パチンコ日報

ニュースにならないニュースの宝庫 

新聞もパチンコも「若者が来ない」のではない。若者が必要としない業界になった

衝撃的なニュースが飛び込んできた。筆者も愛読している産経新聞が東北6県での発行を11月30日をもって停止するという。

理由は新聞用紙など原材料費の高騰、輸送コストの上昇、人手不足、人件費の高騰、そして何より購読者の減少だ。つまり、「売れなくなったものを、高いコストをかけて運ぶことができなくなった」というシンプルな話だ。

全国紙で発行部数が最も少ない産経新聞は約79万部。東北という一つの地域から新聞そのものが消えるということは、新聞というビジネスモデルそのものが限界に近づいていることを如実に物語っている。

この構造はパチンコ業界と驚くほどよく似ている。

都内で読売新聞の販売店を50年以上経営しているある社長は、「ウチもあと10年」と話しているという。その理由は明快で、購読者の78%が高齢者だからである。

現在の購読者が高齢者中心なら、その人たちが10年後も同じように新聞を購読している保証はない。むしろ自然減によって、確実に購読者は減っていく。

この販売店でピーク時には1800部を配達していが、現在では500部まで減ったという。部数が減っているから配達が楽になるという話ではない。人件費やガソリン代、物流コストは上がっている。配る部数だけが減り、コストはむしろ上がっている。

これはホール業界にも当てはまる。

ピーク時には3000万人いた遊技人口を背景に、全国津々浦々にホールが存在した。

ところが現在は、商圏が脆弱な地方からホールが次々と消えている。

パチンコ物件ドットコムの閉店データを見ても、それがよく分かる。北海道、東北、北陸、山陰、四国、九州といった地方が目立つ。しかし、東京、神奈川、大阪、愛知といった大都市圏でも閉店が相次いでいる。

つまり、「人口の少ない地方だけが厳しい」という単純な話ではない。

地方は人口減少と高齢化が直接的に響いてくる。

一方、大都市圏では競争が激しすぎる。駅前小型店は淘汰され、郊外なら大型店同士の競争になる。人口が多いから安泰というわけではない。

新聞の場合、人口の少ない地域から販売網を維持できなくなっていく。しかし最終的には東京や大阪などの大都市圏でも、購読者減少によって販売店そのものが維持できなくなる。

パチンコも新聞も、問題は単純な「地方衰退」ではない。

市場そのものが縮小していることだ。

しかも両業界には、もう一つ共通点がある。

致命的なことは「若者を取り込めない」ことだ。

新聞業界は若者に新聞を読ませようと、電子版やニュースアプリなどさまざまな取り組みをしてきた。しかし、若者からすれば、わざわざ毎月数千円を払って電子版を読む必要性はない。スマホを開けばタダのニュースはいくらでも入ってくる。

パチンコも同じである。

若者にはパチンコ以外の娯楽が山ほどある。しかもスマホ1台で1日暇が潰せる。

問題は若者が数ある娯楽の中からパチンコを選ぶ理由が存在しないことだ。

新聞も同じである。

「新聞を読めば社会が分かる」と言われても、若者からすればスマホでニュースを読めばいい。

パチンコも「昔のパチンコは面白かった」「ハネモノこそ本来の魅力だ」と言っているだけでは、若者には響かない。

さらに厄介なのが、両業界とも既存顧客への依存度が高いことだ。

新聞は高齢者に支えられ、パチンコは高齢者とヘビーユーザーに支えられている。

ところが、既存客を守ることに集中するだけで、新規客が育たない。ホール組合自体が重要課題としながらも「新規客の開拓」というスローガンで終わっている。そして気がついた時には、既存客の減少スピードの方が、新規客の増加スピードをはるかに上回っている。

