昼食代も例外ではなく、ワンコインで済ませられた時代はすっかり過去のものになった。外食すれば1000円近くかかることも珍しくない。
そんな中、とあるホールが従業員向けの福利厚生として面白い取り組みを始めた。
15合炊きの業務用炊飯器を購入し、コメは会社が支給する。ご飯は当番制で従業員が炊き、各自がおかずを持参するスタイルだ。
たったそれだけの話だが、温かいご飯が無料で食べられることは想像以上に大きい。特に若い従業員にとっては食費の節約につながり、会社としても比較的低コストで満足度を高められる。
そんな話を従業員が常連客に何気なくしたところ、思わぬアイデアが飛び出した。
「その炊飯器、休憩室に置いてくれないかな」
さらに続けた。
「端玉25玉でご飯一杯と交換してくれたら助かるんだけど」
なるほどと思わせる発想だった。
その客によれば、近隣に飲食店が少ないホールでは食事休憩そのものが面倒になることがある。空腹を我慢して打ち続けるか、そのまま帰宅するかの二択になるケースも少なくない。
そこへ景品としてレトルトカレーを置き、休憩室に電子レンジがあればどうだろう。
ご飯一杯にレトルトカレー。それだけで十分な食事になる。
日本人は米文化の民族だ。豪華な食事でなくても、炊き立てのご飯と漬物、ふりかけがあれば満足できる人は少なくない。
もちろん実現には課題もある。
ホールが食事を提供するとなれば、保健所の許可や衛生管理など様々な問題が発生する可能性があるからだ。
しかし、この提案が興味深いのは、単なる食事の話ではない。
常連客が求めているのは豪華なサービスではなく、「ちょっとした居心地の良さ」だからだ。
最近のホールは設備投資や新台導入ばかりが注目される。しかし、高齢化が進む中で常連客が本当に望んでいるのは、意外にもこうした生活に寄り添ったサービスなのかもしれない。
25玉のご飯一杯。
一見すると冗談のような話だが、そこには常連客を少しでも長く店に留めたいホール側と、気軽に食事を済ませたい客側の思惑が一致する可能性がある。
派手な新サービスではない。
しかし、こうした現場発のアイデアの中にこそ、これからのホール経営のヒントが隠されているのかも知れない。
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