹那スキルさんが指摘されているように
>マーケティングをしっかり行ない実践・検証して実績をあげる担当者がいてもそれが中々教育を通して引き継がれていかない。
という、現実的な問題も確かにありました。スキルの問題もあるし、企画の趣旨を理解し発展的に継承してくれる後任を見つけられなかったのも事実です。
でも逆に言えば、だからこそ本当に継続できれば店の強みになるのでないでしょうかね(笑。
聞いて誰もが簡単に真似&継続できるものならそれはなかなか他店との違い、ひいては強みにならない気もしますしね。
ピンバック: ちらし屋
業界・店舗内外にアンテナを張り巡らし、顧客に対しどんな姿勢で臨むかに尽きる。
舐められると言いながら〝箱ギュウギュウ〟にした店長は如何に…。
ピンバック: ・・・・
客商売なら当然でしょうね
常連客とは常連客になるために努力をします
くだらん世界の中にも道理とかがあります
その常連客と余所者の抜きにくる奴を同じ扱いにしてはいけないんですよ
常連客をえこひいきしてやる必要がある
それを見たフリーの客が常連客になるために努力をするんですよ
ピンバック: ドンタク
>愛読者さん
元店長がパチンコブログを再開することは一切ありません。
ホールの店長に戻るとか色々な噂が流れているようですが、そういうことも一切ありません。元店長に成り代わってご報告させていただきました。
ピンバック: 営業1号
>・・・・さん
フォローになるのですが、本文中の店長は私が別業務に掛かっている間にお辞めになられました。
理由は私が法人を辞める流れになった理由とほぼ同じものです(すいません抽象的な書き方で)。
もちろん、モチベーションを崩していようが、営業上の引き継ぎで忙しかろうがその時点では法人から金を貰っているプロである以上、その辺のケアもすべきです。
ですが、あの状況で店長にそういった部分の責任を求めることは自分にはできなかったですね。
まぁ、繰り返しですが自分の力不足です。むしろ、自分の考え方を理解してくれて企画を後押ししてくれた意味での感謝の方が強いです。
ピンバック: ちらし屋