ある日のことだった。遊技中、おばあちゃんはお漏らしをしてしまう。席を立って店内を歩いている姿を見たスタッフが、ズボンが濡れていることに気づいた。どう声をかけるべきか一瞬迷ったものの、意を決してやさしく声をかける。
「お漏らししていませんか?」
すると、おばあちゃんはきっぱりと否定した。
「漏らしてなんかいないよ」
「でも、ズボンが濡れていますよ」
「濡れてなんかいないよ」
やり取りは平行線をたどった。そこでスタッフが席を確認すると、椅子はしっとりと湿っていた。状況は明らかだった。
おばあちゃんは携帯電話を持っていなかったため、家族に連絡を取る必要があった。スタッフが丁寧に話を聞き、家の電話番号を教えてもらい、連絡を入れる。
電話に出たのはお嫁さんだった。事情を説明すると、自宅でも同じことがあるが、本人はおむつを嫌がって履くことはなかった。
暫くして、お嫁さんが着替えを持って来店した。そのとき、おばあちゃんはちょうど連チャン中。店のルールで出玉共有が可能だったため、お嫁さんはそのままおばあちゃんの出玉を使って打ち始めることになった。
すると、ラッキーなことが起こる。おばあちゃんに続いて、お嫁さんにも幸運の女神がほほ笑んだのであった。連チャンが続き、気づけば出玉はみるみるうちに増えていく。最終的にお嫁さんだけで2万発を叩き出した。
この日のトータルは、2人合わせて約13万円のプラス。思いがけないハプニングから始まった一日が、思いもよらぬ大勝という形で締めくくられた。
もしおばあちゃんのお漏らしがなければ、お嫁さんがホールに来ることもなかっただろうし、この結果もなかった。そう考えると、出来事の善し悪しは一概には言えない。
終わりよければすべてよし――そんな言葉を地でいくような、不幸が招いた幸運な一日の出来事だった。
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