「オリエンタルランドは、値上げによって客単価を上げることで増収を実現している。しかし、パチンコ業界が同じように客数減少を高単価化で補おうとした結果、何が起きたのかを忘れてはいけない」
東京ディズニーリゾートを運営するオリエンタルランドの2025年度売上高は7045億円となり、過去最高を更新した。しかし、その中身を見ると、成長の原動力は来園者数の増加ではない。東京ディズニーランドとディズニーシーの来園者数は、35周年を迎えた2019年3月期の3256万人をピークに、その後は約2700万人程度で推移している。
つまり、客数は戻っていない。それでも売上を伸ばした理由は、年間パスポートの販売をコロナ禍以降廃止する一方で、チケット価格の引き上げや有料サービスの導入によって、1人当たりの消費額を増やしたからである。
大人1人の1デーパスポートは2019年の7500円から、現在では最高1万900円まで上昇した。また、有料で人気アトラクションの待ち時間を短縮できる「ディズニー・プレミアアクセス」も導入した。
結果として、客単価は2019年3月期の1万1815円から1万8403円まで上昇し、増収につながった。
一見すると、非常に合理的な経営戦略に見える。
しかし、ここで注意すべきなのが、パチンコ業界が歩んだ道である。
パチンコ業界は、遊技人口の減少を補うために、残ったヘビーユーザーからより多くの売上を確保する方向へ進んだ。
高射幸性機の導入により、一人当たりの投資金額は増加した。しかし、その裏側で「お金がかかり過ぎる遊び」というイメージが強まり、ライトユーザーや若年層が入りづらい環境を作ってしまった。
結果として、短期的な売上確保にはつながっても、新しいファンを育てることができず、遊技人口の減少に歯止めをかけられなかった。
オリエンタルランドにも同じリスクがないとは言えない。
実際、18歳未満の来園者数は減少傾向にある。2019年度には900万人以上だった18歳未満の来園者は、2025年度には672万人まで減少している。
ディズニーの強みは、子供の頃に家族と訪れた経験が、大人になってから再び訪れる動機になることだ。子供、学生、社会人と人生の節目ごとにファンが継続する仕組みがあった。
しかし、子供の頃の接点が減れば、将来的な大人客の減少にもつながる。
これはパチンコ業界が経験したことと重なる。
既存ファンから単価を上げることばかりに注力し、新しいファンを増やす努力を怠れば、いずれ市場そのものが縮小する。
オリエンタルランドが今後も成長を続けるためには、現在の高単価戦略だけでなく、年パスの復活で次世代のファン作りにも目を向ける必要がある。
パチンコ業界の失敗は、客数減少を客単価アップだけで補うには限界があるということだ。
夢の王国ディズニーランドだからこそ、その教訓を学ぶ必要があるのではないだろうか。
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