新聞離れの理由としては、スマホやニュースアプリの普及によって無料で情報が得られるようになったことが挙げられる。しかし、それだけでは説明がつかない。
本質的な変化は、SNSの登場によって誰もが情報発信者になったことだろう。
かつては新聞やテレビが情報を独占していた。読者や視聴者は、それらが伝える内容をほぼ無条件に受け入れるしかなかった。しかし、SNSの普及によって当事者が直接発信できるようになり、従来メディアの報道内容を別の角度から検証できるようになった。
その結果、新聞やテレビに対する信頼が揺らぎ始めた。
ところが、多くの新聞社は読者離れが進んでも、自らの論調やスタンスを大きく変えようとはしなかった。むしろ残された熱心な読者層に向けて、より強く色を打ち出す方向へ進んでいった。
それが偏向報道である。
発行部数は減っても、支持してくれるコア読者はいる。だから、その層を満足させる記事を作る。
結果として、さらに一般読者が離れて行く。
これは新聞業界だけの話ではない。
パチンコ業界にも同じ構図が見える。
本来、パチンコは幅広い層が楽しめる大衆娯楽だった。勝ち負けだけではなく、遊技そのものを楽しむ客も多かった。しかし現在はどうだろうか。
業界が重視しているのは、少数でも大きな金額を使ってくれるコアなヘビーユーザーである。
高射幸性機種が支持されるのは、その層が確実にお金を使ってくれるからだ。メーカーもホールも、売上を維持するためには彼らを無視できない。
その結果、機械はますます刺激が強くなり、使う金額も上昇するばかりだ。
かつて気軽に遊んでいたライトユーザーや高齢者、初心者は次第に離れていった。
それでも業界は、「まだ打ってくれる客がいる」として、さらにコア層向けの機械作りと営業を続ける。
これは新聞社が残った熱心な読者に向けて、より先鋭化した紙面を作る構図とよく似ている。
もちろん、コアファンは大切だ。しかし、コアファンだけを見ていると市場は確実に縮小する。
新聞が発行部数を半減させたように、パチンコ業界も遊技人口を大幅に減らしてきた。
共通しているのは、「支持者を大事にすること」と「支持者だけを見ること」を取り違えた点だ。
市場を広げるためには、離れていった人たちがなぜ離れたのかを直視しなければならない。コア層の声だけを聞いているうちは、業界は居心地がいい。しかし、その先に待っているのは緩やかな縮小である。
新聞業界が辿った道は、パチンコ業界にとって決して他人事ではない。むしろ、自らの未来を映し出す鏡なのかもしれない。
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