パチンコ日報

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有終の美を飾りたい…最終話

2014年正月を迎えた。



普通は新しい年を迎えて、新たな気持ちで新たな目標に向かって頑張る決意をするところだ。



しかし、今回の正月は閉店してしまう現実、夢や想いを共有した仲間との別れを考えると私の中で無念な気持ちが大きくなっていた。



正月は22時閉店、2日から平常通りの営業とした。



昨年の12月中旬からは閉店時間を今までよりも20分延長して、22時45分までの営業とした。



これは、スタッフから少しでも長く営業したいとの声があっての変更だった。12月は全スタッフ無遅刻・無欠勤で乗り切った。



「働く仲間と有終の美を飾りたい」



その想いは意志統一できていた。





最低でも3年近く共に働いたスタッフは複雑な思いで新しい年を迎えたに違いない。



自店は、多くの年配者のお客様に支えられているホールだった。



パチンコ台で遊技するだけの単なる娯楽場ではなく、人と人との人間関係をとても大切にする地域コミュニティーを常に目指していた。



一人暮らしの高齢のお客様は、日常生活では会話する事も少ないと話されていた。スタッフ達の明るい表情や言葉を通じて、元気になっていただくことも有終の美を飾るための目標だった。



1月1日の午前10時、開店時間となった。最後の正月営業が始まった。



毎年の傾向だが、正月一日は朝からの並びは悪いのだが、最後の正月営業とあってか、開店前から並んで入場されたお客様は予想以上だった。



話は戻るが、年末も押し詰まった頃、一人のお客様が私を訪ねてきた。スロットの4号機時代に、よくご来店頂いたお客様だった。



風の噂で自店が閉店することを知り、わざわざ駆けつけて下さったのだ。



「この店ではな何だかんだ言っても、本当に楽しく遊ばせてもらったから…最後の営業日は朝9時から当時の常連のみんなをできるだけ集めるので、一緒に並ばせて欲しい」との申し出だった。



「本当に嬉しく思います。お客様のご来店をスタッフ一同、心よりお待ち申し上げます」と伝えた。



後ほども触れるが、そのお客様を筆頭に当時通っていた懐かしい常連のお客様は約束通り、朝9時から続々と集まっていただいた。



その結果、開店10分前には34名ものお客様が店舗横にお並び頂き、ご入場頂いたのだ。



惜しまれつつ、店を閉めることが出来たのだ。



話を元に戻そう。



正月元旦、開店して入場されたお客様は、想い想いにお好きな遊技台で年始の初打ちを楽しまれた。



書き初めコーナーは、予想以上に大盛況で、書道八段のS主任も張り切って応対していた。



「お兄さんは、字がとても上手だから、家宝にするから一筆書いてくれない?」



S主任は自慢の達筆を奮ってくれた。



正月三が日でなんと30名のお客様が書き初めを楽しまれたのだ。もちろんスタッフ達は、もうすぐお別れとなるお客様との触れ合いや温もりを大切に感謝の気持ちで全力応対していた。



