転機が訪れたのは、会長が亡くなる前に持ち上がった財産分与の件だった。将来の禍根を残さぬよう、会社を分割し、それぞれが資産を引き継ぐ方向で話が進んだ。
ところが、改めて営業中の20店舗を精査すると、実態は想像以上に厳しかった。うち6店舗は低貸し専門店で収益は悪化していた。実質的な「閉店予備軍」だった。将来的な設備投資や維持を考えれば経営の足を引っ張るだけだった。実質的に分割の価値を持つのは14店舗というのが現実だった。
この14店舗を三等分するのか――と思われた矢先、三男の常務が口を開く。
「もはやホール経営に興味はない。現金で財産を分けてほしい」。
さらに次男の専務も「この先、自分に経営を続ける自信がない」と続き、店舗ではなく現金での分与を求めた。
長男の社長が14店舗すべてを引き受ける選択肢はある。しかし5年後、10年後の市場環境は見通せない。人口減少、機械代高騰、設備投資負担などを考えれば、リスクは増すばかりだ。
一方で、弟たちは店舗の将来リスクを負わない代わりに、相応の現金を要求するのは虫が良すぎる。しかも、安い評価額では納得しないのは明らかだ。
事業承継は理想だけでは進まない。企業価値の算定、将来キャッシュフローの見積もり、不採算店の扱いなど、すべてが現実的な数字として突きつけられる。
過日、業界最大手のマルハンは、東北で10店舗を運営していた公楽から、吸収分割によってホール経営事業を承継した。
公楽は新卒採用も行い、社員教育にも力を入れていたホール企業だった。第7回ぱちんこ情熱リーグでは参加172店舗の頂点に立ったのが同社の「ウインズ一関店」だった。優勝の背景にはクリーンスタッフから警備スタッフまで一丸となった営業力があった。それだけに意外な結末だった。
生き残りをかけ、規模と体力のある企業へ集約が進む動きの象徴ともいえる。
20店舗チェーンの兄弟も、同じ問いに直面している。守るのか、分けるのか、売るのか。同族経営の実態が数字の前で試される。地方有力チェーンの未来は、もはや家族だけの問題ではなく、業界再編の一断面となっている。
※コメントには必ずハンドルネームを入れてください。匿名は承認しません。コメントがエントリーになる場合もあります。
なぜ客が離れているか、勝てないから。昔のような営業はもう無理で来る客から回収しかしないような絵営業、どの店も。
ピンバック: 一切打たなくなったわ。
ピンバック: 獣
独占禁止法の目的はこういう事態にならないためにある法律だと思いますが機能しませんでしたね。残念です。
ピンバック: crazydoctor
はぁ?
納得しろや。買い叩かれてこの程度の金額ですと受け入れるのが現金分与だろうに。
評価額の1/10でも多すぎる位だ。
アホ抜かせレベル。
ピンバック: アホくさ