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パチンコ業界とコンビニ業界の共通点と凋落の理由

スーパーやコンビニなどの流通業界でコンサルティングを行う者の中には、かつてパチンコユーザーだった人がいる。そのため、パチンコ業界に対して一家言を持っている。流通業界の現状を踏まえながら、パチンコ業界の凋落についてコンサルが考察する。

まず、流通業界の話題から入ろう。コンビニ業界で長らく「勝ち組」とされてきたセブンイレブンが、近年業績不振に陥っている。2024年3〜11月期の決算によると、営業利益は前年同期比23%減の3,154億円、純利益は65%減の636億円という厳しい結果となった。一方で、ライバルであるローソンとファミリーマートは増益を記録しており、セブンイレブンの「一人負け」とも言われる状況になっている。

セブンイレブン離れの要因の一つとして指摘されているのが、弁当容器の「上げ底」問題だ。これは、見た目のボリュームを維持しつつ、実際の内容量を減らす手法で、消費者の不信感を招いた。また、新作いちご飲料のパッケージに果肉がたっぷり入っているようなデザインを施しながら、実際にはほとんど果肉が含まれていなかったことも批判を浴びた。

ネット上では「消費者を欺く手法」として物議を醸し、企業イメージの低下につながった。

対照的に、ローソンとファミリーマートは物価高に苦しむ消費者に寄り添い、増量キャンペーンを展開することで売上を伸ばした。セブンイレブンも後から増量キャンペーンを開始したが、消費者の信頼を回復するには至らなかった。

「鈴木会長時代は、会長自らが毎日弁当を試食し、品質管理を徹底していた。そのため、上げ底のような消費者の信頼を損なう手法は取られなかった。しかし、会長退任後はコスト削減を優先する企業文化が強まり、姑息な手段を用いて利益を確保しようとする風潮が生まれた」と指摘する。まるで、財務省が増税を成功させた者を出世させる構図に似ているとも言える。

凋落する業界や業種を研究している見地から、パチンコ業界についても次のような見解を持っている。

「パチンコ業界が衰退した最大の原因は、新装開店で出玉を出さなくなったことだ。昔は新装開店で負けても『自分の引きが悪かっただけ』と納得できた。しかし、現在は新台でも出玉を絞る店舗が増え、『店が悪い』と考える客が増えた。これが業界全体の信頼低下につながった」

業界関係者にとっては聞き飽きた指摘かもしれない。しかし、この見解はパチンコ業界の経営戦略の転換点を如実に示している。

このコンサルは、もはや、たらればの論調になるが次のように述べている。

「パチンコ業界がまだ3,000万人のユーザーを抱えていた時代に、ホールを単なるギャンブルの場ではなく、コミュニティスペースとして発展させるべきだった。例えば、コンビニ的な役割を果たすような施策を打ち出し、日常的に利用される施設にしていれば、業界の立ち位置も変わっていたかもしれない。その点では、コーヒーのワゴンサービスは良い試みだった。私のように、片時も台を離れたくない客にとっては非常にありがたいサービスだった」

このような視点は、パチンコ日報の過去記事でも「よろず相談されるホールとなれ」という提言をやったことがあるが、それが実行されることはなかった。

さらに、このコンサルはホールの経営方針についても苦言を呈する。

「私がオーナーなら、絶対に各台計数機は導入しない。昔は玉積みがあったからこそ、出玉感が視覚的に伝わり、それを見た客がさらに集まるという好循環が生まれていた。しかし、各台計数機の導入によってその視覚的な魅力が失われ、結果として集客力が低下した。従業員の業務負担が軽減されたとしても、客が減っては意味がない。パチンコ業界はコスト削減の名の下に、自ら凋落の道を歩んだと言える」

この指摘は、業界が効率化を優先しすぎた結果、最も重要な「客を呼ぶ仕組み」を失ったことを示している。企業努力の方向性を誤ると、最終的に業績悪化を招くことは、セブンイレブンの事例と共通する部分がある。

流通業界と同様に、「短期的な利益追求が、長期的な顧客離れを招く」という教訓を、改めて考え直す機会とも言える。

さて、業界関係者はこの意見を「馬耳東風」と聞き流すのか、それとも真摯に受け止めるのか。未来のパチンコ業界の行方は、その判断にかかっている。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 玉積み・各台計数機以前の問題として、
    期待感皆無&絶望感満載の「回らない」状況では無理w
    トクメイ  »このコメントに返信
  2. ピンバック: トクメイ

