女性スタッフは、日常的に無視されたり、他のスタッフの前で叱責されたりといった、精神的に追い詰めるような言動を受けるようになった。それはあからさまな暴力や罵倒ではなく、言葉の端々や態度など陰湿なものだった。業務上の些細なミスを執拗に責められる一方で、功績についてはまるでなかったかのように扱われる日々が続いた。
ついに我慢の限界を超えた女性スタッフは、思い余って本社に相談することにした。本来であれば、会社は問題を精査し、関係者への事情聴取や事実確認を行うのが本筋だ。
しかし、現実はそう甘くはなかった。本社の担当者は、店長および主任に対して形だけの聞き取りを行っただけで、「本人がイジメと受け取っているのであれば、今後は気をつけます」という上司らの言い訳をそのまま受け入れたのであった。
その結果、状況が改善されるどころか、事態はむしろ悪化した。表向きには注意されたことで一時的に静かになったかに見えたが、イジメはより巧妙かつ陰湿な形に変化し、女性スタッフの心を蝕んでいった。
彼女は次第に職場に行くのが怖くなり、心療内科を受診した結果、「うつ病」と診断された。心身のバランスを崩したことで、出勤することすら困難になり、欠勤が増えていった。
何よりも女性スタッフの心を深く傷つけたのは、長年勤めてきた会社が自分を守ってくれなかったことだ。誰にも助けてもらえない孤立無援の状況の中で、彼女が最後に頼ったのが弁護士だった。
弁護士事務所に駆け込んだ彼女は、まず証拠を集めるようアドバイスを受けた。職場での会話はスマホで録音し、さらに弁護士事務所が貸し出した超小型のアクションカメラを使って、実際のイジメの様子を動画として残すことにも成功した。こうして彼女は一つ一つ、動かぬ証拠を積み上げていった。
証拠が揃った段階で、女性スタッフは医師の診断書を添えて警察に被害届を提出。受理されたことで、事態は大きく動いた。
ここで慌てたのは、女性の訴えを軽視し、問題を放置していた会社側だ。
被害届の受理を受け、双方の弁護士を立て、示談交渉に入った。録音データや動画という動かぬ証拠を突き付けられた店長や主任は、ぐうの音も出なかった。
女性スタッフは、被害届を取り下げる条件として二つの要求を突き付けた。一つは、イジメの加害者である店長と主任の降格処分。もう一つは、会社側の誠意ある対応だった。
最終的に、示談金は通常の事案の3倍という金額を会社側に支払わせることに成功した。さらに、女性スタッフがうつ病により半年以上休職していた期間の給与も全額支給されることになった。
女性スタッフは、職場復帰という選択肢は取ることもなく会社を退職した。会社からの形式的な謝罪や金銭的補償があったが、彼女が心に受けた傷は決して簡単に癒えるものではなし、会社側は高い授業料を決して無駄にしてはならない。ハラスメント教育を徹底することから始めなければならない。
※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。
しかしこの女性スタッフは、泣き寝入りせず証拠を揃えてイジメと戦ったのは、素晴らしい。
ピンバック: トクメイ
証拠集めるのは当然だろう。動かぬ証拠あれば負けるはずない。そりゃこんな会社でその後も働こうなんて思わないの当たり前。
うちの会社もそうだが、上ってバカしかいないのかと思う。だから若いのや中堅がどんどんやめていくのに
ピンバック: 自分はも定年で今は嘱託あと3年