もっとも、営業中のホールは未成年が立ち入れないため、見学は閉店後に設定。歓迎会も兼ねてパチンコ大会が開催された。
ルールは30分の時間制限で出玉を競うシンプルなもの。すると、初体験にもかかわらず彼女が見事に優勝し、賞金10万円を手にした。
もともとアニメ好きだった彼女は、日本文化への関心が高い。初めて触れたパチンコにも強く惹かれ、その独特の演出やゲーム性にすっかり魅了された。
一方でスロットについては「海外にも似たものがある」として興味はなく、むしろパチンコ特有の世界観に惹かれた様子だった。
さらに印象的だったのは、機種に対する率直な感想だ。閉店後に再び遊技する機会を設けたところ、玉が外に出ないスマート機には「おもしろくない」と即答。手元に玉が流れ出るアナログ的な感覚こそが“当たった実感”につながると感じたようだ。この反応は、以前から業界でも議論が交わされた問題でもある。
パチンコに興味を持った彼女は、パチンコの仕組みについて社長を質問攻めにした。中でも景品交換の仕組み、いわゆる三店方式の説明には首をかしげ、「なぜこんな回りくどいことをするのか」と率直に疑問を呈し、「無駄ではないか」と切り捨てた。外から見たときの違和感が、そこにはあった。
一方で、日本での生活そのものにも強く惹かれている。治安の良さ、街の清潔さに驚き、観光地以上にコンビニの利便性と品数に魅了された。中でもタマゴサンドはお気に入りで、「何を食べてもハズレがない」と語る。将来は日本で就職し、生活したいという目標まで持つようになった。
今回の留学を通じて、彼女は一つの疑問を抱く。
「なぜ日本発の娯楽であるパチンコは海外に広がらないのか」
日本製品が世界を席巻する中で、パチンコだけが国内にとどまっている理由。その歴史や背景を調べ、レポートにまとめる予定だという。
外からの視点は、ときに本質を突く。
彼女の率直な驚きと違和感は、日本人が見慣れてしまった“当たり前”を問い直すヒントになっている。
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