    • それに加えて出玉を得るまでのプロセスが遠すぎてウンザリ。
      そこに到達するまでの試行回数が壊滅的に少ない。
      せいぜいそこに至るのは1時間でほぼ1回、多くても2回。
      そこまでにかかる費用は4パチで2万円。
      居座ろうという気にすらならない。
      依存症対策にはいいんじゃないですか。
      ツマラナイという意味では。
      アホくさ  »このコメントに返信
    • ピンバック: アホくさ

      • そしてその数少ない所で得られる出玉は数百個。
        払い出しがそれであり、獲得じゃない、って所が更に萎える。
        なんちゃらラッシュの突入が70%で継続80%なら
        実際に得られる割合はわずか56%
        たった1500個でこんなにセコい。
        その癖スタートがガチ締め。
        それでいてホールは利益が全然出ないとかほざいている。
        メーカーは明らかに設計ミスであり、
        ホールは明らかな運用ミスである。
        問題はお互いがどちらもミスを認めない所だ。両方とも悪いのに。
        遊技者がお前らの思惑を感じ取っているだけ。
        これを延々と20年も30年も続けた結果。
        そりゃ衰退もするわ。
        アホくさ  »このコメントに返信
      • ピンバック: アホくさ

  3. 各台計数機が導入された背景って、顧客の利便性向上や業務効率化、安全性の向上が目的だったはず。だから、業績悪化の直接的な原因とは言えないと思います。むしろ、客が減ったから玉積みのアピールが必要なくなったという流れが本質に近いんじゃないかな。玉積みがなくなった分、出玉演出はデータ表示器や液晶ディスプレイで代替してるし。
    今の経営って、まさに短距離走みたい。目先の結果や数字にとらわれて、長期的な成長やブランド構築といった視点が欠けている。短期的に利益を上げることばかり考えてしまう。でも、持続的な努力や信頼関係の構築がないと、結局は競争に取り残されちゃう。経営の本当の勝負は、どれだけ時間をかけてしっかりとした基盤を築けるかだと思う。それを経営者がやらないから、パチンコ終わりって言われるんだよね。
    メイン基板  »このコメントに返信
  4. ピンバック: メイン基板

  5. あのセブンイレブンでさえやりすぎるとこうなる
    イメージの低下は馬鹿に出来ないという良い事例だ
    しかもこういう信頼関係崩壊からくる客離れは再構築に倍以上の時間と金がかかると言われている
    一度失った消費者の企業への信用はそう簡単に回復するものではないということだ

    悲しいかなパチンコ業界関係者がこの記事を見ても馬耳東風だろう
    理解は出来るだろうがおそらく何もしない
    過去の事例からこれはもう変えられない事実になっている
    馬耳東風なのはなにもこの記事に限った事ではない

    例外的に業界関係者の耳に留まることも稀にある
    それは、
    ・カネがかからないかつ有効的な施策
    ・すでに他所で成功している施策(その施策をパクるため)
    なんかがそれだ
    要は楽で効果的な方法だけは耳に留まる
    短期的かつ短絡的な利益追求が超最優先だからこうなるのだろう
    短絡的なためその対価にそれ相応の多大な代償を払うことになる
    払っている信用はもう底だろう

    各台計数機に触れているが、これも仮に導入しなかったなら客離れは起きていない、というわけではないと思う
    導入したせいで更に加速したというだけだろう
    客離れの根本的な原因は各台計数機なんかではないのだから

    フットワークが軽かった時代に何かをやっておくべきだった、という意見には共感する
    この業界にはその日暮らし根性が染み付いていまっている
    ぶっちゃけるとこういう業界ニュースサイトの存在意義も最早少ないんだろう
    何を書いてもほとんどは現場に届かないのだから


    話は変わるがGWなのに近場のパチ屋はいつもの日曜って感じ
    本当に客は減っているんだと実感できる
    まぁGWだから負ける確率は高いとは言え数年前なら座れないくらいだったと思う
    これでも業界人には危機感が無いってんだからもう終わりだろうね
    天皇賞  »このコメントに返信
  6. ピンバック: 天皇賞

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