パチンコ日報

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給料以外にパチンコ業界で働く魅力作りとは

36歳の男性Aさんが社員20人足らずの食品加工会社に就職したのは昨年11月の初旬のことだった。36歳といえば転職するには年齢的にはラストチャンスともいえる。



これが40歳過ぎると再就職先の門はぐっと狭まる。



会社としては営業職に就いてもらうつもりだが、仕事を覚えるために現場仕事から始めている。



Aさんの前職はチェーン店が8店舗ほどの中小ホールの店長だった。ここで4年余り勤務していたが、大学を卒業して新卒で入社したのは大手ホールだった。



大手には10年以上在籍していたが、ここでの店長職経験はなかった。



食品加工会社の社長は面接の時に、なぜ、前職を辞めたのか聞いた。



「一番最初の会社は上に上がるためにはコツが必要でした。上に覚えのいいパフォーマンス、接客が必要でした。お客様のためというよりも上司に向けて忠誠心と愛想を振りまくような小芝居の打てる者は出世が早いのですが、不器用な奴はなかなか上には上がれませんでした。上司に自分の夢を手紙に書いて渡したり、盆、暮れには中元、歳暮も渡している人もいました」



いうまでもなく、Aさんは小芝居が打てるタイプではなく、不器用なタイプだった。小芝居が打てないので10年以上経っても店長にはなれなかった。



Aさんなりに一生懸命仕事はやってきたが、これ以上この会社で働く自信がなくなり、退社して自分の力を発揮できる中小ホールに転職した。



真面目な働き振りと、大手の経験を買われて2年後には店長職に就くことができた。



中小ホールではアルバイトの採用から機種選定まで店長が任されて、大手では味わえない経験も積むことができた。



オーナーは在日だった。



Aさんは日本人だった。



このホールには店長になって20年の人もいた。この店長も日本人だったがAさんにこう打ち明けた。



「うちは店長以上の役職に就こうと思えば、親族か在日でないと無理だよ。うちにいる限り日本人は店長止まりだよ」



大手では経験できなかった店長職を転職先では経験することができた。何よりも中小で学んだことは小回りの効く店長が多いことだった。



大手の店長は本部からの指示通りに釘を合わせるだけなので、釘の技術は中小の方が優れている、と感じた。



大手の強さは稼働が落ちると、すぐに改装に入り、新台を大量導入して、玉を出す、という手法だったが、これはノウハウでもなんでもないことを改めて感じた。中小には太刀打ちできない資金力が勝っていただけだった。



そうしたことや現在の職場の待遇を考えた場合、この先定年まで店長を続けていくことに魅力を感じなくなった。



これが、まったくの異業種へ転職した理由だ。



Aさんは年収が半分になってもそちらを選んだ。



パチンコ業界の給料は相対的にまだ高い部類に入る。給料以外に仕事に魅力を感じることがなければ、今後も人材の流出は避けられない。



魅力とはズバリ社会に必要とされる産業になることだ。余暇産業ともいわれるように、ギャンブル色を薄め、余暇を楽しんで明日の活力を生む産業にならなければいけない。







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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 相変わらす観点のずれてる業界

    魅力と社会に必用とされる業界は関係ない。

    社会に必用とされてたらこの人は魅力ある仕事と思ったのか?

    在日か親族しか店長以上に成れない中小店が社会に必用とされると在日、親族以外でも店長以上にしようとするだろうか?

    社会に必用とされると大手では本部からの指示がなくなり店長が自由に釘調整できるのだろか?

    パホーマンス、ごますり無くして昇進出来るようになるのだろうか?

    全く関連性はみられない



    今、社会に必用とされる業界と言えば介護業界だが魅力あるだろうか?



    どの業界も同じような仕組みで昇進していく、上手く自分をアピールするのも仕事のスキルの一部、不器用な奴が出世しないのは当たり前の世の中です



    小芝居で昇進出来るとわかっていれば、すればいい、出来なくて昇進出来ないのは自分の力不足で、客の満足度で、

    と思うなら自分で昇進して変えればいい。

    ホントに仕事出来る奴はそうしている
    山田太郎  »このコメントに返信
  2. ピンバック: 山田太郎

  3. 不景気な時代

    今の不景気な社会事情からみて給与のいい業界と社会的必用とされる業界を天秤にかけると必用とされてない業界でも給与が良ければそちらに就職したい

    今の倍の給与が貰えるなら(同じ仕事量で)パチンコ業界でも構わない
    元ヘビースロッター  »このコメントに返信
  4. ピンバック: 元ヘビースロッター

  5. Unknown

    業種を問わず星の数ほどある転職事例のひとつだろうね。



    それと、在日オーナーであえて息子さんに継がさず自らは株主に徹し、アルバイトからの叩き上げの日本人スタッフに社長職を任せている中規模チェーン店もありますよ。Aさんは自らの体験と主観、限られた情報の中で転職されたのではないだろうか。

    頑張って欲しい。
    一般化NG  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 一般化NG

  7. 異業種への転職

    好景気、不景気に関係なく事情があって

    異業種への転職は中々採用されなくて大変だと思います。



    特に転職に際して採用率が低い業種は

    消費者金融、パチンコ業界ではないでしょうか。

    もっとも勤めている人個人には何の問題もなくても

    採用する人事のイメージで不採用となり、

    今後業界が縮小した際に今の従業員の転職問題は

    避けられないですね。



    今回はラッキーな事だと思います。



    職に上下は無いですが、一般的なイメージでは

    パチ屋の店員=スキル無し。と思ってしまいます。

    (一般的と行っても個人的な解釈ですが)

    同じ業界で再就職出来れば多少の不満があっても

    まだスキルを活かせると思います。



    CDショップや本屋、ガスステーション、街からどんどん減ってしまいました。

    この業種も異業種への転職は大変だと思います。

    これからの不景気と効率化でマンパワーを必要としない社会で

    どう生き延びていくか。

    厳しい世の中ですね。

    元スロッター  »このコメントに返信
  8. ピンバック: 元スロッター

  9. 流出にもさまざまな側面が・・・

    妻子は年収が半分になることを納得して了解したのだろうか?

