まずは都市部で勢力を伸ばすまいばすけっとの存在だ。コンビニと同じような小型店舗でありながら、価格は一段安く、日常の食材が揃う“冷蔵庫代わり”として生活に入り込んでいる。このミニスーパー業態の浸透によって、コンビニが独占してきた「近い・便利・すぐ買える」という領域が静かに侵食されている。
これまでコンビニの強みは「いつでも開いている利便性」と「立地の良さ」だった。しかし、24時間スーパーは低価格と品揃えで外側から攻め、まいばすけっとのようなミニスーパーは生活圏の内側から切り崩す。いわば挟み撃ちの構図だ。価格面では太刀打ちできず、日配品でも客を奪われるとなれば、コンビニの存在意義は徐々に薄れていく。
とはいえ、完全な駆逐が起こるかといえば、そこは単純ではない。コンビニは都市部の駅前やオフィス街といった「超小型立地」に強く、即時性や決済機能、インフラ的役割も担っている。
一方、24時間スーパーは一定の売り場面積と駐車場を必要とし、まいばすけっとも出店エリアは都市部に偏る。つまり、三者は競合しながらも棲み分ける関係に落ち着く可能性が高い。
ちなみに大阪・寝屋川市にオープンしたTRIAL 寝屋川店はヤマダ電機跡への居抜き出店であり、低コストかつスピード重視の拡大戦略を象徴する事例といえる。
ここで注目されるのが、閉店したパチンコ店の跡地である。まいばすけっと用地としては、閉店した駅前店がある。
さらに、郊外ロードサイドに立地し、広大な駐車場を備えたパチンコ店は、まさに24時間営業の大型スーパー向きの不動産だ。建物も大空間で天井が高く、売り場転用がしやすい。解体せず居抜きで活用できればコスト面でも有利になる。
実際、食品スーパー側から見れば理にかなっている。新規出店は用地取得と建設コストが重いが、パチンコ跡地ならそのハードルが下がる。地域住民の認知も高く、看板を変えるだけで商圏に入り込める利点もある。
ただし、課題もある。パチンコ店特有の構造はスーパーに最適とは限らず、改装コストがかさむ可能性がある。また、過去のイメージがファミリー層の心理的ハードルになるケースも否定できない。
それでも、閉店ホールの増加と低コスト出店を求めるスーパーの思惑が一致すれば、両者が結びつくのは時間の問題だろう。24時間スーパーが外から攻め、まいばすけっとが内側から削る中で、コンビニの牙城は確実に揺らいでくる。
完全な駆逐は起きないにせよ、勢力図は確実に塗り替わる。その最前線に、役目を終えたパチンコ店の跡地が浮上してくるとすれば、小売と遊技の交差点で起きている変化は、すでに後戻りできない段階に入っている。
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