流行なのか、それとも年を取ったからなのか、「書家」という単語が耳に慣れてきたのは割と最近のこと。
短時間で相手を満足させる言葉を紡ぎ、書も巧く、おそらく会話も巧みであろう。
様々な技能を併せ持った「プロフェッショナル」。それが私のイメージであった。
「和」がベースとなっている誇るべき文化であり、年代を問わず受け入れることが出来るアートだと思っているが、、先日の記事では中高年にはいまいちだったのこと。
私自身が「中年」の仲間入りを未だしていない(つもりでいる)ので、その心理はわからないが、この素晴らしい「アート」を中高年にも喜んで頂ける(もちろん若年層にも)ケースがあったので、ご紹介したい。
イベントが禁止になって以来、ライターや芸能人の招致が増えている。
効果の程は別の機会に譲るとして、予算上の問題もあり、何か面白い企画はないものかと模索を続ける日々の、数年前から使っている販促ツールの一つ「似顔絵」はどうかと考えてみた。
ショッピングモールで見かける催事スペースに、確かに似顔絵師はいる。
もちろん、書家もいればバルーンアートもパフォーマンスを行っていたが、今まで似顔絵をお願いしていた、という自分の中での経験もあり、とある似顔絵師にホールでの実施を打診してみた。
結果から言うと、初回は依頼客はまばら。5~6時間の依頼時間をもてあますほどだった。
しかし、2度目からは違った。3度目、4度目と回数を重ねるごとに、依頼が殺到して、似顔絵制作をお断りしなければいけないほどになった。
似顔絵師先生の対面に座って描いてもらう方もいれば、写真持参でくる方も。
「パチンコ打ってるから出来たら教えて」という方も多く、すぐに対応出来るように先生はデジカメを持参していた。
「今日は予約でいっぱいだった。次来る日を教えて」
「子供・孫の写真を持ってきた。誕生日の日付とメッセージを添えてほしい」
「服装をコスプレでこんな物にしてほしい」
どんな難題にも快く引き受けてくれる似顔絵師に、お客様の満足度も高い。
次第に月1回の定番になった。
毎回参加しているユーザーも多かったことから、「別の似顔絵師はいないのか」という声が出るようになった。
似顔絵師はあまたいるが、個人的に満足できる画力を持ち、近隣エリア在住となるとそう多くない。
しかし、「飽きた」と言われると催事自体が勢いを失うので、くまなくリサーチを行い、違う似顔絵師を何人か招くようになった。
「厳選」が功を奏して、概ね評判は良かった。
月1回、似顔絵師をローテーション制にして飽きがこないように定番で実施していた。
そんな折に、「書家」を招いてはどうかという声をもらった。
「あなたを元気にする言葉を書きます」という詩人だった。
何より、プロフィールが気に入った。
お酒の勢いで路上詩人になることを決め、即デビュー。詩も書も未経験での決断に、氏のエネルギーを感じた。
その後分かったことだが、先日の記事「福詩家たろう」さんのお弟子さんで、転職のきっかけもたろうさんだった。
兎に角、一度依頼してみることにした。
やはり、初開催の反応は大盛況とはいかなかった。興味を示す人も多くいたが、着席まではいかなかった。
似顔絵師同様、一度ではわからないと思い、次回のスケジュールも押さえた。
そんな時、お客様から「今月は似顔絵師はこないのか」との声を頂戴する。
やはり慣れた似顔絵師の要望もあるのかと思った。その時だった。
「似顔絵師と書家を同日に招き、作品自体もコラボレーションしてみたらどうか!」と閃いた。
色紙に似顔絵、スペースを空けて詩も書く。
画風が違うから面白いのではないか。そう思い、趣旨を説明。両先生ともに快諾を頂いた。

従業員にもお客様にも、十分に趣旨説明を行い臨んだ当日。
結果は上々だった。
今までの似顔絵に、詩が入る。
詩に絵が付く。

もちろん、どちらかだけも可能だ。カップル、夫婦、一人での利用も多くあった。写真を持ってきて、子供や孫へのプレゼントに頼む方もいらっしゃった。
似顔絵師、書家の先生方も「作品に幅が出て良い、楽しい」といった声も頂いている。
現在では、レギュラーでお願いしている書家の先生が2名、 似顔絵師の先生が3名、組み合わせ(と言うと失礼だが)により、6パ ターンの作品が出来る。
多忙な方々なので、スケジュール調整の問題もあるが5名 いたら何とかなる。
【似顔絵】あんどうみつき
【似顔絵】あさむらゆき
【似顔絵】やまだいずみ
【書家】中山聖士
【書家】ごとうみのる