    Aさん36歳は独身なのだろうと、勝手に想像しているが・・(笑)



    >職場の待遇を考えた場合、この先定年まで店長を続けていく・・云々・・

    此処からは帰属する会社での待遇や先々に対する“閉塞感”からの転職と読める。

    また背景に、P業界全体の斜陽傾向が大きく影響していることも想像できる。



    ところで、Aさんは食品加工会社にどんな魅力を感じ、何を根拠に選んだのだろうか?

    「魅力」とは主観性の色合いが濃い言葉、また感じ方や捉え方は人それぞれなのだが。



    エントリーの、給料以外の仕事の魅力・・この事自体を否定する気はないし、あるに越したことはない。

    また業界が、その方向で社会が受容する余暇産業へ変わることにも概ね賛同する。



    ところで、人材の流出はプラスとマイナスの両面があると思う。

    事業規模の拡大がない限り、上のポストが空かないと下からの昇進はない。

    短絡的な表現だが、下の“ヤル気”は上が動かないと低下する可能性が高い。

    そういう観点で、人材の流出が100%悪とは思わない。



    もし人罪・人材・人財があるなら、Aさんは人材の範疇として、“人罪の流出”なら歓迎。

    人罪・人材・人財の基準に関するツッコミは困るが、あくまで“社会常識”に照らしてと云うことで・・。
    蜻蛉の親爺  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 蜻蛉の親爺

  11. 個人

    仕事に対する魅力はそれぞれ個人が見つけていくものなので、企業側がどうこうする問題ではないかと思います。



    普通はこのご時世まずは生活が第一なので、待遇と業務内容のバランスがとれていれば何よりの魅力かなと。



    パチンコ業務は接客業だけど、客に喜んでもらうには利益を削らないといけないという矛盾があるから難しいだろう。

    カニミソ  »このコメントに返信
  12. ピンバック: カニミソ

  13. 社会的地位ですね

    人はパンのみに生きるにあらず。ですかね。



    パチンコ業界に良い人材を集めるには、まずは社会的地位の向上でしょう。



    そのためにはまず、分煙化から。
    元ヘビーユーザー  »このコメントに返信
  14. ピンバック: 元ヘビーユーザー

  15. 金、将来性、自由

    金と将来性と自由な時間、この三つが整った仕事は中々ない

    この店長さんは金より将来性を優先したのかな

    私の友人の元店長は自由な時間を優先して店長を辞め実家に帰った

    社会に出る前は金を優先する人が多い

    稼いで結婚して子供が生まれて、より稼ぐ

    しかしそんな生活に嫌気が差す

    自由な時間を優先する人は増えたと思う

    日本はストレス社会ですからね、まるで仕事をする為だけに生まれてきたような生活です

    少ない給料でも独身なら暮らせる、無理して嫌いな仕事するくらいなら働かないと言う人もいる

    労働基準をまずは勉強してからパチンコ屋で働く魅力作りを考えた方が良い

    有給休暇が使えないまたは使えない雰囲気ではありませんか?労働基準を完璧に守るだけでも魅力的な職業になると私は思う
    ヘビーユーザー  »このコメントに返信
  16. ピンバック: ヘビーユーザー

  17. Unknown

    煽りがなくていいコメント欄です。パチンコ店に勤務でそんなに不利益になるんでしょうかね?皆様の意見を聞きたいです。
     »このコメントに返信
  18. ピンバック: 極

  19. 業界歴10年になりますが

    この業界に長くいると「当たり前と思っていた」事が多々あります。有休取得然り、勤務時間然り。



    ただ、あまり嫌と思ったことがありません。

    理由はこの業界が好きだから。

    だから耐えられるのかも。耐えているつもりもないですが。



    どんな仕事もそうですけど、嫌々やれば不満も出てくる。

    今はどんな業界でも将来なんて見えない。

    そんな中で、自身が置かれている環境でどれだけ長く生き延びていられるか。

    上にあがれないのは自分自身の世の中を生きていくスキルを磨く努力じゃ?と思います。



    昔に比べたら環境もどんどん良くなってきている。

    その分、給料も一般サラリーマンと変わらなくなってきているのも事実ですけどね(苦笑

    後は、自分自身のゴールをどこに定めるのか。



    パチンコ業界だろうと他業種であろうと、仕事をする姿勢は同じじゃないかと私は思ってます。
    ROM専の業界人  »このコメントに返信
  20. ピンバック: ROM専の業界人

  21. Unknown

    皆さんが仰る通り。自分次第でしょう。

    何事も不振を外部に求めるその瞬間に自分自身の価値を落としてしまう。

    経営陣が在日だからだとか、ゴマスリが出来ないからだとかは主要な問題ではないと思います。

    記事のAさんは熟考の上での選択かと思います。

    業界を選んだ事や離れた事を後悔せず成功を祈るばかりです。
    職業に貴賎はなし  »このコメントに返信
  22. ピンバック: 職業に貴賎はなし

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