1パチを最初に導入したころは、スリーピング客を掘り起こすために、戸別訪問して遊べるパチンコをアピールする動きもあった。そうした努力や全国に1パチが増えたために、パチンコ人口も1500万人を底に1750万人まで回復してきたが、日本経済が回復しなければ、これ以上の回復は期待できない。
パチンコ業界では貸し玉料金や換金率で営業に変化をつけてきたが、居酒屋業界の涙ぐましい努力はパチンコ業界としても参考にしたい。
開店の5時から深夜までお客で溢れるのは、焼酎「0円」を売りに、マスコミでもたびたび取り上げられる「居酒屋革命 大山総本店」。料理2品を注文すれば焼酎が飲み放題になる。酒で利益を上げる居酒屋の発想を180度転換させている。
焼酎の原価は1杯40~50円、客が飲む量を平均7杯とすれば、350円程度。小遣いの少なくなったサラリーマンは安心して酒が飲め、気兼ねなく料理も注文してくれるので、客単価は2500円ほどだという。
この発想も面白いが、居酒屋にバイキング形式を取り入れたのが横浜市にオープンした「バイキング居酒屋 おだいどこ酒場」。これまでにもバイキング形式の飲み屋はあったが、90分が基本時間。このおだいどこは「15分394円」という細かい時間設定がポイントになっている。
30種類の料理やビール、焼酎が食べ放題、飲み放題。1時間1575円で腹一杯になってベロベロになれる。これは魅力的だ。
「0円焼酎」は損して得取れを実践するもの。パチンコの営業の原点は出すことが先で、客を十分につけたところで、徐々に釘を閉めながら、出したり、取ったり。時にはバカ出しで固定客を掴むような営業をやっていたのに、それができなくなっている。「0円焼酎」はパチンコ営業の原点回帰を示唆する。
バイキング居酒屋は料理や飲み物の料金ではなく、時間でお客の支払う金額が決まっているので、時間消費型居酒屋ともいえる。
パチンコこそ時間消費型産業である。場所代としていかに気持ちよく金を支払ってもらって、リピーターになってもらうか。そのためにはお客が不快に感じる釘調整や出玉カットは排除することだ。これに気持ちのいい接客がプラスされれば怖いものはない。
0円焼酎とバイキング居酒屋精神を実践すれば、鬼に金棒だ。

何十年後には個人の居酒屋は残ってるのでしょうか
ピンバック: エバオタ