店舗は都心から特急電車で約1時間半。かつては地域の娯楽の中心だったが、現在の主力客は高齢者の1円パチンコユーザーだ。
「あと10年持たないだろうな」
オーナーはそう覚悟している。
その象徴的な出来事が後継者問題だった。
本来なら息子が事業を継ぐはずだった。しかし息子が選んだのはホール経営ではなく、農家への婿養子という道だった。
息子を責めることはできない。
地域の人口は減少し、高齢化は加速している。パチンコファンそのものが少なくなり、かつて賑わった地域のホールも今では全盛期の5分の1程度まで減った。
オーナーは社内のやる気ある社員に事業承継してもらえないかと考えた。
財務内容も公開した。
条件も破格だった。
店舗はそのまま使い、オーナーに家賃を払うだけでいい。
しかし、誰一人として手を挙げなかった。
理由は単純だ。
魚のいない池で釣りをするようなものだからである。
どれだけ経営努力を重ねても、地域そのものから客が減っている以上、未来を描きにくい。
そんなホールに、ある日クレーンゲーム機の営業マンがやって来た。
近年、都市部ではパチンコ店からクレーンゲーム専門店へ業態転換するケースが増えている。
営業マンのセールストークは実に魅力的だった。
「1パチより利益は取れます」
「お客様は1回で2000~3000円使います」
「景品原価は安く、粗利率も高いです」
低貸営業で薄利に苦しむホール経営者にとっては、耳を傾けたくなる話ばかりだった。
しかも今のクレーンゲームは、単に景品を掴むだけではない。
クレーンでパチンコ玉をすくい上げ、4段構成のクルーンへ流し込み、最後まで到達すれば景品獲得となる機種。
あるいは、クレーンで掴んだピンポン玉をタコ焼き器の当たり穴へ落として景品を獲得する機種。
運や偶然性を取り入れながら、プレイヤーを夢中にさせるゲームが次々と登場している。
見方を変えれば、かつてパチンコやスロットが得意としていた「あと少しで当たりそう」という期待感を、クレーンゲームが巧みに取り込んでいるとも言える。
さらに業界内では、遊技機メーカーがスロットの設定運用や出玉設計のノウハウを応用した新型クレーンゲーム機を研究している、との噂まで聞こえてくる。
真偽は定かではない。
しかし、もしそれが事実なら興味深い。
遊技機メーカーがパチンコ市場の成長ではなく、その先の市場を見据え始めていることになるからだ。パチンコ業界のノウハウがクレーンゲーム市場へ流れ込もうとしている。
高齢化で客が減る地方ホール。
後継者も見つからない。
そんな現実を前にすると、「どうやってパチンコを続けるか」ではなく、「何に転換するか」を考える経営者が増えるのも無理はない。
パチンコ店の跡地に並ぶのは、次世代のホールではなくクレーンゲーム機の列――。
そんな光景が、これから各地で当たり前になっていくのかも知れない。
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しかしパチンコ屋が無くなっていくというのはある意味では良い流れだと私は思っています。後釜が何になろうと、です。例えばクレーンゲームセンターであろうと今はパチ屋が無くなる事が重要だと思っています。まずは遊技人口に見合うホール数メーカー数にならないと何も始まりませんから。中小には申し訳ない気もありますがホール数が減らないと余波がいかないのでメーカーは気付きません。パチンコ業界にとっても日本社会にとってもまずは業界縮小が前提です。
クレーンゲームとの差を気にしたりパチンコ業界衰退は人口減少からきてると思い込もうとしたりいかにもthe業界人という感じがしますねここは。確か昔はパチンコは不況に強かったはずですよね?昔のままなら今はそれである程度の強みが出せたはずでは?人口減少だけで衰退しているわけじゃ、ないですよね?
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継承?無理。働いている社員も気が気じゃ無いでしょう。
かといってクレーンゲーム機も、普及する気もしませんが。
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