しかし、この光景を歓迎していない人たちがいる。
それが警察庁だ。
最近の業界では、「演者来店イベントが規制されるのではないか」「取材イベントが禁止されるらしい」といった噂話が飛び交っている。しかし、関係者の話を総合すると、警察庁が問題視しているのは演者や取材だけではない。
もっと根本的な部分である。
つまり、「特日」という文化そのものだ。
風営法では「著しく射幸心をそそるおそれのある行為」は禁止されている。ホールの前に何百人、何千人もの客が列を作り、「今日は出る」「今日は勝てる」という期待だけで人が集まる光景を、行政がどう見るか。
警察庁からすれば、「これ以上ないほど射幸心をあおっている状態」と映っても不思議ではない。
しかも問題は、7月7日だけではない。
「3日」「5日」「7日」「8日」「ゾロ目」「月と日が重なる日」など、業界には長年培われた特日文化が定着している。ホールが何も告知しなくても、ユーザーは自然と集まる。
逆に言えば、広告を出さなくてもイベントとして成立している。
警察庁が興味を持っているのは、こうした特日に本当に通常営業以上の高設定配分が行われているのかという実態だ。平日と比較して設定状況に明確な差があるのであれば、「暗黙のイベント営業」と判断される可能性も否定できない。
もちろん、現時点で全面禁止が決まっているわけではない。しかし、風営法という「伝家の宝刀」は常に抜ける状態にある。
だからこそ業界は、この点を軽く考えるべきではない。
せっかく広告宣伝ガイドラインが整備され、一定の自由度を持った営業が認められているにもかかわらず、一部ホールによる過激な広告やステルスマーケティング、ガイドライン逸脱行為が後を絶たない。県警本部の担当者が各地の組合総会で、繰り返しガイドライン順守を訴えているのも、その危機感の表れだ。
一部の店舗の暴走が、業界全体の自由を奪う。
これは過去にも何度も繰り返されてきた歴史である。
業界が今後もイベント営業という文化を守りたいのであれば、必要なのは警察との駆け引きではない。自主規制を自ら守り、自浄作用を機能させることである。
信頼は一朝一夕には築けない。
しかし、失うのは一瞬だ。
7月7日の熱狂を来年も、その先も続けたいのであれば、業界全体が「自由には責任が伴う」という原点に立ち返る時期に来ている。
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