出張費、交通費を併せても、観て終わりのタレントを呼ぶより遙かに安い。
純粋な「書」「詩」だけではないので、屁理屈のようになってしまったかもしれないが、若い方からお年寄りまで楽しんで頂けるアートの企画である。
これからも、お客様が喜ぶ企画を考案する毎日を送る。

※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。コメントがエントリーになる場合もあります。
無料ならパチンコを打たなくても書いて貰いに行くかも知れない。
『パチンコを打たなくて』もだ。
似顔絵目当てに来る人ばっかりだと有料化するのだろうか?
サービス自体なくなるのだろうか?
もう、昔みたいにパチンコだけを純粋に楽しんで打つ事は出来ないのだろうか?
我先にと開店と動じに走り込むくらいの気持ちは持てないのだろうか?(整理券云々の問題ではなく気持ちで)
ピンバック: 山田太郎
エントリーの御仁がたろうさんのお弟子さんとは驚きデス!
このジョイント企画はいいアイデアですねっ。
♪((o(^∇^)o))♪
ところで、たろうさんは3月20日(木)~23日(日)、
福岡市のベイサイドプレイスの みなと温泉「波葉の湯」でイベントです。
九州・山口で興味のある方は、此処に行けば気軽にたろうさんと会えますよ。
ついでに、ひとっ風呂あびて・・・(笑)
大仰ですが、ホールを文化的な発信基地・拠点として活用するのは大賛成です。
また、本人が居なくても、似顔絵&詩なら写真1枚あればいい。
本人も然ることながら、プレゼントとして使えるのは広がりもある。
デジタル世界に溺れかけている現代人にとって、手書きの温もりは“感動もの”でしょう。
このイベントがホールの集客に繋がるかどうかはやってみないと分からない。
しかし、少なくとも此れらは小さな社会貢献になるような気がします。
ITの進化で時間と空間の制限がなく、物も溢れかえっている時代。
温もりと思いが詰まった Only One のモノには、それだけで十分価値があると思います。
ピンバック: 蜻蛉の親爺
無料だとしたら店がその方々にお金を払ってるのだろうと思うけど、その分メインであるパチンコパチスロの状況を悪くしては意味がない。
むしろそれをきっかけにパチンコ、パチスロで遊びに来る機会を増やしてもらうのが目的であるならその依頼料をお客負担として上乗せなんてありえないからいつもより状況を良くして向かえないとだめだね。
客呼びの手段として様々なアイディアを出して挑戦していくのは大切。似顔絵と書は成功例となったみたいですね。
昔は期待感だけで来てたお客もその期待感を失っている今、足を運ぶには別な要因がないと中々動かないだろう。
そしてその足を運んでもらったときに期待感を改めて持ってもらわなければ足を運ぶ理由付けにばかりお金をかけてしまい遊ばせる前に経費回収にはしってしまう店も沢山あるのではないかと不安がある。
是非こういったことを実行してもらう時にはその足を運んでもらえた日にパチンコ、パチスロの楽しさを伝えれる様にその日の利益に縛られない経営を期待したい。
ピンバック: おう
本当にお客様に大好評だったのだろうか?
何割のお客様に好評だったのか
客とパチンコ業界の感覚はズレているため本当にお客様に好評だったのか疑問です
ピンバック: ヘビーユーザー
良い企画だと思います。
費用を最終的に客が負担しているのは当然ですが釘に極端な影響がなければ良いと思います。
世の中無料で行えるサービスといえど原資はかならず必要です。ならばこのような催しもありだと思います。
定期的に何かを企画しないと飽きられると思う気持ちは理解できます。私も仕事でお客様にメールを配信したり広告を送付したりします。何もせずに待つだけでは不安です。効果がはっきりしなくても行動すれば安心できます。(売り上げがともなっていればですが)
ピンバック: あさ
近頃では、芸能人以外の営業も盛んな様子で。疲弊し頼れる先は業界なのかU+2048受け皿として必要性あると思うな。
ピンバック: 芋洗坂
物申す氏には随分と無礼な発言になるのですが
タイトル通り、私もまた懐疑的にならざるを得ない記事だと感じる。
顧客心理からは掛け離れすぎていて、好評だとは到底思えない。と首を捻るばかりです。
ただ、本当に好評でイベント目的での集客が取れるのでしたら、中小ホールでは起死回生イベントにさえなりえるかもしれませんね。
どこのお店でしょうか、一度開催の様子を拝見してみたいですね。
ピンバック: 読者