「ホール経営者で全東信を使って飲食店や風俗店を経営していたところを知りませんか? 今後、お客さんはクレジットカードが使えず、現金オンリーになるため、連鎖倒産も懸念されています。特にキャバクラやホストクラブでは、1本100万円もする高級酒を入れる客もいますが、現金決済だけになれば太客が離れる可能性があります」
全東信の倒産とはこうだ。
同社は7月6日、大阪地裁へ準自己破産を申請し、破産手続き開始決定を受けた。負債総額は約1151億円に上る。
同社は、飲食店などのクレジットカード売上代金をカード会社より先に加盟店へ入金する決済サービスを展開し、成長を続けていた。2020年3月期には約80億円の年収入高を計上していたが、コロナ禍による加盟店減少や赤字化に加え、加盟店契約を巡る不正事件で信用が低下。資金調達にも支障をきたし、事業継続を断念することになった。
クレジットカード会社は加盟店審査において、業種や営業実態、反社会的勢力との関係、過去のトラブルなどを厳しく確認している。
特に風俗店、アダルト関連、ギャンブル関連などは、カードブランドや決済会社によって加盟審査のハードルが高い業種である。
そのため、通常では契約が難しい事業者が、別会社名義や別名義を利用して加盟店契約を取得する「名義貸し」のような手法が問題になるケースがあった。今回の全東信の問題も、こうした加盟店審査をすり抜ける行為が発端となった。
では、ホール企業への影響はどうなのか。
ホール企業が全東信を利用していたケースがどの程度あるのかは分からない。ただし、もし関連する飲食店や夜の店舗を経営していた場合、決済手段を失う影響は業態によって大きく違う。
報道では一般的な飲食店でカード利用客が減ることを懸念しているが、影響が大きいのは、キャバクラやホストクラブだろう。高額決済をカードに依存している客も少なくない。現金決済のみになれば、高級シャンパンを入れる太客が離れる可能性は否定できない。
今回の全東信破綻は、単なる決済会社の倒産ではなく、現代の商売がいかにキャッシュレスインフラに依存しているかを浮き彫りにした出来事でもある。
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