これが「衰退産業」の怖さである。

顧客が減る→売上が減る→コスト負担が重くなる→サービスを維持できない→さらに顧客が減る→閉店、という負のスパイラルに入ってしまう。

新聞の場合、それが「東北から産経新聞が消える」という形で表れた。パチンコの場合は、「地方からホールが消える」という形で表れている。

だから、今回の閉店データを見て「地方のホールが厳しい」とだけ分析するのは少し違う。地方は先に限界が来ているだけで、大都市圏も決して安全地帯ではない。

新聞がそうであるように、人口が多い都市部でも市場そのものが縮小すれば、いずれ販売店を維持できなくなる。

新聞販売店では「あと10年」という声が出ている。パチンコ業界にも、同じようなカウントダウンが始まっているように思われる。

ただし、両業界とも「なくなる」ことはない。

新聞は紙そのものを売るのではなく、情報をどう届けるかというビジネスへ変わる必要がある。

パチンコも、単に「台を設置して玉を出す」という従来型のホール経営から、遊びそのものをどう再定義するかが問われている。

結局、生き残れるのは「昔の顧客をどう引き留めるか」だけを考えた企業ではない。

「今まで自分たちを必要としていなかった人に、どう必要としてもらうか」を考えられる企業である。

産経新聞の東北撤退は、新聞業界だけの問題ではない。それは、パチンコ業界にとっても「地方から始まる衰退は、やがて都市部へ波及する」という現実なのだ。



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コメント[ コメント記入欄を表示 ]

  1. 少投入で勝てないパチンコなんてただのゴミだろ。
    当たる前に客の財布をパンクさせようとしている台ばかりじゃないか。
    これで楽しさを提供?
    馬鹿言っちゃいけないね。
    LTなんてその最たるものだろ。
    全く理解していない開発者がやっぱり頭悪い、という結論に。
    LT駆け抜け10連発余裕でしたわ。何が継続90%だか。  »このコメントに返信
  2. ピンバック: LT駆け抜け10連発余裕でしたわ。何が継続90%だか。

  3. 客が減る→店は減った客から利益確保→更に客が減る・・・
    客が減る→店は高射幸機に注力→更に客が減る・・・
    客の遊技時間が減る→店は高速吸込機に注力→更に客の遊技時間が減る・・・
    この状況では今後も厳しいと思うが、まあ頑張ってねw
    トクメイ  »このコメントに返信
  4. ピンバック: トクメイ

  5. はっきり言うと高射幸機は全廃(禁止)すべき。

    一万円持ってきてもらって数千円持って行ってもらう。そういうゲーム性にしない限り客は増えない。

    新規でも既存でもよい。みんなが楽しんでもらえるような遊技場にしないと。

    全廃(禁止)にしないと目先の利益を求めて抜け駆けする企業が出てくる。キーワードは全廃(禁止)ですよ。

    そのためにホールに負担をかけさせてはいけない。検定認定までは使わせるべき。

    その覚悟がメーカーに必要なのではないか。
    crazydoctor  »このコメントに返信
  6. ピンバック: crazydoctor

  7. 業界の衰退の理由は極めて簡単。出玉で生活を養う者をふやさなかったことが原因。
    では、他の業界であるのゲーム業界は?
    ゲームのプレイだけで生活する者を作り出し、それを養成する学校まで出来るレベルまで発展した。そして、ゲームの対戦モノは、スポーツと同様、競技のレベルまで発展した。
    では、パチンコ業界は?
    何もしなかったから衰退した。
    衰退したくなければ、業界自体がが努力すべし  »このコメントに返信
  8. ピンバック: 衰退したくなければ、業界自体がが努力すべし

  9. 理想と現実ってやつでしょうね。
    残念ながら今の現場にその理想を聞く耳は持てないでしょう。

    昔の顧客を全力で引き留めるor新規客獲得に全振りする。
    この二つは両立しません。
    かといって無理やり両立させようと両方中途半端だと両方から見限られる。
    現場が明日も生き残るためには前者の「現在の顧客(ヘビーギャンブラー)をどう引き留めるか」しか選択肢は無いということです。
    だいたい、ライトユーザーを獲得したくともそういう機械がほとんど無いでしょう?
    パチンコ業界は、メーカーはホールに売れる機械しか作らないし、ホールは客(ヘビーギャンブラーユーザー)から大量にカネを抜ける機械しか欲しない。なぜならそれ以外だとただちに会社が傾くから。
    そんな高射幸機械が新規客に刺さるわけがないですから。