正月三が日が過ぎ、4日の営業も終えていた。



『私自身を含めてスタッフは本当に有終の美を飾れたのか?本気の本気でやり切れたのか?』



その答えは、一人ひとりの心の中にあった。



正月四日の閉店後、全ての業務が終了した後、ポツンと独りでホールに立っていた。



ホールの壁には懐かしい写真がさらに増え、壁一面に貼り尽くされていた。



長い間、労を共にしたスタッフの写真を見て、昨日のことの様に思い出して懐かしんでいた。



『みんな、本当にありがとう…みんなには厳しいことをたくさん言ったなぁ。こんな自分を支えてくれて…ありがとう。どんな道に進んでも頑張ってね…』



堪えても堪えても、涙が溢れ出た。



心からこの店で働けたことに感謝した。



最後の営業日の朝9時過ぎ、店舗前の駐輪場にお客様が集まり始めた。



年末に会いに来て下さったお客様の姿があった。



「約束した通り、ちゃんと来たよ!」



お礼の言葉を申し上げた。



4~5人のお客様には、笑顔でこう応じていただいた。



「どうせ出ないのは分かっているけれど、今日は負けに来たから、閉店まで粘るために5スロを打つから…」



前述した通り、開店10分前には34名様ものお客様が店舗横にお集まり頂いた。



スタッフとも想い想いに記念撮影されていた。



今日閉店すると思えないほどの活気が甦った。



営業中は全スタッフで心を込めておもてなしをした。



私も懐かしの軍艦マーチのリズムに合わせて、呼び込みマイクやスタートマイクで店内を盛り上げた。



弊社代表からの閉店の挨拶と花一輪を全てのお客様に手渡した。



最後の最後まで、沢山のお客様に遊技していただいた。



閉店時間には、お客様からお菓子やチョコレートで作った手作りの首飾りをスタッフにプレゼントしていただいた。



閉店1分前に最後のスタートマイクを入れた。



「冬ソナ2~スイートバージョン●●番台ご遊技中のお客様 お見事!フィーバースタートありがとうございます!!」



私の最後の仕事だった。



ふと壁に目をやると、お客様の書き初めが目に入った。



「永い間ありがとう。○○(店名)ちゃん ○○より」



今までの努力が報われた瞬間でもあった。



長年ご愛好頂き、感謝御礼申し上げます。



当ホールに通っていただいてパチンコを楽しんで愛していただいたお客様、本当にありがとうございました。









                               

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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. Unknown

    惜しまれながらの閉店は難しい業種ですよね。パチンコとは小さな賭博として国から景品交換を認められた唯一の民間賭博場。

    それが特殊景品と称して現金換金にかえて桁違いの金を使う遊びになり庶民から恨まれる商売になってしまった。その中で惜しまれながらの閉店は立派です。

    近所のパチンコ屋も4店が閉店しましたが客は並ぶ事なくゴミ捨てにくる人達ばかりでした。棄てづらい物はパチンコ屋の駐車場へが恨みの行動だったのでしょうね。

    あんなに人気のあったパチンコが

    台の高騰、従業員の待遇向上、店の店舗拡大、異業種への参入など客の金が還元される事なく違う用途へ流れ、さらには等価交換で遊ぶ事なく金が消えていってしまう今のパチンコ屋。

     

    バブルが弾けても人気は衰えずにいたのが欲には勝てなかったのかな?客には笑顔と設備で還元すれば十分だと考えたのか。



    その中で惜しまれながらの閉店は立派!
    立派  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 立派

  3. 幸あらんことを・・・

    さまざまな立場の人たちの、さまざまな思いの触れ合いのエピソードがあったエントリーでした。



    ビジネスにおいて理想と現実のギャップはどうしても出てきます。

    それがパチンコビジネスとなれば、なおのこと顕著でしょう。



    >弊社代表からの閉店の挨拶と花一輪を全てのお客様に手渡した。



    此れができるオーナーさんなのであれば、我欲優先の経営はしていなかった?

    しかし、本人の真面目さ正直さ、誠実さだけでは経営は成り立たない。



    そんな現実にオーナーさんも悩まれ、苦渋の選択が今回のエントリーだったのでしょう。

    真実は分かりませんが、少なくとも、私はそう信じたいですね。



    最後に一言。

    人間万事塞翁が馬、と故事でも言います。

    また、禍福は糾える縄のごとし、とも・・・。



    人生は長い道のり、今後の皆さまの行く末に幸あらんことを!
    蜻蛉の親爺  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 蜻蛉の親爺

  5. 行動力

    パチンコ屋だと自ら開業するのは難しいのかな?

    素敵なスタッフが集まったなら

    スタッフの誰かが

    もしくは共同で開業すれば面白いと思う

    この店の場合は勝算があると思う

    ヘビーユーザー  »このコメントに返信
  6. ピンバック: ヘビーユーザー

  7. Unknown

    『ボッタ店(釘を閉めまくったと言ってましたよね)ごくろーさん。』と言うのが大部分の意見でしょう。潰れる位ですから。



    そう言う意見も大事でしょう。美談だけピックアップしてますが怒りで行かなくなった人がたくさんいた訳ですし。



    ボッタ店で客が飛んだ店は、潰れても良いよ。  »このコメントに返信
  8. ピンバック: ボッタ店で客が飛んだ店は、潰れても良いよ。

  9. Unknown

    どんな店舗でもそうだが、それぞれのドラマがあり、人の繋がりがある。パチンコ店だと批判される事も多いが、拠り所としている人もいるから、決して勝ち負けだけで語る事は出来る商売とは、思いません。

    新規で自ら経営するのは今の時代、資金と労力、そして体力、センス、繋がりなど多くの事が必要となり間違いなく、困難な業種です。資金を生み出せる副業がないと。とにかく初期投資が掛かり、割に合わないです。少数のお客様相手だけでは成り立たなく、様々な顧客を大勢取り込まなければ、絶対に成り立ちません。いうなれば、資金のない人間が、勝てないサラブレッド一頭の馬主となり、飼育し続ける事と同じです。



    あはは  »このコメントに返信
  10. ピンバック: あはは

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