景品買取はホール経営とは一線を画す部分なので、ホール経営者から関心が薄いかも知れないが、業者は中小が少なくないため、インボイス制度の導入で業者がいなくなれば3店方式の存続にも関わる問題でもある。
インボイス制度の対応に危機感を持った卸問屋と買い取り業者が「全国流通商団体研究会」(32都府県・52法人)を発足したのが5月27日のことだった。
インボイス制度という言葉は耳にしたことはあるだろうが、まず、その辺りを簡単に説明して行こう。
正式名称は「適格請求書等保存方式」と呼ぶ。
これは所定の記載要件を満たした請求書を「適格請求書(インボイス)」と呼ぶ。インボイスの発行または保存により、消費税の仕入額控除を受けることが可能となる。
仕入額控除とは売上の消費税から仕入のために支払った消費税を差し引いて計算し、二重課税を防ぐ制度だ。
三堀法律事務所のホームページによると、「仕入税額控除制度」について次のように説明されている。
「小売店が消費税込価格1100円で仕入れた商品を税込価格1650円で販売した場合、販売時に受け取った消費税150円(売上税額)から、仕入時に支払った消費税100円(仕入税額)を差し引いた50円だけを納税すればよいという制度です」
消費税の仕入額控除を理解したところで次に進もう。
インボイス制度は売り手側、買い手側双方に適用される。売り手側は、取引相手から求められたときには、インボイスを交付しなければならない。買い手側は、原則として取引相手から交付を受けたインボイスの保存が必要となる。
売り手側は「適格請求書発行事業者」になっていなければならない。適格請求書発行事業者でなければ、インボイスを発行できないからだ。
インボイスが必要になった背景には、消費税が10%に上がった時に、軽減税率が適用されたため、8%と10%が混在していることに由来する。どの取引や商品に、どちらの税率が適用されているかを明確にする必要が出てきたためでもある。
インボイス制度の核心はここからだ。税務署にすれば適正な税を徴収したいところだが、これまで年間の課税売上高が1000万円以下の事業者は消費税の納税義務が免除されていた。つまり、消費税込みの請求書を発行して、取引先から消費税の支払いを受けていても、納税義務はなかったので、消費税分も儲けになっていた。
インボイス制度では、免税事業者などからの課税仕入れは、免税事業者はインボイスを発行できないため、仕入税額控除を行うことができなくなる。免税事業者でも消費税を納める課税事業者になれば「適格請求書発行事業者」になることはできる。要は、免税事業者が今後も事業を続けるには取り込んでいた消費税を収めろ、ということだ。
景品交換所は客から特殊景品を仕入れて、それを景品卸会社に転売する流れになっている。客は適格請求書発行事業者でもないので、仕入税額控除を行うことはできない。
全国流通商団体研究会の設立総会ではインボイス制度について、次のように解説されている。
「買取所は古物商の許可を取得すれば、古物商特例の適用を受け、帳簿のみの保管で仕入れ税額控除が可能になる。古物商特例では、古物に準じる遊技景品の買取についても対象範囲となる」と特例措置が設けられていた。
パチンコ業界におけるインボイス問題は、景品交換所と景品卸業者の間では「適格請求書発行事業者」の申請を行う必要はあるが、客と景品交換所の間では従来通りということのようだ。

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古物商は一回の買取額の合計が一万円以上の場合は、
相手の氏名住所を記録する必要があるとのことです。
また、ホール企業に隣接する古物商では一万円以上の買取は行っておらず、
長年の信頼と実績の慣習により
一万円以下の買い取りを複数回行っているだけとの建前なので、
相手の氏名住所は記録していません。
一方、インボイス制度で税額控除を受けるためにも一万円以上の取引だと、指名住所の記録が必須ですが、
これを、一万円以下の複数回取引とみなし氏名住所を記録しないと、
税務署から悪質な脱税行為と誤解される恐れがあるとの事でした。
これについてその時の話では、制度の運用時期が近づいたら、敵さんから何らからの指針がでるので
それを待ちましょうとの話でした。
未だ指針が出ていない様に思うのですが、このあたりの問題はどうなるのでしょうね。
ピンバック: 匿名人
エンドユーザー相手でそのお客様が課税申告をしていなければ
相手は「課税申告者ではない」とみなせばいい話。
零細で芸能人のような経費計上しない客がほとんどの理髪美容店のような具合ですよね。
景品交換所を利用するパチンカーがインボイスナンバー記入のある利用明細書の発行を求めて
交換所の明細帳簿を毎度記入して雑所得扱いで毎度確定申告するって輩が少なからず現れてくるのでしょうか?
株取引のように負け分を来期に渡って申告出来るようにすればパチンコも投機対象になるのでしょうけれど。
あくまでパチンコとスロは投機でも賭博でもなく 遊技ですからね・・。
ピンバック: パチンコ大賞
パチンコ客を「課税申告者ではない」とみなせば、今までと古物商の消費税納付額は変わらないものでしょうか?
私の考えでは
今まではパチンコ客への支払額の10%が、古物商の消費税納付額から控除されていたのが、
古物商特例が適用されないと
特殊景品の集荷業者への販売額の10%が、丸々古物商の消費税納付額になるのではないかと思います
ピンバック: 匿名人
そうなるとP店の企業と販社も関わってくるって思っていいんでしょうか?
ピンバック: てんちょ
パチンコファン(笑)に払う現金を10%低くして、その増えた10%を消費税として納付すれば、パチンコ屋さんはノーダメージじゃん。
パチンコファン(笑)は国を恨めばいいじゃん。
むしろ、交換率を15%低くして、差分の5%で売上アップとかパチンコ屋さんはやりそうだよね。目先の事しか考えないから
ピンバック: ふざけるな
集まりなんかにて少し前から話題に上がる事が多く
アドバイスみたいな物を求められる事が有るんですよ…
あろう事が脳ミソ容量16ビットのこの私にですよ(^^;
私の考えでは入って来た消費税なんて物は適切に処理
した上で機械的に右から左へが当たり前で何の感情も
湧かない金ですので何か勘違いしている人達の恨み節
みたいな物を聞かされても本当に困るんですよね(^^;
パチンコも他業種も今まで適切(普通)に処理出来て
いたなら請求書の書式が少し変わったり記載事項が
ちょびっと増えるだけで何も問題無いんじゃない
ですかね?
客と交換所の関係等と言う物は別に今までと何も
変わらないと思いますよ(^^;?
(交換所はちょっとだけ大変かも?)
ピンバック: もと役員
今回のコメントも「殆どが零細」「何か勘違いしている人達の恨み節」等秀逸です。
適格事業者である問屋様から景品を仕入れてるホール様においては何も問題ないことなんですよね
本当に困るのは適格事業者にはならないであろう交換所から仕入れをする問屋様と、お客様から仕入れ(買取)をし問屋様へ納品する交換所の売上の扱いですね
国税対応と行政(三店方式)対応両方しなければならないのでちょっとだけ大変( ;∀;)ですね
ピンバック: 裏道通行人