    >結局、生き残れるのは「昔の顧客をどう引き留めるか」だけを考えた企業ではない。

    ではなく、ソレ以外を考えて実行したところで今の業界構造じゃ現場単位企業単位じゃすぐそこに限界があるんです。
    新規客を獲得するorギャンブルから遊技へ、には1ホールだけの努力でどうにかなるような問題じゃないですよ。
    名無し  »このコメントに返信
  10. ピンバック: 名無し

  11. 新聞や雑誌は技術の進歩によるもの
    大型店化は規制緩和によるスーパーなどでもみられるので
    仕方のないことだと思いますが、
    パチンコは業界が努力せずに楽な方に動いてきた結果ですよ。
    きっかけは利権がらみで上がお金を吸い上げ始めたこと
    (専用CPUや検査機関、CR機、スマ機など)
    そして売上が下がったら値上げと回収で帳尻合わせ、
    新規開拓など全くせずに過ごしてきた、まさに失われた30年です。

    利権というのは難しいもので、一度組織がつくられるとその組織を維持するために縮小や解散はせず、利益を維持する仕組みを次々と作り始めます。無料化する予定だった高速道路のETC設備なんか良い例です。キャッシュレスなんか怪しいもので、認可する側と業界のトップがまた新しい組織を作ったりするのではないかと睨んでいます
     »このコメントに返信
  12. ピンバック: 獣

    • メーカーの台販売が一番いい例では?
      昔、20万の台を10台売れる=200万の売り上げ
      今、50万の台を4台売れる=200万の売り上げ

      インフレ下とは言え、メーカーは台が売れないから値上げするのである。
      た、業界は  »このコメントに返信
    • ピンバック: た、業界は

  13. 必要な情報だけ入手できればイイわけだから必然的にそーなる。

    若者向けの歌番組や恋愛ドラマなども既にネット配信に移行してるし…。そうなるとテレビでさえも「じゃあ、視聴率獲るにはどーする?
    一日中家にいるのは爺さん婆さん?
    じゃあ、その人達向けに番組作るしかないな。」

    選挙で票を取れるのは?
    政治家「若者は投票しないしなぁ~。票にならないんじゃ若者向けに政策を打つ意味が無い。仕方ねぇ。票になる爺さん婆さん向けの政策を打つか!」

    これと一緒。
    通りすがりの風来坊  »このコメントに返信
  14. ピンバック: 通りすがりの風来坊

  15. >結局、生き残れるのは「昔の顧客をどう引き留めるか」だけを考えた企業ではない。
    「今まで自分たちを必要としていなかった人に、どう必要としてもらうか」を考えられる企業である。


    なんか綺麗にしめてるけど、私はこう思う。

    「今まで自分たちを必要としていなかった人に、どう必要としてもらうか」

    ではなく、

    「今まで自分たちが必要としなかった貧乏庶民層を、どうやって依存させるか」

    辛辣だけど間違ってないでしょ。
    自分たちを必要としなかった、じゃなく自分たちが必要としてなかった。
    自分たちで排除してたも同然なんだからさ。
    必要としてなかったモノを今更綺麗に書かれると違和感バリバリ。
    貧乏人はいらないとばかりな営業してたのに今更苦しくなったから貧乏でもいいから来店させよう、は流石にキリギリスすぎる。
    いやまぁ記事の内容はごもっともなんだけどね。
    パチンコ業界に照らし合わせると都合がよすぎるなぁとね。
    通りすがり  »このコメントに返信
  16. ピンバック: 通りすがり

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